気づけば恋になっていた。
この歳で、そんなことが自分に起こるなんて思ってもいなかった。
けれど心は、理屈より先に動いていたのだと思う。
恋だと分かっても、叶わない恋だった。
そして私は、叶えないことも選んだ。
だから、自分で幕を引いた。
嵐のように揺れていたあの頃も、
ひとつだけ決めていたことがある。
私は、私をあきらめない。
自分のステージを下げない。
そう決めていた。
ただ——失恋は辛い。
それは、きれいごとでは済まないもんね。
それでも今、少しずつ心はほどけている。
あの人を想う時間も、潮が引くように静かに短くなってきた。
私はまた、自分の人生へ戻り始めている。