
何故保護者が介入してしまうのか? で話が膨らんだ
何故保護者が介入してしまうのか? という問い
ある小学校での、ある出来事の話をしていたとき
「小学校で起きていることなのに、子どもたちが対話する前に、何故保護者が介入してしまうのか?」
という大切な問いが場に出た。
その場では他にも
「対話モードとクレームモードとでは、受ける学校側の対応も変わる」
「仮にクレームモードに突入して学校とPTAが対立して物事が進まなくなった時、それで困るのは子どもだったりする」
「『加害者ケア』も大切なのに、そっちがないもののようにされているのもよくない」
「14歳以上なら刑事的な対応がいるような事案と、ある程度の規模感だったり、あいまいなことだったりとでも、対応は違う」
というような話がでた。
そういう話をできること自体が、
対話することの大切さを前提としている
素敵な場だなぁとも思った。
現状の日本の公立小学校の多くは
基本どんな児童も
本人/保護者が入学、転入を希望してきたら
受け入れる必要がある。
とても、福祉的だ。
入り口時点で
いろんなグランドルールを敷ける類の組織運営とは
かなり異なる様々を
同調圧力という仕組みで
なんとか回して、回ってきたところも
少なからずある。
2020年代の学習指導要領に基づく
公立小学校教育で難しいのは
あまりに多様な児童たち35人学級で
1人の担任の先生が
「主体的対話的な深い学び」
を導くという
いや、それどんな難易度?
小1の4月とか、
どれだけの人ができるのそれ?
みたいな、先生や学校視点割と無理ゲーな諸々を
それでも様々に模索しながら
しかも2020年3月からコロナ禍一斉休校
なんて、なかなかなことがありながら
やってくれているからで。
コロナ禍当時は
それはもう、ものすごい勢いで
自治体差、学校差が現れた。
2018年から学習指導要領まわりをパイロット的に始めたり
1人1台デジタル端末を進めていたりしていたところもあったし
コロナ禍という非常事態だからこそ地域社会一丸となって子どもファーストに動いたところもあった。
そうやっていろいろあった中で
「対話」のための場を、機会を子どもたちに作れているのか。
そもそもこの場合の「対話」はとはなんなのか。
そんなことを改めて考える機会をいただいた。
「主体的」を捉えようとして、手段と目的がくるんとなってしまう話も、対話の話も、構造は職場での諸々に似た側面もある。
「主体的に学習に取り組む態度」の評価の難しさにはわけがある。評価を行うには、まず評価の対象となるものの概念を明確にし、それについての評価データを収集し、評価基準にもとづいて価値判断を行わなければならない。
だが、そのいずれにおいても困難に直面する。「主体的に学習に取り組む態度」には、「主体的」と「態度」という、教育界でも日常生活でも非常によく使われながら、その意味があいまいな語が含まれているからである。
まず、「態度」については、「あることをよいと思い、いつでも『~しようとする』傾向ができている状態」とひとまず定義することができる。だが、児童生徒が何らかの行為をしたときに、それをただちにこのような態度の表れと見ることはできない。強制や自発的服従やフリ(演技)かもしれない。
また、アンケートを使うにしても、「社会的望ましさのバイアス」(回答者が「本心」ではなく「他人によく思われる」「社会的に正しいとされる」回答をする傾向)が働きやすい。したがって、態度の評価は行いにくいのである。
「主体的」は、さらにやっかいな語だ。「主体性」は学校だけでなく、職場においても求められている。例えば、経団連のアンケートでは、大学生の採用にあたり重視する資質として、2011年以来一貫して、「主体性」がトップになっている。
だが、その使い方は人によって異なる。武藤(2025)※1によれば、「自分なりに考える」「発信する」「仕事に関して協働する」といった多様な意味が含まれているようだ。
主体性のわかりにくさは、それに相当する英語が1つには決まらないことにも表れている。
藤田(2013)※2は、主体性(主体的)にあたる英語の候補として、主観性(subjectivity)、自発性・自主性・能動性(spontaneity, voluntary, activeness)、自律性・自主性・自己決定(autonomy, self-determined, self-directed)、自律性・独立性(independence)、自己同一性・個性・固有性(identity)、独創性・独自性(originality)を挙げている。
