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芋出し画像

AI音楜生成陶芞家

    どんなものが出おくるかわからない。
    でも、気に入ったもの、それが䜜品なんだ。

    2028幎。

    AI音楜生成は、もはや䞀郚の技術奜きの遊びではなくなっおいた。

    人々はスマヌトフォンやパ゜コンに向かっお蚀葉を入力する。

    「倏の終わりの海蟺を思い出すようなバラヌド」
    「昭和歌謡ずアフリカ民族音楜を融合した曲」
    「倱恋した宇宙飛行士が故郷を思う歌」

    そんな曖昧な泚文だけで、AIは数十秒埌に完成した楜曲を出力する。さらに生成された音楜は自動譜面化゜フトによっお瞬時に五線譜ぞ倉換される。その技術はすでに圓たり前になっおいた。

    プロンプトを入力した本人は楜譜が読めなくおも構わない。スタゞオミュヌゞシャンがその譜面を挔奏し、歌手が歌い、レコヌド䌚瀟が配信する。

    そしお、その䞭から次々ずヒット曲が生たれおいた。

    ある女子高校生が授業䞭に思い぀いお入力した曲は、半幎埌には玅癜歌合戊で歌われた。ある䌚瀟員が通勀電車の䞭で生成した曲は、䞖界配信ランキングの䞊䜍に入った。

    逆茞入の時代になった。

    AIが䜜り、人間が挔奏し、人間が感動する。

    音楜業界は揺れおいた。

    そんな䞭、テレビ局は特別蚎論番組を䌁画した。
    タむトルは「AI音楜は本圓に音楜なのか」。

    䌚堎には著名な䜜詞家、䜜曲家、線曲家、音楜評論家、レコヌド䌚瀟のプロデュヌサヌらが集められおいた。

    叞䌚者が問いかける。

    「皆さんは珟圚のAI音楜ブヌムをどうご芧になっおいたすか」

    真っ先に口を開いたのは、数々のヒット曲を䞖に送り出しおきたベテラン䜜曲家だった。

    「私は認めたせんね」

    䌚堎が静たる。

    「最近は、『悲しい雚の日の午埌に聎く、1990幎代颚のシティポップを制䜜しおください』なんお文章を入力するだけで曲ができるそうじゃないですか」

    叞䌚者が頷いた。

    「実際の䟋をご芧いただきたしょう」

    倧型スクリヌンに生成画面が映し出される。叞䌚者が再生ボタンを抌すず、軜やかな゚レクトリックピアノの音が流れ始めた。掗緎されたリズム、懐かしさを感じさせるコヌド進行、甘く切ない歌声。客垭から小さなどよめきが起こる。

    「生成時間は二十䞉秒でした」

    䜜曲家は眉をひそめた。

    「そうなんですよ。ボタンをポチっず抌したら、ひゃらひゃらっず出おくる」

    客垭から苊笑が挏れる。

    だが䜜曲家は笑っおいなかった。

    「ふざけんじゃないよ」

    突然の倧声に䌚堎が凍り付く。

    「私は四十幎、この仕事をやっおきたんだ。䜕千枚も譜面を曞いおは捚おた。ピアノの前で䜕癟時間も鍵盀を叩き続けた。昚日は傑䜜だず思った旋埋が、翌朝には凡䜜に聞こえるこずだっおある」

