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歴史の鼓動と共鳴する時間 〜国宝仏塔巡り〜

伝統建築が好きで、これまでに国宝五城を巡ってきました。石垣や天守に宿る当時の技術力と美意識を目の前にするたび、日本の歴史と先人の知恵・技量の深淵さを感じます。


実は、同じく伝統建築物である神社仏閣にも心惹かれています。去年、専門的な建築書を手に入れて以来、その本を片手に社寺の詳細を眺めることが増えていました。難しい建築用語が、視覚に入る実際の建物細部と結びつくにはまだ時間がかかりそうですが、それでも目の前に立つ巨大建造物の一つひとつを前にすると気持ちが昂ります。


神社仏閣建築のうち、とりわけ心を奪われるのが「仏塔」です。それは元々、お釈迦様の遺骨を収めるものが原型でしたが、日本では仏塔として形をなしたのでした。

現在、国宝に指定されている五重塔は、羽黒山(山形県)、東寺(京都府)、醍醐寺(京都府)、海住山寺(京都府)、法隆寺(奈良県)、興福寺(奈良県)、室生寺(奈良県)、明王院(広島県)、瑠璃光寺(山口県)の九基です。私はすでに法隆寺、室生寺、醍醐寺、興福寺、東寺を訪ねました。

法隆寺の五重塔は、古の息吹を伝える世界最古の木造建築物として、飛鳥の空気を纏い、訪れる人々を静かに見守っていました。


室生寺の塔は、日本最小ながら山寺の緑に溶け込み、清楚で凛とした姿が記憶に焼き付いています。


醍醐寺の塔は、平安の荘厳を今に伝え、重厚かつ妖艶な姿で周囲の景色を従えていました。


興福寺の塔は力強さと圧倒的な存在感で、ありし日の寺の権勢を観る者に語りかけていました。

そして東寺の五重塔は、かつての京の都の玄関口にそびえるランドマークとして、参拝者を優しく出迎えてくれる懐の深さを感じさせる存在です。

残る国宝指定五重塔は地方に点在しているため、来年はまず「中国攻め」と位置付けて、明王院と瑠璃光寺の塔訪問を計画しています。羽黒山はさらにその先の楽しみに取っておきます。


また、中国地方に入るために岡山を訪れるつもりにもしており、吉備津神社と合わせて備中国分寺の五重塔にも足を運んでみたいと思っています。
そこにはかつて七重塔があったと伝わっていますが焼失し、現在の塔は江戸時代末期に再建されたものです。国の重要文化財に指定され、江戸時代特有の意匠が施された稀有な塔と聞きます。

現存するものだけでなく、かつて存在し、威容を誇っていた東大寺の七重塔跡や元興寺の五重塔跡も、時を超えてなお何かを語りかけてくるような予感を抱かせます。元興寺の国宝・五重小塔と併せ、ぜひ、これらも訪れたいと思っています。


日本に残る希少な建築物を前にすると、自分の中に眠る懐かしい感覚が呼び覚まされます。
小学生時代、遠足などで当たり前のように目の前に立った時の軽い印象。そうした心の揺らぎがどこから来たのかはわかりませんが、自分が育まれた場所で大切に継承されてきた遺産。それらが奏でる歴史的鼓動が、自分の内に眠る何かに共鳴するのかもしれません。
同時に、海外で暮らすことが長くなり、その感覚を意識する気持ちが強くなったのかもしれません。いつまでも大切にしたい感覚です。



👉国宝に関する記事として、国宝五城を訪ねた記事はこちらから。



海外に暮らしてみると、それまで気にもとめなかった日本の良さに気づかされることがよくあります。
世間では外国称賛がよく語られがちですが、違う世界に身を置いてこそ感じる日本の良さを 「殿シリーズ」としてまとめてみました。

👉 【殿、畏れながら申し上げまする】はこちらからどうぞ ☺️

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