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Photo by3torasan

私の主張14:現在の日本に国家理念はあるのか

    生成AIに、「現在の日本にはどのような国家理念があるのか」と尋ねてみた。

    ChatGPTは「人口減少社会でも成長し、地方も維持し、デジタル技術と先端産業で国際競争力を確保する国家」と回答した。

    Geminiは「強靭で自立した経済安全保障国家」と「デジタルの力を融合した地方共生社会」と回答した。

    しかし、私から見れば、それらは「国家戦略」であって、「国家理念」ではない。

    国家理念とは、国と国民が共通理解している国家の在り方である。

    例えば、「覇権国家」「独裁国家」「軍事国家」なども国家理念の一つである。

    小さな政府による「自由主義国家」もあれば、大きな政府による「統制国家」もある。

    日本でも明治時代には、「列強に支配されない独立国家」や「欧米に蔑まれない国家」が国家理念だったと思う。だからこそ産業振興を進め、軍隊の整備を行ったのである。

    戦後日本ならば、「軍事小国でありながら経済的に豊かな中間層社会」が国家理念だったと私は考えている。あるいは、「規格大量生産による工業社会」と言い換えてもよいかもしれない。

    国民はその理念に向かって進み、国家はその理念を実現するための仕組みを整えてきた。

    明治時代であれば、軍人や工場労働者を育成するために教育が必要だった。そのため学校制度を整備した。

    戦後日本であれば、工業社会を目指して工業高校を充実させたり、都市部への人口移動を促進したりした。

    しかし現在の日本では、国家戦略どおりに物事が進んでいるとは言い難い。

    地方共生社会を掲げながら、東京一極集中と地方の衰退は進んでいる。

    デジタル化を推進すると言いながら、学校現場を含めて十分な理解や賛同を得られているとは言えない。

    経済安全保障を掲げながらも、国際情勢の変化によって資源確保への不安は依然として残っている。

    つまり、日本という国家は「何をするか」は示していても、「どのような社会を目指すのか」という点について、国民の間で十分な共通理解が形成されていないのではないだろうか。

    もちろん、これからの国家理念を私一人が決めるものではない。

    大切なのは、国民がどのような社会を望んでいるのかということである。

    独裁国家や絶対王政であれば、国家が「こうしたい」と決めればよい。

    しかし、曲がりなりにも日本は選挙によって政治を選ぶ民主主義国家である。

    国民が望まない方向へ進み続けることはできない。

    現在の日本はさまざまな課題を抱えている。

    もっとも、課題を抱えていない国など存在しないだろう。

    日本政府は「人口減少」「地方衰退」「技術者不足」などの問題を挙げ、その解決策を示そうとしている。

    しかし本来であれば、

    「どのような国家を目指すのか」

    を先に示し、

    「そのためにはどのような課題があるのか」

    を整理し、

    「その課題を解決するためにどのような政策を行うのか」

    を説明するべきではないだろうか。

    国家理念が目的ならば、国家戦略は手段である。

    私たちも時々、目的と手段を取り違えることがある。

    手段そのものが目的になってしまうのである。

    今の日本は、そのような状態にあるのではないだろうか。

     
     
    半世紀以上生きてきて、いつも人の顔色ばかりみて過ごしてきました。 そうじゃないんだよな、と思うこともあるし、 私はそう思っていないんだよね、と思うこともありました。 でも人生の折り返しをすぎて、やっぱり伝えておきたいことがあります。 そんなことを日々発信します。

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