
【第0回】すべての始まり:88.5MHzから届ける、僕らの46年目のアンコール
2023年7月6日。僕と臣さんの新しい挑戦が始まりました。
レインボータウンFMのスタジオ。マイクの前に座る高揚感と、少しの照れくささ。43年前(現在のノート執筆時点からは46年前)に一緒にバンドを組んだ時には、まさか還暦を過ぎて二人で公共の電波に乗って喋る日が来るとは思いもしませんでした。
この日は、僕たちの自己紹介から。建築の世界に身を置く僕と、アパレルの世界から仏門へと転身した臣さん。一見バラバラな二人の人生を繋いでいるのは、やはり音楽でした。

【放送シナリオ・アーカイブ】
(BGM:軽快なイントロ)
石井はるか(MC): さあ、今日から新コーナーが始まります!「なじみバンドのノスタルジア:43年の奇跡と音楽と建築と宗教」。ブルースチャップリンのお二人が、短い時間では語り尽くせなかったお話を毎週届けてくれます。それでは、お聴きください!
竜ちゃん(竜): 皆さん、こんばんは!BLUES CHAPLINの山岸です。
臣さん(臣): 高橋です。
竜: 臣さん、いよいよ始まっちゃいましたね(笑)。
臣: 始まっちゃいましたね。
竜: 初回ですから、まずはこの番組が何を伝えたいのか、僕たちが何者なのかをはっきりさせましょう。僕たちは今年で結成43年を迎える「BLUES CHAPLIN」というバンドの幼馴染コンビ。番組タイトルの「なじバン」は、局長が名付けてくれた「幼馴染バンド」の略です。
臣: いい名前ですよね。
竜: ここではバンドの歩みだけでなく、僕たちの本業である「建築」と「宗教」……例えば『音楽と建築』の意外な繋がりなんかもお話しできればと思っています。まずは臣さん、自己紹介をお願いします。
臣: はい。僕は1961年生まれの62歳。大学卒業後はイタリアのアパレルブランドで働いていました。ミラノに行ったりもしたんですが、34歳の時に「そうだ、お坊さんになろう」と思い立ちまして。
竜: あれは驚きましたよ。会社辞めて僧侶になるって聞いた時は「ぶっ飛んだな!」って思いましたもん(笑)。
臣: 12年遅れのデビューでしたけどね。では、次は竜ちゃん。
竜: 僕は1962年生まれの61歳。大学で建築を学び、一級建築士としてこれまでずっと街づくりに関わってきました。実は、就職するときに臣さんのお母様に相談したことがあるんですよね。
臣: うちの「おふくろさん」ですね。日蓮宗の僧侶でした。
竜: 「音楽の道か、建築の道か」と相談したら、お母様が「あなたの前には真っ白な紙と、そこに続く太い線が見える」と。音楽の方は残念ながら見えなかったみたいですが(笑)。でも、その言葉があったから迷わず建築の道へ進めた。今思えば、それが正解だったんでしょうね。こうして今、音楽も建築も両方楽しめているわけですから。
臣: 本当にそうですね。
竜: さて、僕たちのバンド「BLUES CHAPLIN」についても少し。結成は1980年。高校卒業を機に一度バラバラになりかけた時、マネージャーをやっていたT君が「一緒にバンドをやろう、しかもオリジナルで」と提案してくれたのが始まりでした。
臣: 楽器ができない彼が、メンバーを繋ぎ止めようとしてくれたんですよね。その続きは、また来週。
竜: 初回の最後は、僕たちの原点とも言えるこの曲でお別れしましょう。
(楽曲:限りなくアメリカに近い街 / BLUES CHAPLIN)
【本日のオンエア曲】
限りなくアメリカに近い街(BLUES CHAPLIN) A city that is infinitely similar to America (feat. Julian) [CHILLOUT mix] by BLUES CHAPLIN
福生の景色を彷彿とさせる、僕たちのシグニチャー・ソングです。
編集後記
放送80回以前の台本は残っていませんが、こうして音源を聴き返すと、当時のスタジオの空気感や、マイクを前にしたあの日の少し照れくさい高揚感までが鮮やかに蘇ります。
アパレルから仏門へ転身した臣さんと、建築の世界で街をつくってきた僕。一見バラバラな二人の人生をリノベーションするように、音楽がもう一度、僕たちを同じ舞台へと連れ戻してくれました。
この「声の記録」を、これからは「文字の記憶」として。 46年目のアンコールは、まだ始まったばかりです。どうぞ最後までお付き合いください。
※この連載では、放送アーカイブにイラストを添えてお届けしています。最新の放送(Vol.134)の雰囲気はこちら。