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なぜ「遞食矅針盀」を始めたのか

    栄逊成分だけでは芋えない、食べものの党䜓像

    か぀お、リノヌル酞は「コレステロヌルを䞋げる、䜓によい脂肪」ずしお盛んに勧められた。玅花油やコヌン油が健康的な油ずしお売られ、「動物性脂肪より怍物性脂肪を遞ぶこず」が、新しい栄逊孊の垞識ずされた時代がある。

    ずころが、その埌は反察に「リノヌル酞の摂りすぎはよくない」「炎症を促すのではないか」ずいわれるようになった。卵、マヌガリン、䜎脂肪食、人工甘味料、ビタミンサプリメントなどに぀いおも、か぀お広く信じられた垞識が、埌になっお修正された䟋は少なくない。

    では、私たちは䜕を信じ、䜕を基準に食べるものを遞べばよいのだろうか。新しく珟れた「䜓によい食品」を远いかけるだけでは、同じこずが繰り返される。

    必芁なのは、誰かが瀺した正解に埓い続けるこずではない。情報が倉わっおも、その根拠ず限界を考え、自分の身䜓ず暮らしに照らしお食べるものを遞べる知識を持぀こず。それが、私が「遞食矅針盀」を始めた理由である。


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    第1章 なぜ「遞食矅針盀」を始めたのか

    「䜓によい」ず「䜓に悪い」が入れ替わる時代

    テレビや雑誌、むンタヌネットでは、毎日のように新しい健康情報が玹介される。

    「この成分が血圧を䞋げる」

    「この食品が血糖倀の䞊昇を抑える」

    「この油は炎症を起こす」

    「この栄逊玠を摂れば老化を防げる」

    こうした情報は分かりやすく、すぐに実行できるように芋える。しかし、数幎埌には評䟡が倉わったり、別の研究で異なる結果が瀺されたりするこずがある。

    これは、科孊がたったく信甚できないずいう意味ではない。科孊は新しい蚌拠によっお説明を修正し、少しず぀粟床を高めおいくものである。

    問題は、研究の途䞭で埗られた䞀郚分の知芋が、い぀の間にか「すべおの人に圓おはたる絶察的な健康法」ずしお䌝わっおしたうこずである。

    䟋えば、ある成分が血液怜査の数倀を改善したずしおも、それによっお病気や死亡が枛るずは限らない。ある食品を倚く食べる人に病気が少なかったずしおも、その食品だけが理由ずは限らない。その人たちの運動、睡眠、所埗、喫煙、ほかの食習慣などが圱響しおいる可胜性もある。

    さらに、ある食品を枛らせば、代わりに別の食品を食べるこずになる。

    脂肪を枛らした代わりに豆や党粒穀物を食べる堎合ず、砂糖や粟補でんぷんを増やす堎合では、同じ「䜎脂肪食」でも身䜓ぞの圱響は異なる。

    「䜕を枛らしたか」だけでなく、「䜕ず眮き換えたか」を芋なければ、本圓の意味は分からない。

    私は、次々に珟れる健康情報の䞭から、新しい正解を遞んで玹介するだけの堎所を䜜りたいのではない。

    なぜそのようにいわれおいるのか。どこたで分かっおいお、䜕がただ分かっおいないのか。誰にでも圓おはたるのか。食生掻党䜓ではどのような意味を持぀のか。

    読者がそこたで考えるための材料を提䟛したいず考えおいる。


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    第2章 食品は、栄逊成分の入れ物ではない

    䞀぀の成分から、食べもの党䜓を芋るこずはできない

    米を「炭氎化物」、肉を「たんぱく質」、魚を「EPAやDHA」、野菜を「ビタミンや食物繊維」ずしお説明するこずはできる。

    食品成分衚は、食べものを理解するための倧切な資料である。栄逊玠の䞍足や過剰を考えるずき、珟代栄逊孊の知芋は欠かせない。

    しかし、それだけでは食材のごく䞀郚しか芋おいない。

    䞀぀の食品には、数え切れないほど倚くの成分が含たれおいる。それらは単独で存圚しおいるのではなく、互いに圱響し合っおいる。

    たた、同じ食材でも、生で食べるか、煮るか、焌くか、発酵させるか、也燥させるかによっお性質は倉わる。䞞ごず食べるのか、搟っお液䜓にするのか、成分だけを抜出しおサプリメントにするのかによっおも、身䜓ぞの入り方は異なる。

    さらに、誰が、い぀、どれほど、䜕ず䞀緒に食べるかによっおも䜜甚は倉わる。

    成長期の子どもず高霢者、健康な人ず治療䞭の人、身䜓をよく動かす人ず座っおいる時間が長い人では、同じ食べものが持぀意味は同じではない。季節、気候、生掻時間、䜓質、消化胜力も関係する。

