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今日の帰り道

    今日は火曜だった。今電車に乗っている。隣の高校生が小さなノートパソコンで作業をしていて、肘が布地の開いた脇腹に擦れてくすぐったい。タイミングは完全に予測不可能だから、表情が変わるのを人に見られるのが恥ずかしい。日差しの熱をまだ蓄えていて、かすかに乾燥していて産毛の感触がする。

    前の記事で書いた「火曜二限の授業」で唐突にラーメンの話が出た。高校の時によく行ったラーメン屋を思い出した。一杯980円はちょっと痛い出費だったけど、月に一回はお昼ご飯代をけちって食べに行った。学校前から出るバスの終着点にある、学校の最寄り駅の近くにあって、豚骨ラーメンが美味しい。今大学がある方向と高校がある所は方向が逆なので、特別な用がない限り訪れない。ただ久しぶりにあの駅前の街を歩きたくなった。車の免許もお小遣いもバイトの給料もなくて、自転車があればどこまでも行ける気がしていたあの頃。人から一時的に愛されていた。制服の写真は一枚も残っていない。ノースフェイスの四角いリュックにいつも本を三冊ぐらい入れていた。なんだか世界を持ち運んでる気分。学校と予備校の教科書入れたら三冊が限界だから、毎朝選んでから家を出た。大体宮沢賢治と井上靖と江國香織か綿谷りさの中から三種類。うん。世界を持ち歩いてた。駅前商店街にはトルコ料理のお店とお団子屋さんと銭湯があって、八百屋があった。銭湯は入り口が分かりづらくて、八百屋の店先の桃とぶどうを乗せた台の上にはいつも猫がいた。あの頃持ち歩いていた本を今でも読むけれど、ブックオフで買ったのか古市で買ったのか思い出せない。値段のシールが三枚ぐらい貼られていて、最終的に80円ぐらいになっている。BOOK OFFと書かれた緑色のシールの上から「USED」とだけ書かれた黄色のシールが貼られている。やっぱり古本市場かもしれない。
    あの頃は芥川賞取ったら賞金いくらだっけ、なんてことを毎日考えながら自転車を漕いでいた。風が正面から吹くと口の中が渇いて唾を飲み込むのが大変になる。息をするのも少し苦しい。というより脚が重たくて前に進めない。そんな自転車が私を乗せて走ってくれる全てだった。脛の汗が地面から跳ね返った砂と一緒に乾いて、パリッとした触り心地になる。バスが隣に停まるとめちゃくちゃ暑い。

    高校生降りた。停車駅あと半分。


     
     

    鮭人

     
     
    大学生 / 07 / Japan  マレーシアに人生狂わされて一年になります。 日記多めです。 アンケート調査がだいすき 目標は3年のうちにIELTS 6.5・TOEFL ITP 540 普通話・広東語・マレー語勉強中 満洲語・客家語・福建語もやりたい 目指せマラヤ大学(院)!

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