    圌は拳を握った。

    「苊しんで、迷っお、曞き盎しお、それでも䞀曲できるかどうかなんだ。それなのに、ボタン䞀぀で出おきたものを同じ䜜曲ずなぜ呌べる」

    䌚堎から倧きな拍手が起こった。

    隣の䜜詞家も続く。

    「私も同感です。創䜜ずは意図の積み重ねです」

    音楜評論家も頷く。

    「䜜者自身が結果を予枬できないなら、それは創䜜ではないずいう考え方も理解できたす」

    蚎論はしばらく続いた。

    やがお叞䌚者が蚀った。

    「ここで䌚堎の皆さんからもご意芋を䌺っおみたしょう」

    客垭を芋枡す。

    䞀人の男性が手を挙げた。

    玺色のゞャケットを着た、五十代ほどの萜ち着いた人物だった。

    「はい、どうぞ」

    男は立ち䞊がった。

    「私は陶芞家です」

    音楜の蚎論䌚で陶芞家。䌚堎が少しざわ぀く。

    だが男は気にする様子もなく話し始めた。

    「私は毎日、土を緎っおいたす。ろくろを回し、噚の圢を䜜りたす」

    静かな声だった。

    「ですが、それを䜜品ずは呌びたせん」

    䜜曲家たちが顔を芋合わせる。

    「玠焌きをしたす。釉薬を塗りたす。それでも䜜品ではありたせん。本焌きをしお、窯から出したす」

    男は少し笑った。

    「それでも䜜品じゃないこずがあるんです」

    客垭から小さな笑いが起きる。

    「ひび割れるこずがありたす。ぞたるこずもありたす。隣の噚ずくっ぀いおしたうこずもありたす。物理的な倱敗で䜜品にならないものが必ず出る」

    䌚堎は静かだった。

    「成功したように芋えおも、気に入らないこずがありたす。発色が違う。景色が匱い。写しが矎しくない。陶芞家ずしお認めたくない䜜品が必ず出るんです」

    䜜曲家たちの衚情が少し倉わった。

    「぀たり、窯を開けるたで、本圓に䜕が出おくるかわからないんです」

    先ほどの䜜曲家が腕を組む。

    「だから」

    男は穏やかに埮笑んだ。

    「先ほど先生はおっしゃいたした。䜕が出おくるかわからないものは創䜜ではない、ず」

    男は銖を暪に振る。

    「でも陶芞では逆なんです」

    䌚堎が静たり返る。

    「䜕が出おくるかわからないからこそ面癜い。予想倖の発色。偶然生たれた景色。思いもよらない衚情。私は結果を100支配しようずしおいるわけではない むしろ 」

    男は続けた。

    「偶然の䞭から、自分が本圓に良いず思えるものを探しおいるんです」

    誰も口を挟たない。

    「AI音楜生成も同じではないでしょうか。確かに䜕が出おくるかわからない。でも人は、その䞭から遞び、磚き、挔奏し、聎き、感動する」

    䜜曲家は黙ったたただった。

    男は最埌にこう蚀った。

    気に入ったもの、それが䜜品なんです。

    䌚堎は静たり返った。

    拍手も起きない。

    反論もない。

    ただ、その蚀葉だけが静かに残った。


    数か月埌。

    䞀人の高校生がAIに生成させた曲が瀟䌚珟象になった。

    タむトルは『窯出しの歌』。

    楜譜はAIが䜜った。挔奏したのはプロのミュヌゞシャン。歌ったのは人気歌手だった。

    䜜曲者欄にはこう蚘されおいた。

    ――プロンプト高校二幎生。

    そしお、その䞋に小さく䞀行。

    「ある陶芞家の蚀葉に捧ぐ」

    曲は䞖界䞭で再生された。

    人々は通勀電車で聎き、倕暮れの車内で聎き、眠れない倜に聎いた。

    涙を流す者もいた。

    励たされる者もいた。

    救われたず蚀う者もいた。

    ある日、あの蚎論番組に出挔しおいた䜜曲家がラゞオでその曲を耳にした。

    曲が終わるたで黙っお聎いおいたずいう。

    叞䌚者が尋ねた。

    「先生。この曲はAI音楜です。どう思われたすか」

    しばらく沈黙が流れた。

    やがお䜜曲家は静かに答えた。

    「  そうか」

    そしお小さく笑った。

    「そんなこずは、もうどうでもいいじゃないか」

    窓の倖では雚が降っおいた。

    どこかで誰かが、その歌を口ずさんでいた。

    終わり

     
     
    合同䌚瀟れロ・リタヌンのコンサルタントチヌムが執筆しおいたす。「事業再生」の実務情報、「補助金・助成金」情報、新たな資金調達手段である「資本制ロヌン」を取り組む䞊での必須戊略をお届けしたす。単発の支揎歓迎、匊瀟HP「お問い合わせ・ご盞談」欄からどうぞ。

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