また、最近では、行為主体性(agency)もよく使われる。例えば溝上※3は、主体性をagencyとみなし、「行為者(主体)から対象(客体)へとすすんで働きかけるさま」と定義している。
ちなみに、文科省自身は、「主体的な学び」を「学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら、見通しを持って粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげる」と説明し、「主体的」をproactiveと訳している(proactiveはreactiveの対比語で、事態に反応するのではなく、先取りして自ら事態に働きかけることを意味する)。
このように、「主体性(主体的)」は、概念の明確化からして難しい。したがって、評価データの収集や評価基準にもとづく価値判断に進むことが困難なのである。
松下 佳代 : 京都大学 教授
それでも、
入り口でグランドルールを敷き
ある程度数値目標等タスクの合意ができる
仕事周りの組織運営と
それこそ小1の、3月末生まれもいる子どもたちで
非言語、非認知を大切に育みながら
「主体的対話的で深い学び」
が一緒にできるだけの「リソース」が不足している現場とでは
いろんな余白が違うのだろうなぁと。
発達段階も含めて本人が選べるようになるまでは
保護者が選ぶでしかない。
という時点で
「保護者」を切り離せない側面もある。
結局、一人一人、みていって、
手を離して、目を離して、なんだろうなぁ。
そしてそれこそ、余白の大切さなんだよなぁ。
思い切って子どもたちだけに任せる。
そのための、仕組みづくり、引き続き。
この話が出た際の学校・保護者・子どもの参考要素・記事をAIに助けてもらい、まとめてみた
対話には、感情をはじめとする非言語が大切だというのが大前提で。
この話題の場では、全国様々な地域の方が集まってくださってもいたので、知識面を「自分半径の体験に固定化しすぎていないか」を捉え直すために、要素を以下にまとめてみた。
概要
公教育では、子どもの主体的対話と成長を第一にしつつ、保護者と学校が連携する「コミュニティスクール」制度(文科省推進、学校運営協議会で地域住民等が学校運営に関与)などもリソースとなっている。しかし、学習指導要領の変化や、保護者の過度な介入(クレーム増加)や子どもの問題行動(暴力・いじめ)などで、地域社会としてもそれぞれのリソース不足が課題となっている。
1. 保護者関与の背景と「子ども主体の対話優先」の可能性・難しさ
* 子ども主体の対話が先という原則: 小学校では、子どもの対話を重視した「主体的・対話的で深い学び」(学習指導要領)が求められる。保護者を原則介入させず、子ども同士の対話で解決する運用自体はできなくはなく、実際、義務教育学校や一部自治体でも実施例はある。
* 公教育での難しさ(2025年現在):
* 人事異動の影響: 就学説明会(10月頃)と入学(4月)の間に教師異動が発生。児童属性(母国語非日本語児童率、転入出率)や教師確保状況が年度跨ぎで変動し、安定運用が難しい。一部自治体は異動公開を早期化し、並行期間を設け対応。
* 教師リソースの不足: 教師の人数・時間・スキルが不足(自治体差大)。小1で児童35人対教師1人は現実的でない(保育園4歳児は20人あたり1人、5歳児は30人あたり1人、幼稚園は35人あたり1人)。対話型探究教育では、初期に5-8人対1人の補助が必要で、異学年混合や非正規職員活用、地域連携で回す学校もあるが、全国平均で児童約14.6人対教師1人(令和5年統計、令和7年速報で児童過去最少581万2千人のため比率改善傾向)でも「対話型」実現が厳しく、教師の困窮調査結果多数。
* 指導要領の負担: 対話型という性質上、コマ数・内容をやり切るのに工夫がいる。元々の事務も多いうえに主体性を評価しフィードバックする難しさもある。うまくいっている学校は、児童数と教師数のバランス良好、教師のリスキル余裕あり、地域(企業・協会・PTA他善意の市民たち)や学校内でのやらないことを決める英断や、「スーパーマン」の存在などがある。逆に「たった1人のモンスター化」(保護者・子ども他関係者含)の有無で学級崩壊リスクが高まる。モンスター化する前に気づき、適切な専門家含む介入も重要だが、つまりここにもリソースが必要となる。
