
【閃光文】クリエイターLayの思考ロジック
宴が始まると、そこは最高に幸せな空間だった。
これも美味しい、あれも美味しい。
目の前で焼かれたステーキの味も抜群だ。気心の知れた商店街の仲間たちとの宴会は、ラッキーの心をホッとさせてくれた。
すると、隣の女将さんがつつくように声をかけてきた。
「ねぇ、ラッキーちゃん。せっかくの機会なんだから、layに何か聞きたいこととかないの?」
その言葉に、ラッキーは思わず口に含んだ飲み物で激しく咳き込んでしまった。
(ある。聞きたいことは山ほどある。……いや、聞くなら今しかチャンスはない。)
ラッキーは意を決して、少し離れた席のlayに向き直った。
「え、あの……どうやったら、layさんのように『一流』になれるのかニャ? 僕は最近、自分のスキル不足を感じていて……それに、圧倒的に時間も足りなくて……」
layは、いつものクールな営業スマイルを浮かべ、淀みなくにこやかに答えた。
「私が一流かどうかは自分では分かりません。ですが……私は今でも、『自分に必要だと思うこと』に、その都度最善を尽くしているだけです。最も必要なことから順番に取り組み、その結果、必要であっても『後回しにできること』は、結果的にすべて切り捨てます」
迷いのない口調で、彼は言葉を続けた。
「もし、それで後から後悔が残るのだとしたら、それは『必要性の重大さ』の順番を自分が間違えたということです。間違えることは恥ではありません。次の選択のための、自分を知る材料になります。私は、いつもそうしていますよ」
layの口からは、「不足」という後ろ向きな言葉はただの一言も出てこなかった。
(……それは、layさんには充分なお金があって、世間からも実力を認められているから言えるんじゃ……)
ラッキーの喉まで、そんな言葉が出かかった。だが、その言葉をぐっと力ずくで飲み込んだ。
数日前、早朝の審査室で、獲物を狙うような凄まじい気迫とハングリー精神で作品を見つめていた彼の姿を、ラッキーは思い出した。
あの尋常ではない熱量で動いているlayは、間違いなく自分よりもっと時間が無いはずなのだ。
「実力がないから」「お金がないから」と言い訳を必死に思いつこうとしているのは、他ならぬ自分の方だった。
その事実に直感で気づいてしまったものの、今のラッキーには、その圧倒的な格の違いを前に、ただ言葉を失うことしかできなかった。