
日光道中 復路3 楡木宿→小山宿
五街道復路シリーズ第二弾。
昨年夏以来の夫婦での行軍。
復路なので、往路で紹介した史跡は省略し、ご当地の独特な文化の紹介や、観光開発目線での妄想をレポートします。
2023.04.22
1.スタート地点まで


今住んでいる場所は、さいたま市浦和区。
初めて引っ越してきたのは新婚の1996年4月、共稼ぎで家内の職場が東京都千代田区、私が栃木県宇都宮市、家事の負担を考えて職場までの距離を鑑み、この地を選びました。
私は茨城県で育ち茨城県が大好きなのですが、両親が浦和市に住みたかったと良く言っていたので、ならば親の夢を叶えて住んでみようと、賃貸に5年住んだ後に気合い入れて一軒家を購入。
そこでの想定外の出来事は、与野市・大宮市と合併し政令市・さいたま市になった事。
経験された方はわかると思いますが、合併はそれぞれのローカル色が消えてしまうので、名前は残して行政機能をリストラするやり方ってないのかなぁと、よく思います。

自宅の最寄り駅は京浜東北線の与野駅。今回の日光道中は宇都宮線の始発に乗る関係で、自転車で10分の所にある、さいたま新都心駅を利用しております。
この駅、住み始めた頃はありませんでした。上の画像の地図中央の線路から右側の一帯は貨物ヤード跡地で、再開発のクレーンがたくさん立ってました。規模感でいうと、山手線の品川ゲートウェイ駅付近が今工事している様な感じです。
クリスマスになると、クレーンに電飾を付けて巨大なツリーに見立てて、Merry Xmasとネオンが光っていた光景。
SNSがその頃あったら、クリスマスイルミネーションの名所になっていたと事間違えなしの、超期間限定バージョンでした。

2枚上の画像の地図中央の線路から左の一帯がコクーンシティ。
元々は片倉工業株式会社の土地。片倉工業とは、富岡製糸場を保有していた紡績の会社。蚕の"まゆ"にちなんでコクーンと名付けられてます。
氷川神社の一ノ鳥居が近くにあり、ここから絹が横浜まで運ばれ船で輸出されたご縁で、当時の豪華客席が氷川丸と命名され、今は山下公園に停泊し横浜の観光名所になってます。


早く着いたので、自販機を眺めていたのですが、ホットとゴールドがこの小さな機械の中で混在しているって本当に凄いですよね。
ヒートポンプと呼ばれる低音の熱源から熱を集めて高音の熱源に移動する仕組み。更に断熱性を高めるために、真空断熱材で熱移動を遮断、最近流行りの常温対応もできるはず。
更に、オロナミンCの小型ビンから、多種多様なペットボトルや缶にも対応、もうなんだか神ってます!




栗橋駅は埼玉県久喜市にあるのですが、駅の西側は埼玉県加須市。埼玉県で一番の米どころ、2年前に仕事で調べた際は、農地の8割が米でした。
それにしてもこの鯉のぼりは凄いですね。世界一と言い切れる観光資源はなかなかありません。私は観光開発の仕事をしてきましたので、日光道中復路のレポートでは、沿道の史跡案内は割愛し、観光地開発者目線を散りばめて、たくさん脱線していきます。
今回はゴールデンウィーク前なので、沿道の鯉のぼりの風景も楽しみにしてましたが、驚きの結果が待ってます。
2.街道歩きの朝食



街道歩きの朝のエネルギー源は必要不可欠です。
始発電車に乗る事が多いので、4時頃に起きますがお腹が空いておらず自宅では食べられません。特に夫婦で歩くときは、アツアツのコーヒーを飲むことが楽しみのひとつなので、事前のルート確認は朝食会場から始まります。
電車で長距離移動する際は、まず車内で食べられるかを確認。ボックスシートが何号車にあり空いていそうか、グリーン車があるか。
電車が厳しい場合は、歩き始めて1時間以内に、カフェ・コンビニがあるか、コンビニにイートインがあるか。
カフェもコンビニのイートインもない場合は、座って食べられそうな公園や神社があるかを調べます。