* コミュニティスクールの役割: リソース不足を補うため、地域・保護者連携が鍵だが、保護者がこの役割を知らないケースがまだある。
* 保護者非介入を基本にするには、各種リソースが必要。場合によっては「やらないものを決める」決断も必要。
2. クレーム対応に必要なリソースも増加している
* 昔(30-40年前)の状況: クレーム自体はこれまでも存在したが、対面で教師に直接言うハードルでフィルタリンクされていた部分はありそう。クレームを上げる前に相手も一人のヒトだと捉えて対話する姿勢を保護者がもてていない。双方に余裕がないなど。
* 2020年代の加速要因: コロナ禍で良くも悪くも自治体差、学校差が開いた。GIGAスクール構想(1人1台端末、5年計画を約2年に前倒し。)で、保護者が学校に行かずとも子どもの様子や学校情報にアクセス可能に。これが良い面(透明化)と悪い面(クレーム増加)を生み、自治体・学校差大。準備を進めていた地域や、コロナ禍を緊急事態とみて団結した地域などがあった一方で、より学校運営が難しくなった地域もある。
3. それぞれの「モンスター化」と加害者ケアの重要性
* モンスター化の原因と責任: 保護者の影響(過保護・過干渉)はもちろん、学校・地域の早期介入不足も要因。14歳未満は刑事罰なし(刑法)で、暴力行為増加(2024年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」: 12万8859件、過去最多、繰り返しケース増、小学校8万件超)。小学校で暴れる子増加の背景に、親・教師の「叱れない」文化あり(参考: プレジデント記事)。例: 足立区小学校で児童が水筒に睡眠導入剤混入(飲む前発覚)。
* 加害者ケアの必要性: 加害者(子ども)は被害者家族同様、支援欠如で負の連鎖(自殺・再犯)。ケアは小学校単独で負えず、地域(福祉機関・企業・NPO・保護者・地域住民)連携必須。早めの気づき・ケア体制(主体的対話関係社会)が鍵。「非認知能力」(忍耐力・協調性)評価が必要だが、測定難しく手段目的逆転リスクあり。スーパーマン育成難で、役割分担と「見える化」重要。モンスター対応時、暴力対応の物理力や子ども悪意有無考慮必要。「こども家庭庁」(2023年4月発足、縦割り横断対応)が鍵で、児童虐待・貧困対策を推進中。
* 参考事例: いじめ加害者カウンセリング(保護者事実確認・被害者対応相談・専門機関活用)。コミック「娘がいじめをしていました」(加害者家族視点)。「僕は加害者で被害者です」(息子が友達にケガ、両親対応)。東京都人権啓発啓発センター「加害者家族支援」(バッシング・離散防止)。
4. 時代の変化
* 親子関係の変化(①): 大学入学式・卒業式の親同伴増加(2025年度調査で過半数超、2025年8月公表、全国大学生活協同組合連合会)。Z世代の親子緊密化(光文社新書「Z家族」)。入社式親出席(TBSニュース)。
* 暴力・問題行動増加(②): 小中高暴力12万件超(過去最多、教育新聞)。小学校暴れる子増加(プレジデント)。睡眠剤事件(朝日)。
* 加害者支援(③): 上記参考事例。
* コミュニティスクール(④): 文科省制度。地域・保護者・学校連携。
* 児童・教師数統計(⑤): 令和7年速報(文科省調査):小学校児童581万(過去最少)、教師数全国平均児童約14.6人対1人(令和5年基準、児童減少で改善傾向)(e-Stat詳細)。
* 教師資源最適化策(⑥): チーム担任制・学年担任制拡大(朝日記事: 負担軽減・複数目で見守り)。インクルーシブ教育連携(日本文教出版)。教科担任制事例集(文科省: 高学年活性化)。3-4年生拡大検討(School Voice Project: 学び質向上・負担軽減)。仮クラス制(港区全19区立小学校で2025年4月から導入済み、朝日: 4月仮→5月再編、特性考慮)。All About記事(メリット: 安定集団、デメリット: 関係リセット)。
参考記事一覧(トピック別、URL含む)
① 親子関係の変化
令和のZ家族 ~若者心理は「家族」で捉える~博報堂生活総合研究所 主席研究員 シリーズ 2025.9.17
