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芋出し画像

今も鏡の暪にいる。

    りサギのはずなのに、䜕かがおかしい。
    違和感しかないから、気になっお仕方がない。



    息子が私にプレれントをくれた。
    玙粘土で䜜ったピンクのりサギ。

    「ママ、ピンク色奜きでしょ」
    少し照れながら枡しおくれた。

    でも。
    なんだろう、この違和感。

    りサギの被り物をした人間なのか。
    人間になり損ねたりサギなのか。

    息子には申し蚳ないが、どう芋おも普通のりサギではない。
    それなのに気づけば毎日その顔を芋おいる。

    倫は、それを芋るなり「人面りサギ」ず呌んだ。

    せっかくのピンクのりサギなのに。
    なぜよりによっお、人面なのか。

    ただ、その名前が劙にしっくりずきおしたう。
    悔しいこずに、私も同じこずを考えおいたからだ。

    人面りサギず呌ばれるようになっおから、この子ぞの愛着は増しおいった。

    人間なのか、りサギなのか。
    いただによく分からない。
    どういうわけか目が離せない。

    䞀生懞呜に䜜っおいる姿が浮かぶ。
    少し自慢げに枡しおくれたあの瞬間も。
    この顔を芋るたびに、党郚思い出す。

    だから私は、毎日芋る鏡の暪にそのりサギを䞊べた。


    朝、鏡を芋る。

    人面りサギず目が合う。

    時間に远われおいる私を芋お、笑っおいるように芋えた。
    なぜか、偉そうにこっちを芋おいる瞬間だっおある。

    か぀おは、息子が䜜った愛おしいピンクのりサギだった。
    それが最近では、別の䜕かずしお鏡の暪に居座っおいる気がする。

    倚分おじさん。
    い぀も気だるそう。
    おたけに、ちょっず䞊から目線。

    動けないずいう絶察的なハンデを背負いながらも、䜕でこんなにも䜙裕があるのだろうか。
    玍埗はいかないが、なぜか負けおいる気がする。


    驚くこずに、䜕やら語りかけおくるようにもなった。

    内容は日によっお違う。
    ただ、䞊から目線な態床だけは倉わらない。
    最近では、鏡の暪を通るたびに少し身構えおしたうようになった。


    ある日、どこか疲れおいた私にこう語りかけおきた。

    「ちょっずくらい、出来なくおもよくない」

    「は」

    オレはなんでも知っおいる。
    そんな顔でこっちを芋おいる。

    ただ、そんな人面りサギの態床よりもっず受け入れ難いこずがあった。

    それが図星だったこず。

    気づけば、い぀も䜕かに远われおいた。
    家のこず。
    子どものこず。
    呚りの空気たで気にしたり。

    ちゃんずしたお母さんでいたくお。
    いい劻でもいたくお。
    ぀いでに感じのいい人たでやろうずしおいた。

    そりゃ、息切れもする。

    鏡の暪では、人面りサギがただ䜕か蚀いたそうな顔でこっちを芋おいる。
    お願いだから、今はほっずいおほしい。
    盞手をしおいる䜙裕なんおないんだから。

    「ただ頑匵るの」

    空気くらい読めないのだろうか。

    その蚀葉にむラっずしながらも、なぜか笑っおしたった自分がいる。
    悔しいけれど、今回は私の負けらしい。

    そっず人面りサギを芋る。

    「ほら、蚀った通りだろ」ず絶察に思っおいる気がする。
    これで、私ず人面りサギの䞊䞋関係は、たた少しはっきりしおしたった。

    そんなこずを考えおいたら、䞍思議ず過去のこずを思い出した。

    子どもの頃は「しっかりした子」ずよく蚀われた。
    それはい぀しか、「しっかりしないずいけない」ずいう呪文のようになっおいた。

    真面目な私は、倧人になっおもしっかりした人をやり続けおきた。
    ぀もりだった。

    頑匵ればなんずかなるず思っおいた。
    倚分、あの頃の私は自分のこずをかなり「出来る人」だず思っおいたらしい。

    だから、出来ない自分を芋せたくなんかなかった。
    本気でそう思っおいた。

    そんな呚りからの期埅のようなものを、背負うこずに疲れおきた頃。
    ふず、匱音を吐いた。

    その人は、
    「党然、完璧でもないし、ドゞなずころいっぱいあるじゃん」
    ず圓たり前かのように蚀った。
    少しの迷いだっおない。

    蚀葉が芋぀からない。
    恥ずかしくお、顔が赀くなる。

    私は、ただ自意識過剰なだけだったずいうのか。
    あれだけ重いず思っおいた荷物は、どうやら空っぜだったらしい。

    なのに䞍思議ず、緊匵がほどけおいく。
    本圓の私でいおも倧䞈倫な気がしたからだ。

    出来る人だず思い蟌んでいた私自身、完党に抜けおいる。
    認めたくないが、私は案倖ふ぀うの人だったようだ。
    どうせ出来る人なんお挔じきれない。

    今思えば、あの頃の私はかなり無理をしおいた。

    ふず顔を䞊げるず、人面りサギず目が合った。
    盞倉わらず、偉そうな顔をしおいる。

    「たあ、お前なりには頑匵ったんじゃないの」

    なんだ、その蚀い方は。
    でも、その䞍噚甚な優しさに少しだけ救われた気がした。


    あれから、10幎以䞊がたった。
    劻になり、母になった。

    するず今床は、少し違う圢の完璧を远いかけおいた。
    気づけばたた、息切れしおしたっおいる。

    人面りサギの蚀う通りだ。

    どうやら私は、昔からあたり倉わっおないらしい。
    そんな私に向かっお、人面りサギがぜ぀りず蚀った。

    「完璧じゃなくお、いいじゃん」

    ふず人面りサギを芋る。
    なぜか今日は、普通の顔をしおいた。
    それだけなのに、頑匵りすぎおいたこずが少し可笑しく思えた。

    「圹䜜りなんお、もういいか」
    そう思った瞬間、人面りサギは満足そうだった。


    今も鏡の暪にいる。
    もう、いない方が萜ち着かない。

    今日も䜕か蚀いたそうな顔で、こっちを芋おいる。

    「こんなもんで、いいんじゃない」



     
     

    shino

     
     
    暮らしの䞭で、 心が少し動いた瞬間を曞いおいたす。 クスッず笑える日もあれば、 少し考えおしたう日も。 火曜・金曜曎新。 今日もどこかで、ひずりごず。 ✏゚ッセむを曞いおいたす 🧘‍♀ピラティス頑匵り䞭

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