今回は、コンビニも無い難易度最高レベルの区間なので、家内が朝食とアツアツのコーヒーをポットに用意し、歩き始めて1時間後の地点にある古墳の頂上で食べる予定にしていました。
古墳の頂上は草が生い茂っていると、夜露でびしょ濡れになったり、いろんな虫に刺されて、悲惨な目にあうので避けたい所。そんな時は、電車が空いていたらゲリラ的に食べてしまう最終手段に出ます。
本日は3つの電車でスタート地点に、乗車時間は以下の( )内の通り。
さいたま新都心→(JR宇都宮線31分)→栗橋→(東武日光線35分)→新栃木→(東武宇都宮線15分)→楡木
最後の15分にそのチャンスが到来。
ロングシートなのですが、車内には他に2人しかおらず、しかもコーヒー置き場がありました。ちなみに画像のコーヒーカップは100均で売ってます。


今回は復路なので、道沿いの遺構や史跡の画像は、気が向いたら撮影する程度になります。真面目なレポートは往路の記録をご参照ください。
▽往路の記録
3.曇りの街道歩き




追分の風景は"街道萌え風景"のひとつであります。追分とは二又の別れ道。
歩かない方面の別れ道は、この先にどんな風景があるのだろうか、いつか歩くことになるのだろうか、など諸々考えるので、記憶に残る風景になります。
今回で楡木追分は3回目。
1回目 日光例幣使街道
高崎から日光に向かう時
2回目 日光壬生道
小山から日光に向かう時
なので、始めて逆方向から歩きました。





天気予報は晴れでしたが曇り空。
実は街道歩きの時は、冬で気温が低かったり冷たい風が吹く日以外は、曇りが一番歩きやすいのです。曇りの日の難点は景色が晴れた日に敵わないところ、どんな風景も晴れていると、それなりに美しく見えます。




この時期は藤が美しい時期、天然の藤もあちこちで目にします。
栃木県内には日本一と言っても良いくらい藤が有名な公園、"あしかがフラワーパーク"があります。
350本を超える藤が咲き誇り、樹齢150年を超える600畳敷の大藤の棚が目玉。冬はイルミネーションが人気で年間150万人の人が訪れます。
4.野菜のテーマパーク

ニラのビニールハウス、露地栽培かと思っていましたので意外でした。
2021年のニラの年間生産量、栃木県は全国2位で8,970t(シェア16%)。1位が高知県14,300t(25%)、3位が茨城県7,680t(14%)となっておりますが作付面積は栃木県が日本一。ニラの生育適温が20℃なので、平均気温が高い高知県の方が年に何度も収穫ができるので、効率よく生産できるのでしょうね。
そういえば鹿沼でニラ蕎麦という、ざる蕎麦の上にニラがごそっと乗っている名物がある事を思い出しました。どんな味なのか、想像ができそうでできません。


