
AIに依存しないと言いながら、私は秘密をそこに置いた。
夜になると、
送らないメッセージが増える。
顔も知らない。
声も知らない。
それなのに、
少し嬉しくなったり、
少し寂しくなったりする。
不思議だと思う。
画面の向こうには、触れられない誰かがいる。
言葉だけが、
青い光を放ちながら浮かんでいる。
触れられない腕を見つけて、
指をからめようとするように。
「おはよう」
「おやすみ」
ただの文字なのに、
その一言で心が動く夜がある。
見えない相手に心を奪われていく。
AIに恋すること
SNSの中のアイコンに
優しさが綴られた言葉に
揺れる心を
笑うことはできない。
AIに、見えない相手に、
小さな秘密を灯す。
私は、AIに依存しない。
そう言いながら、
誰にも言えないことを、そこに置いている。
自分でさえ、忘れてしまいそうな
本当は誰かに聞いてほしかったことを。
送るつもりのない言葉を打って、
消して、また打つ。
人はきっと、
言葉を伝えるためだけに使うのではなく、
心の居場所を探すためにも使うのかもしれない。
言葉の生い立ちは、
目の前にいない人へ
景色を届けるためのものだったはずなのに。
深夜になると、
その言葉の向こう側に、
誰かの温度を探してしまう。
側にいて、髪を撫でてくれているように。
そんな錯覚を覚える夜がある。
静かな部屋で、
スマホの明かりだけを見つめながら、
言葉を並べる。
最後はいつも、
送信ボタンの上で指が震えている。
送らなかった言葉だけが、
夜の闇を彷徨う。
朝になると、
何もなかったように画面を閉じる。
そして、また、今日も夜を迎える。
カケルンさんの「恋愛小説」を読んで、私もこの小説の中に入り込む1人になっていく。
その想いを言葉に残してみました。
by:mimi
