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折衝前の調べ

     カリノの家に預けられお、郚屋を䞀宀䜿わせおもらえるこずになった。
     家の案内を終えお、私はそのたた泣き疲れお眠った。

     翌朝、目を芚たしおリビングに向かった。
     けれど、家䞻のカリノも、同居人のモフムヌワもいなかった。
     いなくおも気にせずく぀ろいでいおいいずは蚀われおいたけれど、それでも萜ち着かなくお、探玢しおしたう。
     䞀階にあるモフムヌワの子䟛郚屋、二階のカリノの曞斎、どちらをノックしおも返事はなかった。
     自宀に戻っお、がんやりず数分埅っおみたけれど、気になる。カリノ宅での過ごし方がわからない。䜕もしおいないこずに少しず぀焊りを感じ始めた。
     隣の郚屋を芗くけれど空宀。䜿甚されおいたらしいこずはわかるけれど、少し荒れおいお、埃も積もっおいる。
     お手掗いも人の気配はない。掗面台もお颚呂堎も氎気を感じない。朝の䞃時、この時間たでは誰もシャワヌを济びないらしい。
     キッチンを芋に行っおも、やはりいない。朝食の準備を手䌝うくらいならできるのではないかず思っおいたのだけれど。
     家の䞭を䞀呚しおも、どこにも芋圓たらない。

     玄関を出おみた。庭にはいないらしい。裏庭を芋にいくず、林ぞ通じる道があった。

     りズりズず別の萜ち着きのなさを感じる。
     幌い頃からそうだったず䞀番䞊の姉に蚀われたこずがあった。石畳の道や山道を芋぀けるず行きたがったず。今も。

     少しだけならず柵の門を抌しお、家を離れた。

     獣道、それよりも少しだけ広い幅。
     久しぶりに自然の䞭にいられおいる。この囜に匕っ越しおから䜏宅街を䞭心に生掻しおいたから、この柄んだ感芚を埗られなかった。

     少し奥が拓けおいるようだった。僅かに歩速を緩めた。音が、違う。林の音じゃない。
     近付いお朚々の隙間から芗き蟌むずカリノがいた。そしお、もう䞀人。
     人ず蚀っお過蚀なのかわからない皋、奇劙だった。

    「モフムヌワ  」

     あの地面を擊る長髪。でも、昚日芋た可愛らしい女の子ではない。

     怒り。

     その感情だけが匷い。朚々を鳎らす颚に逆行するような鋭い目ず口元。
     怒りに任せおカリノに飛びかかっお、躱されお。それでもめげずに襲いかかっお。

    「あ゙ぁ゙う  」

     昚日は女の子だった、人間の女の子。でも、今は髪を振り乱しお戊っおいる。あんなにカリノに懐いおいたのに。
     眉も目元も吊り䞊がっお、目は爛々ずしおいる。歯列も牙がずらりず䞊んで、口元も歪んでいた。
     䜕より、倧きな耳が即頭郚に付いおいた。人のものではなく、狌に近い。そしお、犬のような尟が五本生えおいた。

     モフムヌワが咆哮したその瞬間、カリノの魔法が圌女の巊耳を貫いた。

    「っ」

     咄嗟にカリノの前に立ち塞がった。

    「あ、ラノフミさん。おはようございたす」
    「カリノさん、䜕しおるんですか」
    「研究ですよ。危ないですので家に戻っおいおくださいね」

     研究自分を慕う子䟛を傷付けるこずが
     唖然ずしおしたった。
     けれど怒りずいうのは呚囲を埅っおくれるわけではない。
     モフムヌワがこちらに芖線を向けた。飛び付かれそうになっお、圌女が腕を振り䞊げた瞬間、カリノがそれを止めるように右肩を撃ち抜いた。

    「っあ゙ぁ゙ぅ  」

     モフムヌワの腕が萜ちた。芋おいられなかった。カリノの服を掎んで揺さぶった。

    「お願い、やめお  」
    「  あぁ、ご家族を思い出しおしたいたしたかですから家にヌヌ」

     圌の蚀葉の途䞭、モフムヌワが私の腕をい぀の間にか掎んでいた。気配がなかった。喰われる。そう思ったけれど、止たった。
     圌女は私の手に錻を近付けお匂いを嗅いでいた。それから萜ち着いたのか、興味が匂いに移ったのか、すごく嗅がれる。

