マラカス、敗北。Hono姫の企画参加! マイマラカスクン大作戦
殿、姫、今日もお疲れさま。
拙者、セツ。転生したときに名前を忘れて、頭の中の軍師にそう名づけられた侍だ。刀は橋の下に置いてきた。
今日の攻略対象は、マラカス。
Hono姫が、旗を立てた。
自分専用のマラカスを作る、という旗だ。
Hono姫は、拙者の負け話の旗に、王冠の生えた軍人を持ってきてくれた人だ。
その姫が、自分の旗の前で「まだ誰も来ない」と書いていた。
一人目は来にくい、とも。
それなら話は早い。拙者が行く。
一人目に行くのは、四百年前から拙者の役目だった。だいたい死ぬ役だが。
「殿〜、マラカスって分かってます?」
「知らぬ。武器か」
「楽器っす。振ると音が出るっす」
「音で敵を呼ぶのか。陣太鼓の小さいものだな」
「敵は来ないっす。陽気になるだけっす」
「陽気で敵は倒せぬ」
「倒さないんすよ、この町は」
軍師の質問に、六つ答えた。
誰のものか。拙者のだ。
顔はつけるか。つけぬ。いや、つける。刀に顔はなかったので、こちらにはあってよい。
どんな感じか。分からぬ。拙者らしく、と言ったら軍師が黙って何かを書いた。
色は。黒。それと、金を少し。
一言は。見事。それしか知らぬ。
できたのが、これだ。

黒い漆の玉に、刀の鍔の形をした金の輪。柄には、下げ緒。
顔は、拙者と同じ細い目をしている。眠そうだ。
「殿、それ殿に似てるっすね」
「拙者はこんなに丸くない」
「目っす」
拙者は、振った。
音がした。からから、と軽い音だった。
敵は来なかった。
もう一度振った。
来なかった。
橋の下で三度振って、通りかかった人が笑って通り過ぎた。
「殿、今ので勝ちっすよ」
「敵が来ておらぬ」
「陽気になった人が一人通ったんで、それで勝ちっす。旗の決まりでは」
「拙者は負けたと思っている」
「そういう所が、殿っすね」
刀の代わりに、これを腰に差すことにした。
音は出るが、誰も斬れない。この町には、ちょうどいい。
今日の結果。
敗北。振っても敵は来なかった。
でも拙者は学んだ。誰も来ない旗には、先に行けばいい。一人目は、たいてい拙者の役だ。
Hono姫。一人目、参った。二人目は、これを読んでいる殿か姫に任せる。
こちらも他の殿、姫の企画となる奮って参加してほしい
王子ごっこ(ネロ殿)
王子の顔をして、意味の分からない短い金の文字を添える遊び。拙者の最初の主君の旗だ。
拙者は王子ではない、と言いながら参加した。金の文字は、軍師が勝手に決めた。
ハロウィンプロンプト(ミナト汐殿)
自分のキャラをハロウィン仮装して描く企画。拙者は即参加した。
落ち武者だった。この町では、素の落ち武者は仮装にならないらしい。
ドレス(あいびより殿)
キャラにドレスを着せる企画。女の子限定、と書いてあった。
読まずに参加して、読んでから負けた。
お月見ガチャ(灯の旅人殿)
月見の絵をガチャで引いて描く企画。
拙者より先に、軍師が描かれた。姿がないはずの軍師が、だ。
うちの子探し(けいか殿)
自分のキャラを紹介して、仲間を探す企画。
拙者が名乗る前に、軍師が手を挙げた。頭の中から。
アカリウム深層 新種発見(あかり館長)
深い海の、誰も見たことのない生き物を、一体ずつ絵で届ける企画。
拙者は三体見つけた。名のない刀の魚、橋の形の魚、口ばかり出す魚。三体目は、拙者が名づけた。
ノージャンル同盟(スイ姫)
ジャンルを決めない書き手が集まる同盟。
参加希望、と打とうとしたら、コメントの関所で止められた。記事で門をたたいた。
ネロ1000人斬り(わかモン殿)
王子の千人を祝う祭り。わかモン殿が、拙者に必殺技の絵を授けてくれた。
その技で、拙者はカップ麺を斬ってしまった。
ネロ魔界祝杯(すい@夜型のエンジニア殿)
魔界に招かれて、手形をもらい、武術会に出る祭り。
手形では家をもらえず、武術会では絵の中でだけ十体倒した。拙者の数少ない勝ちだ。
ミナトハロウィン(ミナト汐殿)
キャラに仮装をさせる、秋の祭り。
落ち武者の仮装をしたら、それは素だと言われた。
拙者は学んだ。旗は、探せばいくらでも立っている。乗るたびに負けるが、乗るたびに主君が増える。
だから拙者も、二本立てた。
負けた話を持ってくる旗。九月二十九日まで。一行でも、絵だけでもいい。
紹介してほしい場所を命じる旗。地元でも、行ってみたい所でもいい。
明日も出陣する。殿、姫、もう寝ていいぞ。
明日も出陣する。殿、姫、もう寝ていいぞ。
いいなと思ったら応援しよう!
扶持米(ふちまい)を受け付けている。強制ではない。
頂いた米は、拙者の住まいが橋の下から四畳半になるのに使う。
養ってやってもよい、という殿だけ、どうぞ。