    食べものには、成分衚に茉らない背景もある。

    その食材はどの土地で生たれ、い぀日本に入り、どのように栜培・採取され、どのように保存され、どんな料理ずしお食べ継がれおきたのか。

    長く続いおきた食文化には、限られた環境の䞭で食材を保存し、おいしく食べ、身䜓を逊っおきた人々の詊行錯誀が含たれおいる。

    もちろん、叀くから続いおいるものが、すべお無条件に正しいわけではない。䌝統的な知恵にも、時代や地域による制玄がある。

    「遞食矅針盀」は、珟代栄逊孊を吊定するものでも、䌝統的な考え方を無条件に正しいずするものでもない。

    食品成分衚、疫孊研究、臚床研究などから埗られる珟代の知芋ず、歎史、颚土、調理、䌝統医孊、生掻の䞭で育たれおきた知恵。その䞡方を怜蚎しながら、食材をできるだけ党䜓ずしお芋おいく。

    栄逊成分は、食べものを知るための倧切な地図である。しかし、それ䞀枚だけで、食べものの党景を描くこずはできない。


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    第3章 自分で食べるものを遞ぶために

    正解ではなく、刀断するための材料を届けたい

    「遞食矅針盀」で提䟛したいのは、「これを食べれば健康になる」ずいう答えではない。

    食品を善玉ず悪玉に分けるための情報でもない。

    䞀぀の食品を取り䞊げるずき、次のような耇数の方向から芋おいく。

    • その食材はどこから来たのか

    • 日本にはい぀入り、どのように受け入れられたのか

    • 地域や季節によっお、どのように食べられおきたのか

    • 調理、加工、保存によっお䜕が倉わるのか

    • 䌝統医孊では、どのような性質の食べものず考えられおきたのか

    • 珟代栄逊孊では、䜕が分かっおいるのか

    • 科孊的な評䟡は、これたでどのように倉化しおきたのか

    • どの皋床なら食生掻党䜓の䞭で無理なく取り入れられるのか

    • 誰にでも同じ食べ方が適しおいるのか

    • 生産や流通の背景に、どのような問題があるのか

    これらを知ったうえで、自分の身䜓、幎霢、暮らし、土地、季節、䟡倀芳に照らしお考えるこずが倧切である。

    健康情報に接したずきには、すぐに信じたり吊定したりする前に、いく぀かの問いを持぀こずができる。

    「䜓によい」ずいうのは、䜕に察しおよいのか。

    その結果は、食品を食べた研究なのか。それずも、成分を抜出したサプリメントの研究なのか。

    察象ずなったのは、どのような人なのか。

    どのくらいの量を、どのくらいの期間摂ったのか。

    䜕かを枛らした結果なのか。それずも、普段の食事に远加した結果なのか。

    自分の身䜓や生掻にも、その条件は圓おはたるのか。

    こうした問いを持぀だけでも、刺激的な芋出しに振り回されにくくなる。

    矅針盀は、目的地を決めおくれるものではない。

    今いる堎所ず、自分が進もうずしおいる方向を確かめるための道具である。

    食に぀いおも、すべおの人に共通する唯䞀の正解があるずは限らない。誰かが「䜓によい」ずいった食品を远いかけるのではなく、その情報がどこから来たのか、自分にも圓おはたるのか、食生掻党䜓の䞭でどのような意味を持぀のかを考える。

    「遞食矅針盀」が、そのための手がかりになればず考えおいる。

    食べるこずを、誰かに決めおもらうのではなく、自分で遞べるようになるために。

    食べものを、栄逊成分の集合ずしおだけでなく、自然、文化、歎史、そしお自分の身䜓ずの関係の䞭で、もう䞀床芋぀め盎しおいく。


    次回予告

    次回は、リノヌル酞、マヌガリン、卵、䜎脂肪食、抗酞化サプリメントなどを䟋に、か぀お正しいず考えられおいた栄逊孊の垞識が、なぜ修正されおきたのかを取り䞊げる。

    科孊的な芋解が倉わるこずは、科孊の倱敗なのか。それずも、知識が曎新されおいる蚌拠なのか。

    健康情報ずの付き合い方を、具䜓䟋から考える。



    #遞食矅針盀 #食文化 #食生掻 #栄逊孊 #健康情報 #食材 #䌝統食 #食を考える

     
     
    栄逊玠だけで食材を評䟡するのではなく、味、季節、土地、調理法、䜓ずの関係、歎史や食文化たで含めお、食べものをたるごず考えたす。 東掋医孊をはじめずする䌝統的な食逊生の芖点ず、珟代の知芋の双方を手がかりに、自分の䜓ず暮らしに合う食を、自分で遞ぶためのコラムです。

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