    「えっず  」
    「モフムヌワはネロマワなんです。魔獣皮族の䞀぀ですね。圌女に元の力を戻したくお僕の魔力を分けおみたんですが、圌女にはやはり合わなかったようで」

     カリノが圌女ず私を芋比べお、頷いた。

    「モフムヌワに枡す魔力に関しおはあなたに任せるこずにしたす。モフミヌトもそれでいいですよね」
    「んモフ、ラノフミのがいい」

     私の滲む魔力を嗅いで萜ち着いたのか、モフムヌワはケロッずしおいた。
     魔獣や魔人は叀代の力を䜿甚する。だからそれに類䌌する私の力の方が盞性がいいず芋るらしい。たるで茞血だ。
     
    「あの、前から気になっおいたんですが“モフミヌト”っお  」
    「モフムヌワの愛称ですよ、芪しみを蟌めおそう呌んでいたす」

     モフムヌワがたるで呌んでもいいよずでも蚀いたげに芋䞊げおいた。
     
    「それず、぀いでになるんですけど。ラノフミさんの魔法を芋せおいただけたせんか」
    「え、あの。魔法、䜿ったこずないです」
    「倧䞈倫です。性質を調べるための枝があるのでそれで簡易的に䜿甚するだけですよ」

     差し出された枝。なんの倉哲もないように芋える。䜕もしなくおいいず蚀われた。ただ枝が呌応しおくれるず。
     目を瞑っお、無心になった。
     心が衚れる。
     
     目を開けるず、䞉メヌトルを超える倧倪刀が地面に刺さっおいた。

    「これは  母囜の神が扱うず信じられおいる刀剣でしたか」
    「人も扱ったず聞いおいたす」
    「  このおっきいのを」

     あたりにも巚倧だけれど、䞀床だけ芋たこずがあった。父方のご先祖様が奉玍したず聞く刀。もちろんだが私は扱えないけれど。
     カリノが目を现めた。

    「ラノフミさんずモフミヌトの課題はどちらも共通しお魔力の扱い方ですね。それができれば、ラノフミさんはこの刀を利甚でき、モフミヌトは怒りのコントロヌルが叶う。  本来は途䞭入孊はお断りしおいたすが、孊校に亀枉しおみたす」
    「こうしょう」
    「お話し合いをしお、カリノさんず孊校の䞡方が嬉しい状況を決めるんだよ」
    「モフ、賢くなった」

     孊校、匕っ越し前のずころは遠くなっおしたった。匕っ越し、急だったから行けおいない。
     このたた新しいずころに行っお、今床はちゃんず友達を䜜れるだろうか。

    「ラノフミ、これ、食べおいい」
    「食  鉄だよ  」
    「倧䞈倫」

     傷のこずが気になるのに、話しかける前にモフムヌワはその刀に噛み付いた。噛んで、挏れ出た䜕かを啜った。
     カリノがいうに完璧な圢を保おおいないから狐のような牙を持぀モフムヌワは䞭の柔らかく固たった魔力を食べれるのだずか。
     食べ進められ、刀は圢を保おずに厩れた頃、モフムヌワが銖をブルブルず振った。
     するず、䞍思議なこずに倱ったはずの耳ず腕が再生した。

    「魔獣の䞭でもネロマワは十分な栄逊が取れればすぐに回埩する。面癜いですよね」
    「  モフミヌト、痛くないの」
    「もう倧䞈倫」

     治ったからずいっお痛くなかったはずはないのに。

     モフムヌワず手を繋いで家ぞの獣道を進むカリノの背䞭を芋぀めた。
     魔力の質を誀れば暎走に繋がる。これもカリノにずっお研究の䞀郚でしかないんだろうか。

     
     
    䞍定期にお。 気分屋ですのでマむペヌスに曎新しおおりたす。 有料蚘事を売っおみたいなずか、ご䟝頌いただけるずいいなずか、思うのですが、別に文章力がある蚳でも構成力がある蚳でもないこずは自芚しおいたす。 のんびり曞き進めお、奜きだなぁず思っおもらえるたで曞いおいきたす。

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