
第1回「わたしは作家だ。」
今回、6月末に小説『シホミは、今日もここに居ない』全10話を書き終え、noteで公開した。
文章を書くことは苦ではない。
これまでブログやSNS、このエッセイの前身でも、いろいろ書いてきたけれど、小説という形は今回が初めてだった。
きっかけは昨年12月の入院だった。
少し時間ができた病室で、「noteで何か書いてみたい」と思った。
以前から、エッセイ用とは別に、もう一つアカウントを作りたいと考えていた。
では何を書くか。
読みやすく、3分以内で読めるもの。
少しだけエンターテインメントの要素もあるもの。
そう考えて、創作小説を書くことに決めた。
年明けから準備を始めた。
なるべく身近な題材で、説教めいた話ではなく、さらっと読める内容にしたい。
そう考えたとき、主人公に浮かんだのが「シホミ」だった。
今回書いた10話は、すべてフィクションだ。
もちろん、自分の経験や感じたことが土台になっている部分はある。
でも、それ以上に「こんな展開だったら面白いかな」「こんな人がいたら心に残るかな」と想像しながら物語を組み立てていった。
一番苦労したのは、毎回登場するゲストキャラクターの設定だった。
最初は、シホミ自身の成長を描く物語を考えていた。
でも、それでは読者が感情移入しづらいと思った。
そこで、『古畑任三郎』や『深夜食堂』のように、毎回ゲストキャラクターを主人公にし、その人たちとシホミが関わる連作短編という形へ組み立て直した。
執筆は、ほとんどiPhoneのメモ帳だった。
分からない言葉はすぐ調べられるし、通勤電車の中でも書き進められる。
筆が乗ると、夢中になって電車を乗り過ごしたこともあった。
キャラクター設定には、専門知識が足りない部分もあると思う。
それでも、コスメや美容を通して、ひたむきに生きる人たちの心の機微を少しでも描きたかった。
そして、noteに公開した。
とはいえアマチュアで、無名で、自主制作ではある。
それでも、小説を書き上げた。
わたしは作家だ。
作品を公開した以上、読者へ届けたい。
そして、届けた作品は、もう自分だけのものではない。
ある映画監督が、「一番好きな作品は?」と聞かれて、「次の作品」と答えたという。
その言葉が、とても好きだ。
だから明日からは、また新しい物語を考えようと思う。
その前に、もしよかったら『シホミは、今日もここに居ない』を読んでいただけたら嬉しい。
そして、面白いと思っていただけたら、ぜひ誰かにも届けてもらえたら幸せです。