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Photo bynanadays

黒幕甲子園 ③

    shibakaoruko

    「じいじって政界のドンでフィクサーなの?」帰省していた小学生の孫が夕食時に突然切り出した。その場の全員が一斉にビールや麦茶を吹いた。
    「何言ってるの? 変な漫画でも読んだ?」妻や娘は呆れ顔だ。
    「だってそういう意味なんでしょう黒幕って」あどけない口調だ。
    「きっと行き違いがあってその言葉になったんだろうね」娘婿がにこやかに助け舟を出す。
    「世間に色々な立場の人がいる。一つの事柄が見る角度によって白にも黒にもなるんだ。おじいちゃんは大多数の人にとっては陰の功労者とか縁の下の力持ちとか地上の星と呼ぶのが相応しいんだよ」相変わらず口だけは上手い奴だ。すると娘が
    「あー! わかった」と叫んだ。
    「あれに間違いない」その指差す先にかつて武道場が改築で使えなかった年に野球場で開催された黒帯甲子園で敢闘賞をもらったときの賞状があった。確かにあの崩し字の帯は幕に見えなくない。家族全員が納得して大笑いした。それにしても危ういところだった。

    410文字

    たらはかに様のお題に参加しています。

     
     
     
    短編小説、エッセイなど。一日一更新を目標にショートショート、54字、などを書きます。 #毎週ショートショートnote #シロクマ文芸部 #54字の物語に参加中です。

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