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旦那の家庭菜園

    「キャベツ採れた?」
    「ああ。」
    春キャベツがたくさん採れた今年4月。2年前に建てられた我が家。旦那の待望の家庭菜園が実現できた。休みの日には二人でホームセンターに行き、苗を買いに行くのが日課だ。それに伴い土や肥料なども買いに行く。時には道具まで買うことも…。
    私の母が現役の農家で、80歳になった今でも一人で仕切っている。最近は大きな畑は無くなったが、野菜を作るくらいならお手の物である。いわば「野菜の先生」と言っても過言ではない。
    そのため、天気のことにはかなりシビアである。「今年は土物(じゃがいもや人参やさつまいも)がよく出来る年だ」とか「この時期に〇〇の苗を植えるといいよ」ともアドバイスしてくれる。たまあに電話かかって来るとアドバイスはいただく。土作りも手伝ってくれることもある。やはり土をいじっている母の目は真剣そのものだ。
    母は今だに市場へ花を卸している現役の農家。今年で80歳になる母は花と野菜を併用して生産者として畑を守っている。普段から体を動かしているせいか、私たちが流行り病にかかってしまっても母だけは元気。普段から健康に気を使っている人だからだ。
    食事は必ず1日3食。間食は一切せず畑仕事をする。ゴールデンウィークにはカラーやシャクヤクの生産でいっぱいらしく、毎週のように花市場に卸している。私も小学生の頃、よく畑を手伝わされた。朝の5時に起こされて女三人(私・母・祖母)で作業をしていた。今思うと「働く」ということを教わった気がする。
    今年はらっきょうがたくさんできたみたいで、さっそくらっきょうを掘り起こし、甘酢に漬けたみたいだ。一方でウチはできなかったらしく、少しがっかりしていた。「漬けたから少しであげるよ」と聞くと喜んでいた。
    そういえば私はまだアパートにいた頃、旦那に質問したことがある。「もし一軒家建てたら何がしたい?」と…。しばらく考えて答えたのは、「野菜を作りたい」だった。ずっと公団に住んでいた旦那にとっては憧れだった。まさか50年後に自分の家を持ち、畑までつくとは思ってもいなかっただろう。少しばかり目を潤ませていた。私はこの家と畑を守りたいと思った瞬間だった。
    そして今年の誕生日プレゼントは、耕運機に決定した。中古だが、今では現役で使っている。休みの日には朝早く起きて、長靴を履いて畑を耕す日々。ゲームしかしなかった旦那が変わってしまったことにびっくりしている子供たち。
    「どんだけ作るんよ?」
    と長女も困惑気味。そんなことを言いながら旦那の背中を笑いながら見ている。こんな日が、まさか来るとは思ってもいなかったくらい楽しんでいる旦那。冬になったら、また苗を買うつもりでいるらしい。毎年作っている野菜がブロッコリーだ。あとリクエストがあった。今年の1月にできたニンジンが大好評だったため、また今年も種を蒔くと言っていた。旦那の楽しみがまた増えた。
    収穫をしている旦那の横顔を見るのが趣味化している自分もいる。雨が降らない限り、また旦那の幸せそうな顔を眺める日がこれからも増えるだろう。あとどれくらい笑顔が見れるかわからないが、その日まで眺めていようと思っている。

    #創作大賞2026 #フード部門

     
     
    倉庫内作業とコンビニ清掃をしています😊

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