
コーラのグミ
匂いや味をきっかけに、過去の記憶や感情が呼び起こされる現象をプルースト効果、というらしい。
先日、子どものおやつにと、コーラのグミを買った。
我が息子は、コーラとかラムネの香りのするお菓子が好きなのだ。
口さみしくて、私も一粒、二粒・・と食べた。
ああ、この香りは…
昔、家の近くにあった公園で遊んだ記憶がよみがえってきた。
コーラ味の口の中でパチパチはじけるお菓子。遊びながらよく食べた。
夏休みになると、妹と市民プールへ行って遊ぶのがお決まりだった。
プールの後は、隣にある公園で遊んでから帰る。
公園にはお城のようなアスレチックがあって、一番てっぺんは屋根が付いた部屋のようになっていた。
そこで、駄菓子屋で買ったお菓子を食べるのだ。
口の中でパチパチはじける、コーラ味の飴。
パチパチしゅわしゅわ、口の中が刺激的で、やめられないお菓子だった。
夏の青い空の下、夕方になるまで夢中で遊んだ。
プール帰りの少し冷えた体。濡れた髪。アスレチックの木の匂い。手のひらについた砂。
コーラ味のグミを口に入れただけなのに、その頃の空気まで思い出した。
あの頃は、未来の不安なんて考えず、ただ今が楽しいことで頭がいっぱいだった。
戻りたいとは思わない。今の私は、あの頃とは違った幸せがある。
コーラ味のグミをかみしめながら、隣でおやつを食べる息子を見る。
いつか息子も大人になり、ふと子ども時代を思い出す日が来るのだろうか。
そのときによみがえる記憶が、あたたかく、楽しいものでありますように。
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