
奥州街道 松前道3 本宮宿→福島宿
2025年春、薩摩街道を南下し鹿児島の地に辿り着きました。
次はどの街道を歩こうかと迷っていた頃、還暦を迎えた街道歩きの仲間から体力のピークの話をよく耳にする様になります。
現在57歳、体力があるうちに歩ける道を考えたら、一番過酷な道が頭に飛び込んできました。
いざ出陣、津軽半島最北端の三厩まで行けるか、年齢との戦いが始まります。
2025.07.14
1.本宮宿









ドイツパン工房ハルツ。
街道を歩ながら、目についたベーカリー・菓子店を全て記録していますが、ドイツを冠した店は2軒目です。
はじめて見たのが、2年前に大山街道を歩いた際の、神奈川県川崎市の溝口宿。
ドイツ菓子の専門店は、国内でも珍しいと思われます。

神奈川県川崎市

神奈川県川崎市
溝口宿は、所々に街道の面影が残っています。

神奈川県川崎市
大山街道ふるさと館。
こちらは大山街道愛に満ち溢れた資料館で見応え十分。
川崎市は東海道川崎宿には、「東海道かわさき宿交流館」があり、1階から3階まで全てが街道の展示、日本屈指と言える位の立派な資料館です。

神奈川県川崎市
上の画像は溝口宿、戦後の飲食店街。
街道仲間の間では聖地と呼ばれる場所で、何度もこの地で飲んでいます。
大山街道を歩いた時の記録はこちら↓
最近ブラタモリで放送した大山街道の舞台を歩いてます。
話が大幅に脱線してきましたので、川崎市から奥州街道に戻ります。









2.南杉田宿 北杉田宿

昨夜の飲食店で、どぶろくを一緒に飲んだお客さんが、大玉村に住んでいると話をしていた記憶があります。
どうやって帰ったのでしょうね。



真っ直ぐな道、畷道がどこまでも続きます。










時刻05:55 気温23℃
台風5号が接近しており、気温は低いのですが、湿度がかなり高く感じられます。









本日の朝食は、NHKの人気番組72時間で2024年の人気ナンバーワンに輝いた、二本松のドライブインのはずでした。
番組のタイトルは、"国道4号線 ドライブインは眠らない"、街道から少し逸れますが、ここだけは行きたかったので遠回りします。
番組の内容はお伝えしませんが、号泣する位の内容。国道4号バイパスに入って、ドライブインの看板を見たら、思い出して涙が溢れてきてました。


腹ペコで到着。
昨夜の飲食店で、常連さんがバイパスドライブイン行くなら、モツ煮を勧められていたので、頭の中はモツ煮でいっぱいです。
到着すると車が少ない、嫌な予感がしてきました。



残念ながら24時間営業はしておらず、開店は朝10時からでした。
2時間楽しみに歩いてきたので、かなり落ち込みましたが、前に進むしかありません。アルバイト募集の幟が入口横に立っていたので、人手不足なのだと思われます。


運良くすぐ近くにローソンがあったので、カツサンドで力をつけます。


3.二本松宿 其の一





駅前で行う盆踊りのポスター。
面白かったのが、車社会なので離れた場所の駐車場から駅に向かうシャトルバスが出ています。









上の画像、屋根にあるバツ印の家紋、とても気になります。
ちょうど掃除をされている方にお聞きすると、「丹羽(にわ)様の家紋です」と、尊敬の念を込めた感じの返事が返ってきました。
丹羽様とは、江戸時代に陸奥国二本松を治めた藩の一つ丹羽家で、地元で今も丹羽様と呼ばれている事に、少し感動しました。

バツ印の家紋は、よく聞かれるみたいで、社務所前に説明の紙が貼られていました。


福島出身の知人が、和菓子屋が多いと言ってましたが、本当に多かったです。



御苑でのビール祭り最高ですね。
昨日歩いた本宮には、アサヒビールの大きな工場がありました。

上の画像の左端、桝形の角にある店の名前が、"ますや"です。

4.二本松宿 其のニ

凄い坂が見えたと思ったら、この坂を二本松提灯祭りの山車が昇り降りするそうです。









幸田露伴ペンネームの由来。
本名幸田成行が二十歳の頃、話は北海道与市から上京の旅の途中に遡ります。
鉄道で郡山まで辿り着くも資金がなくなり、そこから歩いて南下する途中、この地で野垂れ死にしそうになりながら詠んだのか次の一句。
「里遠し いざ露と寝ん 草まくら」
この句の露をペンネームに使ったそうです。
作品は読んだことがありませんが、明治から昭和にかけて活躍した文豪が、若き日に歩いてきた道を遡って私は歩く、なんか良いですね。
街道歩きはやめやれません。

亀谷坂を登り切ったので、今度は下り坂が待ってました。





宿場町が終わったと思ったら、再び宿場町が現れました。
二本松宿は奥深い、またゆっくりと訪れたいです。



大七(だいしち)酒造。
1752年創業、初代蔵元の太田三良右衛門の名前が大七の名の由来。
2008年北海道洞爺湖サミット公式晩餐会の乾杯酒に純米大吟醸酒が採用されています。

