
課題図書2025「スラムに水は流れない」(中学生)で読書感想文を書くコツ byせたがや作文教室 ※ネタバレあり
水、水、水。
人間に必要なものなのに、それがなかなか自由に手に入らないものであるため、主人公の女の子、ミンナや家族は、水の問題で人生が振り回されていきます。
インドのスラム街に住むミンナの家には、そもそも、蛇口がありません。
共同の蛇口まで水を毎日汲みに行きます。
しかし、その水もちょろちょろとしか流れてこないし、毎回沸かして、さらに濾さないと、病気になってしまうような水です。
首都のムンバイ(ポンペイ)に住む、ヒンドゥー教徒のミン二は、地元の公立ではなく、私立の学校に通う12歳。頭がよくて、成績もトップクラスです。しかし、家はとても貧乏。
お父さんは夜遅くまで仕事に出ているし、お母さんは家事に加えて、お金持ちの家に使用人として働きに出ています。兄のサンジャイは、コックになるのが夢で、飲食店で働いています、
そんな家庭に、大きな事件が二つ起きます。
ひとつは、線路で水を盗む男たちを見てしまったこと。
後から、水マフィアだろう、と教えられます。
好奇心で近くまで見に行ったサンジャイと友だちのアミットが、水を盗む男に見つかってしまいます。
その顔は見覚えのある顔で――。
ふたりは逃がしてもらえました。
しかし、危険を避けるために、ふたりは田舎の農場へ行くことになり、ミン二は初めて、兄と別々に暮らすことに。
そして、もうひとつは、お母さんが病気になってしまったことです。
きちんと沸かして、濾していない水を飲んだのかもしれません。
そのため、お母さんは親戚の家に静養にいくことになり、これまでお母さんがやっていた家の仕事を、ミン二がすることになります。
家事の中で、最も大変なのは、飲める水を手に入れることです。
朝早くから共有の蛇口に並んで、チョロチョロとしか流れない水を長時間かけてくみ、コンロの弱い火で沸かします。
沸かすだけでも、またさらに時間がかかるのです。
こうして、ミンナはなかなか学校に行けなくなっていきます。
ミンナが通うインドの学校には、日本と違い「落第」があります。
テストに合格しないと、上の学年に勧めません。貧乏なミンナの家では、落第=学校をやめることにつながります。でも、お母さんが申し込んでくれたおかげで、パソコン教室に通えることになったのです。
パソコンがあれば、世界とつながる、と心待ちにしていた授業。
でも、ミンナは疲れ果てて、学校をやめるかもしれません。
お父さんもお母さんも、働きに出たり、家族の世話をするために、学校を卒業することはできませんでした。
ミンナの友だちには、学校をやめて結婚した子もいます。まだ12歳です。
雑誌を売っている友だちは、字が読めません。
勉強ができても、人生がそちらのほうに大きく振れてしまうかもしれない。それがミンナの「現実」だと言うことに驚きます。