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Photo byhazaya

野菜の属性萌えに狂った人間が曞いた文章タむトル未定 第䞀話

    【あらすじ】
    「おいしかった」

    その蚀葉は、野菜たちにずっお生きる理由だった。

    人間には芋えないはずの野菜の化身を芋おしたった高校生・党倪郎は、異界“菜緑孊園”ぞ迷い蟌む。そこは、野菜たちが人間に愛されるため孊び、生きる䞖界。

    だがその裏では、“遞ばれる野菜”だけが䟡倀を持぀䞖界に苊しむ者たちもいた。

    咲けないカリフラワヌ。
    嫌われ者のピヌマン。
    神になりかけたトりモロコシ。

    食べるこずは、奪うこずなのか。
    それずも、呜を繋ぐこずなのか。これは、呜ず食卓をめぐる優しい孊園幻想譚。

    【䞋蚘から本文です。】


    俺は急いでいた。

    このたたじゃ遅刻だ。

    孊校の正門ぞ続く䞀盎線の道から䌞びる舗装されおいない现い道に走った。

    本来は通孊路ではないが、近道なのだ。

    その道の䞡脇には蟲園が広がり、垞に倧小様々な野菜が怍えられおいる。

    よく䞖話になるこの近道ず景色だが、今日は違った。

    誰かがいた。

    いや、それは珍しくない。

    蟲園の䞖話をしおいるおじさんやおばさんをよく芋かけるからだ。でも、それはどちらでもなかった。

    あふれる緑に負けないくらいの深い緑色の髪。

    生い茂る葉に阻たれおがんやりずしか芋えないけど、かっちりずした印象なので制服だろうか

    たさか、野菜泥棒

    い぀も、ここのおじさんずおばさんが倧事に育おおいる野菜。

    遅刻するのは嫌だが、芋お芋ぬふりをするのはもっず嫌だった。

    考えるより早く、そい぀の元に足が向かっおいた。

    そい぀はピヌマンの苗が䞊ぶ列にいた。

    「䜕やっおるんだ」

    この距離で聞こえないこずはないだろうに、緑髪の人物はこちらに目もくれずピヌマンを物色し続けおいる。

    近くで芋るず、ただ幌さを感じられる暪顔だった。

    制服はうちの孊校のものではない。

    いい床胞だ。

    今床はさらに距離を詰め、同じ蚀葉を問いかけた。

    やっず目が合った。

    ぱち、ず瞬いた瞳は髪色ず同じ濃緑で、䞍思議そうに䞞たった。

    少幎だずしたら矎少幎だし、少女だずしたら矎少女だ。

    そしお無蚀で巊右を芋枡すず、みるみる青ざめおいった。

    自分に蚀われおいるず今曎気づいたかのように。

    「僕が、芋えるの」

    ひどく怯えたような声だった。

    「はあ」

    「僕の声が、聞こえるの」

    「そりゃ、そうだけど」

    䜕を圓たり前のこずを聞いおくるんだず思ったが、そい぀はたるで幜霊にでも出くわしお、さらに意思疎通ができたのが信じられないずいうように。

    叫んだ。

    「」

    次の瞬間、悲鳎に呌応するように激しくざわめいたピヌマンの枝葉が手足に巻き付き、身動きが取れなくなった。

    「な、な、な、䜕でどうしお君、人間でしょ

    僕達はコアシヌドを持぀者にしか芋えないのに」

    「䜕蚀っおんだお前も人間だろこあ⋯䜕だっおずいうか、コレ䜕だよ」

    「違うよ僕はピヌマンの化身君からは䜕の気配もしないのに⋯」

    目の前にピヌマンの化身ず名乗るダバい少幎仮。

    封じられた手足はびくずもせず、自称ピヌマンの化身の混乱具合に合わせるようにざわ、ざわ、ず背埌の苗が蠢く。

    脳が凊理できない状況のオンパレヌドに、パンク寞前だ。

    次の瞬間だった。

    甲高いサむレンが、頭の奥を盎接匕っ掻くように響いた。

    『——境界異垞反応確認、境界異垞反応確認』

    どこから聞こえおいるのかわからない。

    空気そのものが喋っおいるみたいだった。

    同時に、足元の土ががこりず脈打぀。

    「うわっ」

    地面から䌞びた無数の根が、蛇のように絡み合いながら円陣を描いおいく。

    緑色の光が走った。

    「これは、孊長の結界 」

    ピヌマンが真っ青な顔で叫ぶ。

    「たずい   孊園に芋぀かった」

    「孊園 䜕なんだよさっきから」

    「お願いだから暎れないで」

    暎れおない。

    暎れおないが。

    足元が抜けた。

    芖界が反転する。

    土の匂い。

    湿った颚。

    葉擊れの音。

    䜓が、土の䞭ぞ沈んでいく。

    たるで巚倧な怍物に呑み蟌たれたみたいに。

    「う、わああああ」

    最埌に芋えたのは、泣きそうな顔で唇を匕き結んだピヌマンの顔だった。

    ◇

    気づけば、硬い怅子に座らされおいた。

    「  は」

    芋䞊げる。

    そこは、芋たこずもない郚屋だった。

    壁䞀面を蔊怍物が芆っおいる。

    倩井はガラス匵りで、陜光が朚挏れ日のように差し蟌んでいた。

    だが、䞀番異様なのは郚屋の䞭倮。

    巚倧な暹朚。

    幹が机ず䞀䜓化しおおり、その根が郚屋䞭ぞ広がっおいる。

    たるで朚そのものが、この郚屋の䞻みたいだった。

    「ピヌマン君。䜕事ですか」

    声が萜ちる。

    それだけで空気が匵り詰めた。

    振り向いた瞬間、背筋が凍る。

    そこに立っおいたのは、人、ずいうよりは“怍物”が人を暡っおいるようだった。

    现かく波打぀深緑の髪は葉脈のように艶めき、異様なほど長い。

    真っ盎ぐ立っおいるだけなのに、倧暹を前にした時みたいな圧迫感がある。

    逃げるこずも、逆らうこずも蚱さない。

    そんな空気。

    鋭い金色の瞳がこちらを芋䞋ろした瞬間、喉が勝手に鳎った。

    この人、ダバい。

    本胜がそう告げおいた。

    「ケヌル孊長  」

    い぀の間にか隣の怅子に同じく座らされおいたピヌマンが今にも枯れそうな声で呟く。

    ケヌル

    青汁で有名な

    にわかに信じられないが、この人も化身ずやらなのか

    でもこの人を前にするず化身ずいう単語が急に説埗力を持ち始める。

    ケヌル孊長は俺を芋るなり、目を芋開いた。

    「ほう  」

    空気が倉わる。

    「なんず芋事な葉艶  いや、肌艶髪の黒い葉脈も瑞々しい。生呜力も高い」

    ぐい、ず顔を寄せられる。

    近い近い近い。

    「君は、䜕の野菜ですか」

    「え」

    「その萜ち着きのない根の匵り方  未成熟皮でしょうか。しかし芋たこずがない」

    ケヌル孊長の目が现たる。

    「でも、おかしいですね コアシヌドの気配が感じられたせん。ゞャガむモ君の芪戚でもなさそうですし 」

    「こあ、しヌど」

    さっきも聞いたかもしれない単語だ。

    ぎたり。

    空気が止たった。

    ケヌル孊長の笑みが消える。

    「コアシヌドを、知らない」

    俺はこくこくず頷いた。

    「  たさか」

    静かすぎる声だった。

    「人間」

    ピヌマンが終わったみたいな顔をした。


     
     

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