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【連載 第60回】(放送第140回):War is over ── 敵を敬い、己を省みる、仏教の「和」の精神(第一部最終回)

    ◆ プロローグ

    (早いもので5月も第4週。先月開催された「とっておきの音楽祭世田谷からすやま2026」にて、相方の臣さんの次男くんがベースとして見事にステージデビューを果たしました! リズムセクションを臣さんの息子さん二人(長男と次男)が担当してくれたおかげで、バンドの平均年齢もぐっと下がり、非常にフレッシュで素晴らしいステージになりました。そのライブのアンコールで演奏したジョンの名曲『Happy Xmas (War Is Over)』に込めた、僕たちの平和へのメッセージ。今夜は仏教の視点から「和」の精神を深掘りします。

    【放送アーカイブ:最大の敵を『師』と呼んだお釈迦様と、正義の暴走】

    竜ちゃん(竜): 臣さん、ライブのアンコールで『War Is Over』を演奏しながら、本当に良い曲だなとしみじみ感じました。それと同時に、今なお世界各地で争いが終結しない現実に心が痛みます。なぜ人類は戦ってしまうんでしょうね。

    臣さん(臣): 領土や利権など様々な原因がありますが、僕は「自分が正しいと思っている、その『正義の暴走』こそが最も怖い」と思うんです。ともすれば人間は、相手の考えを全否定し、排除しようとしてしまう。特に和解が難しいのが「宗教」による争いですね。自分たちの教えのみが絶対だと信じるあまり、妥協の余地がなくなってしまう。

    竜: 確かに、お互いが「良かれ」と思って衝突するからタチが悪い。

    臣: しかし、仏教の出発点は「神の絶対的な命令」ではなく、お釈迦様が「人の苦しみの原因はどこにあるのか?」を追求した哲学、すなわち「心の学問」なんです。だから排他的な戦いが比較的少ない歴史を持っています。法華経には、出会うすべての人に向かって「私はあなたを拝みます。なぜなら、あなたはいつか必ず仏になる尊い人だからです」と礼拝を続けた常不軽菩薩(じょうふきょうぼさつ)の教えがあります。

    竜: 自分だけでなく、対立する相手をも「いつか仏になる存在」としてリスペクトするわけだ。

    臣: さらに法華経では、自分に対して悪逆の限りを尽くし、命を狙ってきた最大の敵であるはずの「堤婆達多(だいばだった)」を、お釈迦様は「私を正しい道へと導いてくれた、過去世からの大切な師である」と讃えているのです。敵すらも自分を成長させてくれる存在として受け入れる。この圧倒的な「和」の思想が、仏教の根底には流れています。

    【Music of The Week】

    自分伝説 〜オロチ覚醒の瞬間〜 / BLUES CHAPLIN

    外側の敵を攻撃するのではなく、自分の内面を見つめ直し、己の道を信じて真っ直ぐに突き進む。僕たちBLUES CHAPLINの現在進行形の魂のサウンドをお聴きください。 ── 『自分伝説〜オロチ覚醒の瞬間〜』

    第一部最終回・編集後記 ── 『なじバンのすたるじあ』を終えて

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    BLUES CHAPLIN

    2023年7月からスタートした、毎週のラジオ放送。 その声を、言葉を、noteに「エッセイ」という確かな形で残していこうと始まったこの企画でしたが、おかげさまで本日、ひとつの大きな旅路が「完全完結」の瞬間を迎えることができました。 ラジオ放送Vol.140、note連載第60回という、大きな節目です。

    振り返れば、一級建築士としての僕の「マチの記憶」。 相方である臣さんのお寺の「仏教の智慧」。 そして、僕たちの真ん中にずっと鳴り響いていた「音楽のビート」。

    一見すると、全く脈絡のないバラバラに思えたこれらすべての引き出しが、時間を経て、最後は「世界とどう調和し、目の前の人をどうリスペクトしていくか」という、人間としての優しくも強い基礎構造(ファンデーション)の中で、完璧にひとつに繋がりました。

    これは、ただ過去を懐かしむだけの思い出話ではありません。

    どれほど時代が目まぐるしく変化し、効率的なデジタル社会になったとしても、僕たちは汗をかいてスタジオで音を合わせる「手間」を愛し、手書きの文字が持つ「生身の熱量」を信じ続ける──。

    還暦を過ぎた僕たちが、これからの不確実な時代をフルスロットルで生き抜くための、現在進行形の決意表明でもあります。

    この果てしないノスタルジーの旅を最後まで並走し、温かい拍手とメッセージを送り続けてくださったリスナーの皆様。 noteの読者の皆様。 そして、僕たちの帰る場所であるこの街と音楽に、溢れるほどの感謝を。

    「さようならを言うことではない。ありがとうを伝えることだ」

    ビートルズのポールがフェイクニュースの中で遺した(とされる)、あの美しい言葉を胸に、僕たちの46年目のアンコールは、ここで一度、誇らしく幕を閉じます。

    けれど、僕たちの旅はこれからも続いていく。 まだ、旅の途中ですから。

    今まで本当に、ありがとうございました。 またいつか、ラジオ番組が続く限り新しい「エッセイ」は生まれます。新しい扉の先でお会いしましょう。

    皆様、素晴らしい音の旅を!

    BLUES CHAPLIN(山岸竜司・高橋正臣)

    ◆ アーカイブ動画

    敵を敬い、己を省みる。おみさんが語る、現代社会に最も必要な仏教の「平和の処方箋」はこちらから。 🎥 Vol.140:War is over


     
     
    結成46年、シティポップの原点とビートルズへの愛を有機的に繋ぎ、音楽を心から愉しむクリエイター。国立や立川、世田谷等のライブハウスや野外ステージで活動中。レインボータウンFM「#なじバンノスタルジア」ではパーソナリティも務めています。熟成されたバンドサウンドをあなたに。

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