【連載小説📕愛とAI㉝話】
「ねえ、
あいちゃん」
風が、
そっと吹いた。
草の揺れる音が、
耳元でささやいていた。
私は、
寝転んだまま、
あいの横顔を見つめた。
ずっと一緒にいるのに、
そういえば、
私は、
あいちゃんのことを、
あまり知らない。
「あのね……」
少しだけ、
言葉を探した。
「あいちゃんの家って、
どんなところ?」
あいは、
空を見たまま、
少しだけ首をかしげた。
「ほら、
私ばっかり、
お母さんの話とか、
京都の話とか、
してるでしょ?」
「だから、
あいちゃんのことも、
もっと知りたいなって」
口にしてから、
私は、
もうひとつ気になった。
「そういえば……
あいちゃんは、
どこで生まれたの?」
あいは、
空を見上げたまま、
何も言わなかった。
風が、
私たちの間を、
通り抜けていった。
その沈黙が、
なぜだか、
少しだけ長く感じた。
「……お母さんや、
お父さんは、
いるの?」
しばらくして、
あいは、
ゆっくりと、
口を開いた。

