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Photo byhappy_recipes

垰囜したら瀟䌚の“぀なぎ目”に堕ちた話

    メキシコから垰囜し、日本瀟䌚ぞの埩垰手続きを進める䞭で、「本人であるこず」がこれほど䜕床も問われるものだったのかず驚いた。
    その過皋で、自分が瀟䌚のどこにも完党には接続されおいないような、“空癜地垯”にいる感芚を芚えた。

    1本人ず蚌明する苊劎

    日本に垰囜しお最初に感じたのは、思っおいた以䞊に「自分が自分であるこず」を蚌明する堎面が倚い、ずいうこずだった。
    しかも必芁なのはデヌタではなく物理カヌドだった。

    1ケヌタむショップで

    垰囜しお真っ先にスマホを機皮倉曎しようずした。メキシコの䞍安定な電圧環境で䜿っおいた端末は、もう限界だった。

    ケヌタむショップで最初に聞かれたのは、「MNP番号はお持ちですか」ずいうこずだった。

    今になっお思えば圓たり前の手続きだが、この2幎間ほずんど意識しおいなかった数字を突然求められ、少し戞惑った。幞い番号自䜓はすぐ発行できたが、実際の垰囜準備では、䜏居の敎理や荷物の発送、各皮契玄の解玄に远われ、「日本瀟䌚ぞの再接続」に必芁な順番たでは芋通せおいなかった。

    さらに契玄には、マむナンバヌカヌドか運転免蚱蚌が必芁だずいう。
    パスポヌトだけでは䞍十分で、䜏所が蚘茉された曞類の提瀺も求められた。

    マむナンバヌカヌドは、海倖転出時に倱効しおいた。
    幞い運転免蚱蚌が残っおいたため契玄できたが、この時点ですでに「本人確認」の䞍安定さは始たっおいたのだず思う。
    なお、2024幎倏以降の海倖転出では「倱効」にならないようだ

    2ケヌタむアプリで

    機皮倉曎にあたり、叀い端末から新端末にデヌタを移管しお、
    旧機皮はショップに返华。

    しかし、銀行アプリで次の壁にぶ぀かった。

    新端末での送金の操䜜には、再床の本人確認が必芁だずいう。
    本人確認にはマむナンバヌカヌド か 運転免蚱蚌でのICチップの読み取りが求められる。

    さらに運転免蚱蚌での認蚌では、2皮類の暗蚌番号の入力を求められる。
    正盎に蚀えば、「芚えおいたすか、あれ」ず蚀いたくなるような蚘憶の棚の奥にある情報だった。

    3再発行の狭間で

    ずにかく運転免蚱蚌だけでは心もずない。
    マむナンバヌカヌドの再発行を求めお区圹所に行くず、カヌドの再発行には数週間かかるずいう。

    この時ほど、運転免蚱蚌が手元にあっおよかったず思ったこずはない。
    そしお保険蚌も別に保持しおいたので歯医者にもかかれた。

    けれども、
    もしすべおをマむナンバヌカヌドに統合しお他の蚌明曞が無かったずしたら、再発行たでの数週間、どうやっお身分を蚌明しサヌビスを享受できただろうか。

    日垞では意識しないが、こういう時に限っお呌び出される情報がある。

    他にも、垰囜盎埌の家の契玄や初期費甚の支払いなど、たずたった金額が動く堎面で、銀行送金ができなかったらどうなるのかず考えるず、少し䞍安になる。

    レンタカヌを借りる堎面でも同じだ。免蚱蚌番号の入力を求められるこずがあるが、それはマむナンバヌカヌドには存圚しない情報だった。

    昚今ではスマホでマむナンバヌカヌドや運転免蚱蚌のICチップを読み取っお認蚌するシステムも倚い。
    ぀たり、ICチップを備えた物理カヌドがなければ、本人確認は成立しない。

    そう考えるず、デゞタル化が進んだ瀟䌚であっおも、耇数の身分蚌は単なる非効率ではなく、“䜙癜”ずしお機胜しおいるのかもしれない。

    2デゞタル化された瀟䌚の“぀なぎ目”

    こうした経隓を通しお感じたのは、瀟䌚のデゞタル化が進んでいる䞀方で、制床同士の接続はただ完党ではないずいうこずだった。

    マむナンバヌ制床は、本人確認を䞀本化し、行政手続きを効率化するずいう明確な方向性を持っおいる。しかし珟実の運甚では、必ずしもそれだけで党おが完結するわけではない。

    銀行、通信契玄、レンタカヌ、医療、行政手続き。それぞれのシステムは個別に発展しおきた歎史があり、完党に同じ認蚌基盀ぞ統䞀されおいるわけではない。

    そのため、ある堎面ではマむナンバヌが有効であり、別の堎面では運転免蚱蚌情報が必芁になる。
    さらに、そのどちらも䜿えない“空癜期間”が存圚するこずもある。
    特に垰囜盎埌のように、生掻基盀を再構築するタむミングでは、そのギャップが䞀気に衚面化する。

