メインコンテンツへスキップ
見出し画像
Photo bykiraku_san

キャトルイルミネーション  思いつくままに

    shibakaoruko

     合戦バーは賑わいを見せている(以前のお題でお馴染み飲みながら合戦を語り合う場)。
    「キャトルイルミネーション(家畜の輝き)と言えばなんといっても倶利伽羅峠の戦いだね。牛の角に松明をつけて襲撃されたんじゃ平家だってお手上げさ」
    と一人が手元にあった合戦図鑑を見ながら口火を切った。
    「木曾義仲がホントにそんな戦法を取ったのだろうか。あとから史記を真似たんだという説もあるよ」真面目に応戦する者のほか、
    「それどころか頭に角のような松明をつけて丑の刻に十万本の矢で相手を襲ったそうだ」
    「バーベキューに誘って、」
    「トナカイかよ!」
    酒も入っていないのに脈絡なくワイワイと盛り上がっている。アブダクトされた不安が手伝っているに違いない。カラオケ設備がないからアカペラで18番を歌う者もいる。すると船内アナウンスがかかった。
    『皆さま、あちらに見えますのが冬の夜空を一層華やかに彩る牡牛座のアルデバランでございます。通称スバル、』

    405字

    「彼ら」なりに気を遣ってるのか。学校で初めて参加した遠足のバスガイドさんを思い出す。先生の指示さえ無視していた、いわんや優しいお姉さんなど。うるせえ家畜小屋かよと思われたとしても子どもらしい輝きに満ちていたボクら。

    「あれ、UFOかな。何か光ったぞ」
    遠くのバスから声が上がったが、ガイドさんは反応しなかった。収集車の日だった。


    こちらに参加しています。

     
     
     
    短編小説、エッセイなど。一日一更新を目標にショートショート、54字、などを書きます。 #毎週ショートショートnote #シロクマ文芸部 #54字の物語に参加中です。

    あなたへのおすすめ