メインコンテンツへスキップ
見出し画像
Photo bynekomi_i

無人島生活福袋【毎週ショートショートnote】

    深遠 たた

    ヨットで遭難した男は無人島にたどり着いてから10年が経っていた。

    無人島生活は南国で食料には困らない。

    遠浅の海には魚がいて手づかみで魚が捕れる。

    浜辺からちょっと入った森にはバナナやマンゴーなど果物が獲れる。

    1年中食べ物には困らない島なのだ。

    そろそろ正月だなと思った男はいつもと違う料理を考えていた。

    魚、じゃがいも、野菜をバナナの葉でそれぞれ包んだ。

    そして、地面に穴を掘り、その中に焼いた石を入れ、その上にバナナの葉包みを置いた。

    その上に軽く砂をかぶせ、またその上で火をたいた。

    こうすることによって、バナナの葉で包まれたものは『蒸し料理』になるのだ。

    すべてに火が通った頃に、バナナの葉包みを掘り起こした。

    どれに何が入っているかわからない。

    男はその中の一つを取り出し、開けて見た。

    すると、じゃがいもが出てきた。

    次の包みを開けた。

    魚が出てきた。

    「おいおい、無人島生活福袋やーん」

    男は独りごちた。

    浜辺で聞こえるのは波音だけだった。


    (410字)


    たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。

    ※忙しいのはありがたいことだと思う今日この頃です。


    *この記事は、以下の企画に参加しております。





     
     
     
    小説を書き始めたいと考えた男性51歳。小説書き方本等で独学で勉強中。書きたいことは頭の中にいろいろあります。公募してみたいと思っているがまだまだ全然の人。

    あなたへのおすすめ