* 大学入学式に親同伴が過半数「マザコン」「過保護」批判は時代遅れ?(2024/04/09 12:17, 読売新聞):
* Z家族 データが示す「若者と親」の近すぎる関係 (光文社新書 1376)(2025/09/18発売, Amazon):
* 新社会人が涙で「育ててくれてありがとう」入社式に親が出席…変わりゆく「現代の親子関係」【THE TIME,】(2025/04/19 07:00, TBSニュース):
② 暴力・問題行動増加
* 【問題行動調査】暴力行為が2万件増で過去最多に 繰り返すケースも(2025/10/29, 教育新聞):
* なぜ小学校で”暴れる子”が増えているのか…子供の自己コントロール力を低下させる「叱れない」という大問題(2023/12/31 15:00, プレジデント):
* 児童2人が別の児童の水筒に入眠導入剤 飲む前発覚 足立区の小学校(2025/10/4 11:48, 朝日新聞):
③ 加害者支援
* いじめ加害者にはどう向き合う?カウンセリングの必要性や親の対応を解説(2025/07/09, 不登校こころの相談室):
* 娘がいじめをしていました(セミフィクションコミック, コミックエッセイ劇場):
* 息子が友達にケガをさせた!? 学校から突然の電話、相手の両親の要求は……『僕は加害者で被害者です。 Vol.1』(2022/11/16 06:01, マイナビ子育て):
* 加害者家族支援への道のり 負の連鎖を断ち切るために(2022/02/07更新, 東京都人権啓発センター):
④ コミュニティスクール
* コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)(文部科学省):
* コミュニティ・スクールとは? 概要や取り組み事例を解説(2024/07/27, 教育プレス):
* 令和6年度「コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的推進」表彰事例集(2024年度, 文部科学省):
https://manabi-mirai.mext.go.jp/upload/R6hyousyou_jireisyu.pdf
宮城県立女川高等学園: 進路・防災部会で保護者満足度95%以上・生徒自己肯定感向上/ 楢葉町こども園: 通学再開・放課後教室で地域参画600人超・子ども地域知り合い率48%/ 八王子市立松木中学校: 居場所提供で不登校支援・地域貢献意識高まり 等。
* 地域学校協働活動とは何か 具体的な取り組み事例と成果(2024/06/22, 朝日新聞):
* 令和7年度「地域とともにある学校づくり推進フォーラム」(2025, 文部科学省):
東庄町学校運営協議会/ 所沢市立松井小学校 等分科会事例: 地域連携で子ども・保護者・学校の満足度向上
* 鳥取県コミュニティ・スクールフォーラム(2025/11/07開催案内, 鳥取県教育委員会):
学校内カフェ・地元イベント: 地域主導で子ども交流・学校備品購入
⑤ 児童・教師数統計
* 令和7年度学校基本統計(学校基本調査の結果)速報値(令和7年8月27日, 文部科学省):
https://www.mext.go.jp/content/20250822-mxt_chousa01-000044291_01.pdf
* 学校基本調査 詳細(政府統計の総合窓口 e-Stat):
⑥ 教師資源最適化策
* 学級担任制から「チーム担任制」に 教員不足も解消へ、小中で広がる(2025/10/25 14:00, 朝日新聞):
* チーム担任制とインクルーシブ教育(2024/10/29, 日本文教出版):
* 小学校高学年における教科担任制に関する事例集~小学校教育の活性化に繋げるために~(令和5年3月, 文部科学省):
* 【解説記事】[2024年最新情報]教科担任制が3・4年生まで拡大? 教科担任制のメリット・デメリットと、背景について解説します(2024/07/10, School Voice Project):
* 小1の4月は仮クラス→特性みて5月再編成 制度導入の港区の狙いは(2024/11/26 7:30, 朝日新聞):
* 5月にクラス替え!? 小学校入学後の「仮クラス」とは?やり方やメリット・デメリット(更新日: 2021/05/07, All About):