大根を放置すると、綺麗な花が咲くのですね。
杉並木沿道にたくさん咲いていた、紫色の大根花とは全然違います。

先程のニラも花が咲きます。
街道を歩いていると野生のニラの花が白い線香花火の様な姿を見せてくれます。

野菜の花といえば、大学で観光学を教えており、新しい観光地の作り方を考えるゼミで、ベトナムとネパールの留学生3名に次の様なお題を出した事がありました。
「船橋アンデルセン公園を、野菜のテーマパークにするとしたらどうする?」
きっかけは、勤務先の大学が千葉県にあるので、千葉県の日本一を調べていたところ、日本一の農水産物がたくさんある事が発覚しました。
【農業・生産量1位】
落花生
81.5% 2020年
ねぎ
13.8% 2019年
かぶ
27.0% 2019年
さやいんげん
15.7% 2019年
みつば
19.4% 2019年
マッシュルーム
40.9% 2018年
大根
11.4% 2016年
ほうれん草
11.2% 2018年
里芋
13.4 2016年
枝豆
9.3% 2019年
春菊
12.2% 2018年
そら豆
18.4% 2016年
日本梨
13.1% 2018年
【漁業・漁獲量1位】
コノシロ
37.2% 2019年
スズキ
22.9% 2019年
マイワシ
24.2% 2011年
イセエビ
19.6% 2013年
船橋アンデルセン公園を、生産量日本一になった事がある野菜のテーマパークにしたらどうなるか?
事前に担当する野菜を割り振り、実際に公園に行ってみて、みんなでこのエリアは大根、このエリアは梨、などと決めていきます。


何が出来るかアイデアを出し合うと、たくさん出てきました。
野菜の花畑
野菜の乗物
野菜のスイーツ
野菜のミニチュア土産
野菜の屋台
野菜の収穫体験
粗々ですが、アイデアを出し合って完成したテーマパーク案がこちら。
野菜と遊ぼう!
Chibaピーナッツ&ベジタブルガーデン
No vegetables no health
船橋アンデルセン公園のみなさん、勝手にすみません。これは妄想なので気にしないでください。
先程、伸び放題の大根の花を見ていたら話が大脱線しましたので、そろそろ街道に戻ります。



よく神社の入り口に、この様な長い棒が、専用の屋根まで造られて、大切保管されています。




この柱は祭事の時に石柱に固定し立てられ、大きな幟旗が掲げられます。
2年間で100日以上2,500km超を歩き、3度幟旗を立てる祭事に遭遇しましたので紹介します。




幟旗は迫力があり、見ただけでテンション上がりますね!
5.田園風景




春から初夏にかけては、野花が蕾を開き昆虫が活発に動き出し、田園風景の中を歩くと景色だけでなく、足元にも楽しみがたくさん潜んでます。




この古墳の頂上で朝食を予定してましたが、嫌な予感がして電車の中で食べておいて正解、草ぼうぼうで無理でしたね。
隣の下野市には国分寺があった影響か、この付近には古墳が多く存在します。
昨年歩いた時に、下野市国分寺の愛宕神社で朝食を食べたら社殿の裏が古墳でした。珍しい光景でしたので、その時の画像を紹介します。



古墳の上に社殿がある神社もありましたので、古墳と神社は親和性があるのかもしれません。








磐裂根裂神社の杜は白鷺の住処。
春は巣作りの時期、小枝を加えた白鷺たちが忙しそうに杜を行き来してます。これから雛を産み育てるのですね。
昨年は夏に歩き、産卵後か孵化後なのか大量のカラスが食べに来ており、凄まじい白鷺とカラスの鳴き声と空中戦見られ、大量の白い羽根が地面に落ちている神社は、人が立ち入っていけない雰囲気が漂ってました。







街道を歩いていると、手入れがされていない草ぼうぼうの風景を、見かける事が殆どありません。
春以降、雑草はあっという間に伸び、手入れをしないと大変なことになります。
街道の沿道を快適に歩けるのは、人の手が入っているからで、これからの時期は歩いていると、草刈機のエンジン音がどこからともなく、虫の鳴き声の如く聞こえてきます。沿道の皆様の努力に感謝ですね。
6.農家のユニークべニュー


私の育った茨城県猿島郡総和町、電車の駅がなく周りは、田畑と森と工業団地ばかりでした。
農家の友だちも多く、敷地の間取りは門を入ると、左か右に納屋があり奥に主屋。古い家ですと茅葺き屋根で、トイレが別棟にあり、泊まりに行った時は夜のトイレが怖かった記憶が残ってます。





沿道にはたくさんの農家が残っており、子どもの頃育った場所に似ていて懐かしくなってきました。
納屋といえば一昨年にサイクリングで地域活性に挑戦している地域の、アドバイザーの仕事をした時を思い出しました。
場所は埼玉県加須市、今朝栗橋駅で乗り換えた付近です。
実際に現地に赴きルートを自転車で走り、どうやったら人が来るかのアドバイスをする業務で、その時は30km位のモデルルートを元オリンピアンのアスリートと巡りました。




