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【連載 第24回】(放送第104回):お岩さんは祟っていない。妖怪話が教えてくれる「不安」の消し方と「物」への愛

    夏の夜、背筋を凍らせて涼をとる「怪談話」。 しかし、お寺を預かる僧侶である臣さんの視点でその歴史を紐解くと、そこには単なる恐怖やおどろおどろしさを超えた、先人たちの深い教えと優しさが浮かび上がってきます。

    【放送アーカイブ:お岩さんの名誉回復と、妖怪という名の処方箋】

    竜ちゃん(竜): 臣さん、夏といえば『四谷怪談』のお岩さんですが、怨念となって祟る恐ろしい女性のイメージがすっかり定着していますよね。

    臣さん(臣): 実はそこが大きな誤解なんです、竜ちゃん。実在のモデルとなった田宮お岩さんは、夫の伊右衛門と非常に仲睦まじく暮らし、田宮家を立派に再興させた、地元でも評判の「賢婦(かしこい奥様)」だったんですよ。

    竜: ええっ、祟るどころか良妻賢母だったんですか!

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    お岩さんは【賢婦】

    臣: そうなんです((笑))。実際にお岩さんを祀る陽運寺さんでは、「良縁成就」の優しい仏様として大切にされています。また、「垢舐め」や「砂かけ婆」といった妖怪たちも、暗闇への漠然とした恐怖に「妖怪」という名前をつけることで、先人たちが正体不明の不安を管理可能なものに変えようとした知恵なんです。

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    お岩さんは祟っていません

    竜: 「垢舐めが出るからお風呂を綺麗に掃除しようね」という生活の教育でもあるわけですね。古い道具に神が宿る「付喪神(つくもがみ)」も、道具を大切にする日本人の素晴らしい感性です。

    臣: 幽霊も妖怪も、元を辿ればご供養を待つ存在や神様の化身。「物を大切にする」「亡き人を想う」。怪談の本当の役割は、私たちを怖がらせることではなく、日々の生活を丁寧に慈しむための優しい教育だったんですよ。

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    垢舐め

    【Music of The Week】

    TAXMAN(The Beatles Cover / BLUES CHAPLIN)

    ジョージが歌ったTAXMANを、僕たちの温かいアコースティック演奏で。

    編集後記

    お岩さんは祟っていなかった、という臣さんの名誉回復トークを聞いて、なんだか心がホッと温かくなりました。 妖怪や怪談を恐れるのではなく、そこに込められた先人たちの「物や人への愛」に気づいたとき、日々の暮らしの景色が少しだけ優しく整うような気がします。

    🎥 放送アーカイブはこちら

    著者について
    山岸竜司・高橋正臣によるユニット「ブルースチャップリン(BC)」がお届けする、エンターテインメントと知性の交差点。ラジオ番組『#なじバンのすたるじあ』公式note。中欧の風から江戸の怪談まで、幅広く深い「のすたるじあ」を綴ります。

     
     
    結成46年、シティポップの原点とビートルズへの愛を有機的に繋ぎ、音楽を心から愉しむクリエイター。国立や立川、世田谷等のライブハウスや野外ステージで活動中。レインボータウンFM「#なじバンノスタルジア」ではパーソナリティも務めています。熟成されたバンドサウンドをあなたに。

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