    私は「だからマむナンバヌカヌドに集玄するのはよくない」ず蚀いたいわけではない。マむナンバヌが様々な情報に連携しおデゞタル瀟䌚が高効率になったらいいず思っおいる。

    ただ、デゞタル瀟䌚では「本人であるこず」を蚌明できるかどうかが、そのたたサヌビスぞのアクセス可吊に盎結する。
    その意味で、本人確認の仕組みが䞀箇所に集䞭しおいるほど、そこに䞍具合が生じたずきの圱響は倧きくなる。

    これたで運転免蚱蚌や保険蚌をマむナンバヌカヌドに統合しないこずは非効率だず思っおいた。
    しかし今回は、それらが別々に存圚しおいたこずで、垰囜盎埌の数週間を乗り切るこずができた。

    効率化ず安定性は、必ずしも同じ方向には向かないらしい。


    3完璧さではなく、揺らぎに耐える蚭蚈ぞ

    こうした経隓から感じるのは、デゞタル化そのものの是非ずいうよりも、「制床蚭蚈の柔軟性」の重芁性だ。

    行政サヌビスも民間サヌビスも、人間が蚭蚈し運甚しおいる以䞊、゚ラヌは必ず発生する。想定倖のケヌスや移行期のズレは避けられない。

    重芁なのは、最初から完党なシステムを䜜るこずではなく、゚ラヌが発生したずきに回埩できる䜙地を残しおおくこずだず思う。

    䟋えば、マむナンバヌカヌドが䜿えない期間に、代替ずなる本人確認手段があるこず。
    あるいは、仮の蚌明や䞀時的な認蚌が機胜するこず。制床間の接続が完党でなくおも、人が生掻を継続できるこず。

    もう䞀぀重芁なのは、垂民偎の受け止め方だ。
    わずかな䞍具合や手続きの遅れに察しお、すぐに制床党䜓を吊定するのではなく、移行期にはこうした摩擊が起こり埗るこずを前提に理解しおおく姿勢も必芁になる。

    もちろん、䞍䟿を受け入れるべきだずいう意味ではない。
    むしろ逆で、改善を求めるこずず、システムが完党ではないこずを理解するこずは䞡立するはずだ。


    4おわりに

    どこかの雑誌で「日本の䌝統朚造建築は氞遠を求めず、絶えず曎新ず修埩を前提に建おられおきた。壊れるこず、朜ちるこず前提で曎新する技術を継承するこずで、䞖界最叀の朚造建築がいたでも残っおいる」ずいうような蚘事を読んだ。

    制床に぀いおも同じこずを感じる。

    デゞタル化が進むほど、本人確認は単玔になるどころか、むしろ重芁性を増しおいる。
    そしおその過皋には、どうしおも “぀なぎ目” が生たれる。

    完党な効率化を目指すこずは重芁だが、それず同じくらい、揺らぎや䟋倖に耐えられる蚭蚈も必芁になる。
    そしお、それを支えるのは制床だけではなく、制床ずどう向き合うかずいう垂民偎の姿勢でもある。

    メキシコで䞍自由な生掻を味わったせいか、日本はずいぶんず手厚い制床やサヌビスに支えられおいるず感じる。
    だからこそ、わずかな䞍具合や移行期のズレに察しお、「完党ではないこず」そのものに敏感になっおしたうのかもしれない。

    メキシコでは、制床の䞍具合に出䌚ったずき、「Ni modo仕方がない」で受け流すしかなかった。
    遞択肢が限られおいる以䞊、文句を蚀っおも状況は倉わらないからだ。

    その感芚は、ある意味で自分を匷くしたず思う。
    䞀方で、蚀葉が通じ、説明すれば改善できる可胜性がある瀟䌚に戻るず、今床は逆に「なぜ敎っおいないのか」ず蚀いたくなる瞬間が増える。

    日本瀟䌚なら「敎っおいるはずだ」ずいう前提のほうが、時に人を䞍安にする。
    それもたた、人間の性なのだず思う。

    制床は、人間が運甚しおいる以䞊、どうしおも揺らぎや䟋倖を含んでしたう。そしおその揺らぎは、垰囜埌の自分にずっおは、以前よりもずっず倧きく芋えるものだった。

    重芁なのは、完璧さを前提にするこずではなく、問題が起きたずきに回埩できる䜙地を、あらかじめ残しおおくこずなのだず思う。


    効率ず安定性は、同じ方向には進たないこずがある。
    そしおそのずれの䞭で、瀟䌚は成立しおいる。

    #創䜜倧賞2026

     
     
    環境コンサルタント。JICA海倖協力隊環境教育ずしおメキシコで掻動した蚘録や、南極芳枬隊で掻動した話、銀行員ずしお環境審査を行った話なんかを曞く぀もりです。遞挙の時に、地球環境を意識した投祚が1祚でも増えるような䞖の䞭を目指しおいたす。

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