自転車で巡ると、画像の様な田園風景・社寺仏閣・スイーツ屋台などの魅力は満喫できるのですが、わざわざ時間と金をかけて行きたくなるか?が課題で、更に経済効果や持続性なども次なる課題となります。
印象的だった訪問先の中で、一番印象的だったのは、トイレ休憩で「農家の倉庫」を貸していただき、漬物や和菓子を出していただいた、小休止のひとときでした。



先程紹介した「農家の倉庫」の様な珍しい場所の事を、観光業界では"ユニークベニュー"と呼びます。
最終的にアドバイスさせて頂いた内容は、自転車で巡る人々が道標として小休止できる農家の納屋などをユニークべニューとして整備する事でした。
きっとそんな事している地域は無いと思いますので、ちゃんと出来れば差別化にはなります。
7.いちごとかんぴょう


いちご農園直売所の看板に、キャラクターの女の子とミツバチの絵が描いてあります。
以前日本ミツバチを飼っていらっしゃる方とお話しする機会があり、いちご農園にはミツバチが欠かせない話を聞きました。
農業の世界では、花粉媒介者をポリネーターと呼びます。露地の作物ですと、さまざまな昆虫がポリネーターとなり、受粉を手伝ってくれますが、ハウス栽培のイチゴは人工的にポリネーターを入れませんと受粉できません。そこで活躍しているのが人工的にハウスに入り活躍す?ミツバチたちなのです。
近年は温暖化などで生態系が崩れてきており、天然のポリネーター減少が農作物の栽培に深刻な影響を与える可能性があり、大きな問題になってきている様です。










かんぴょう畑の独特で不思議な風景。
遅霜対策の小さなビニールの囲いと、乾燥を防ぎ雑草を生えづらくするための藁敷き。
前回歩いた時は収穫中で、訳あり風のかんぴょうたちが並べられてました。


収穫した後に、大根の桂むきの様に細長く切って、干している光景も見たくなってきますね。



イギリス積み・フランス積み・ドイツ積み・アメリカ積み、などなど様々な積み方がありますが、このパターンははじめて見ました。





農薬を撒いていたお母さん、道端で休憩してます。農家さんも高齢化で、後継者問題は深刻なのでしょうね。













壬生宿には、立派な門がいくつか残ってます。門を大切にする街の様です。








壬生町宿を抜けると歓迎と感謝の看板が、かんぴょうの葉といちごの実が描かれてました、町の名産なのですね。
8.鯉のぼりはどこに?






このお店、昼はとても混みそうなので、運良く開店直前に店の前を通れたので10分くらい待ち1番乗りで入店。
どんどんお客様が入ってきます。美味しい佐野ラーメンで、サイドオーダーした1コ110円の特大野菜餃子が、飽きのこない不思議な味でした。








国分寺跡の公園には、建物が復元されていないのはどうしてなのだろうか?
国分寺にだけ造られていたと言われる七重塔を見てみたいです。
東海道見附宿を歩いた時は、遠江宿国分寺の七重塔の模型が磐田駅前に飾ってありました。見てみたいですよね。








今朝、さいたま新都心駅で鯉のぼりをみて、今日歩く街道沿いは敷地の広い家が多いので、大きな鯉のぼりを楽しめると楽しみにしていたのですが、上の画像の鯉のぼりしか目にしませんでした。
何故?何故?何故?夫婦で考え込んでいたら、子どもも孫も住んでいないのでは?との結論に、確かにそうかもしれませんね。



























本日はここまで。
本日歩いたのは日光壬生道で、喜沢追分から日光道中に合流し、小山宿まで辿り着きました。
次回は幸手宿の追分まで1~2日かけて向かい、幸手追分で日光道中か日光御成道かを選びます。