こんなに大きい杉玉、見たことがありません。
杉玉(すぎだま)とは、杉の葉を集めて球体状にしたもの。酒林(さかばやし)とも呼ばれます。
酒蔵は新酒が完成したことを知らせるために軒先に杉玉を吊るし、杉玉は時間の経過とともに茶色になり、変化の過程は、酒の熟成具合の目安にもなります。
多くの酒蔵は街道沿いでよく目にします。その中で杉玉が飾られていた蔵元を、いくつか紹介します。

長野県上田市

新潟県南魚沼市

広島県東広島市

新潟県佐渡市
旅先の夜の楽しみが、地酒を飲む事。
その地域で飲む地酒が1番美味しいです。

二本松に入ると、土壁風の色合いの壁の建物が増えてきます。土壁といっても上品な感じで、富の象徴だったのかもしれません。
土壁色の壁といえば、西国街道の山口県の長府宿の、練塀の家々を思い出します。

山口県下関市
宿場町に入る手前では、朽ちた感じの練壁がちらほら目に入ってきて、これは何だろうと思って見てました。

山口県下関市
中心部の武家屋敷跡の付近に行くと、そこには、手入れが行き届いた練壁の街並みが残されています。

山口県下関市
往時の姿そのままに、大切に維持されています。
こんなに美しい道が、ひっそりと残されている、長府宿の皆様の心意気に感動しました。
西国街道、長府宿を歩いた時の記録はこちら↓



相馬街道。
二本松と太平洋側の相馬を結ぶ道。
相馬沿岸でつくった塩が二本松まで運ばれていたので、地元では塩の道とも呼ばれています。
福島県の太平洋沿岸を通る陸前浜街道の、相馬市内の中村宿を歩いた時に、二本松に向かう相馬街道の追分に道路元標がありました。

福島県相馬市

福島県相馬市






木造4階建の建物は、2019年の建築基準法改正による緩和以前は建築が許可されていなかったため、滅多にお目にかかれません。
佐渡相川街道の終点の小木港には、木造5階建の建物がありました。

新潟県佐渡市

新潟県佐渡市
佐渡相川街道を歩いた時の記録はこちら↓










5.二本柳宿

二本松宿の次は二本柳宿。
同じ様な地名が続くので由来を調べてみました。
二本松の由来は、かつてこの地に二本の霊松があったから。
二本柳の由来は、この地を訪れた旅の僧が柳の枝を二本挿して防火の祈祷を行い、その枝がそのまま根付いたから。
宿場町に入ると、往時の商いなどの説明看板が軒先に掲げられています。






雨が降ってきました。
激しくなりそうなので、円東寺で雨宿りをします。

雨が降る中、ぼ〜っとしている時間がとても好きです。目の前もうもうとした木はしだれ桜の様で、満開になったら凄そうです。

説明看板を見に行くと、推定樹齢400年もあるそうです。

30分ほど過ごしましたが、雨はやみそうもないので、上下雨具を装着して完全防備で出発。

円東寺さん、雨宿りさせていただき、ありがとうございました。







6.八丁目宿




門かぶりの松。
松の枝を水平又は斜めに伸ばし、門の上に伸ばしたものを、門かぶりと呼びます。
上の画像のブロック塀に沿って伸びてました。

少し離れてみると、上の画像の、ブロック塀全部の長さなので、12mくらいは伸びてます。









見事な石橋です。
緩やかな弧を描く橋を渡ったので、これはもしやと覗き込んだら、予想通り石橋のアーチ橋でした。
九州は石積みの技術が発展しており、長崎街道や薩摩街道で石橋をよく目にしました。
印象的だったのが、熊本県八代市の二見地区。旧街道が寸断されているお陰で交通量が少ないため、そのままの状態で現役で活躍しています。

熊本県人吉市

熊本県人吉市

熊本県人吉市
薩摩街道を歩いた時の記録はこちら↓











7.浅川新町 清水町宿

街道の道幅が往時のままです。
自然な曲がり方が美しいですね。







暑くてしんどいですが、良いことありそうなので階段を登ります。




見事な彫刻でした。
疲れている時に神社の階段を登ると、街道の神様は7割以上の確率でご褒美を与えてくださります。









8.福島宿









福島わらじ祭り。
日本一の大わらじを担いで練り歩く祭り。1970年に始まり毎年8月上旬に行われています。






信夫橋(しのぶばし)。
福島市のシンボルとして知られる信仰の山、信夫山から取られているとも言われています。
何代にも渡り架け替えられており、明治時代の橋の形状が当時の江戸日本橋に似ていたことから、福島の日本橋と称されていたそうです。










昨夜のドブロクが残る中の街道歩きと雨の影響で、なかなか前に進みませんでしたが、ようやく福島宿に辿り着きました。
今夜は、福島の知人と一献。
福島の酒を出す、気になる店があるとの事なので突撃。

運良くカウンターが2席空いていました。
予約しないで暖簾をくぐり、会いてますか?と聞く瞬間のちょっとした緊張感が好きです。
入店できると、大袈裟ですが店とのご縁を感じます。
人気店の様で常にお客様が入れ替わり常に満席。店が会津の酒蔵と造ったオリジナルの濁り酒を堪能。
普段はゆっくり話す機会がなかったので、生き様など語り合えて、とても良いいい時間でした。




台風が接近しいて天候が不安定。
明日は思い通りに歩ける事を祈りながら、本日二本松宿で前を通った大七酒造のカップ酒で一日を締め括ります。