
梅雨【首藤誠人】
嫌いです。
雨が嫌いなんで、そら嫌いです。
雨が好きと言える人はなんだかかっこよくていいなと思います。
それに憧れて、雨に濡れるの好きなんだよねとか言って、昼休みに雨天のグラウンドに駆けて行っていた時代もありました。
でも、そんなの全然嘘で、嫌いです。
どうして雨は傘を持っていかない日は降って、傘を持っていく日は止むのでしょう。
となると、傘はただの役にも立たない荷物でしかない。
だから、私は傘をなるべく持ち歩かないようにしています。
最近、傘を持たず家を出た後、大雨が降りました。
さすがにと思い、コンビニでビニール傘を買いました。
お腹が減っていたので、その後すぐに定食屋さんに行きました。
新品の傘を、自分のだとわかるように傘立ての右端に置いて、定食を食べました。
食べ終わり、お店を出ようとすると、右端に置いていたはずの新品の傘がなくなっていました。
私は737円でイライラした気持ちで目的地までの道をずぶ濡れになる体験を買いました。
そのせいで、傘も嫌いです。
先週、珍しく運動がしたくなったので、早起きして市民プールに向かいました。
小雨の中自転車を漕いでいると、濡れている枯れ葉たちにタイヤを滑らし、転倒しました。
そのせいでスマホの画面が少し割れました。
怪我もしたので、プールには行けませんでした。
そのあと、急いで家に帰り、汚れた服を着替えて、お風呂に入り、なんとか知り合いが出演していた演劇公演の時間に間に合いました。
公演が終わって、出演者面会の時に知り合いに挨拶をして、写真を撮ろうということになりました。
私が自分の携帯を構えると、その画面には自分が二人いました。
画面のヒビと照明の角度のせいで、自分とツーショットが撮れるようになっていたのです。
その知り合いには笑われました。
そのせいで、朝活も枯れ葉も写真撮影も嫌いです。
このように、雨はいろんなところに悪影響を与えます。
浪人が決まった日も、雨でした。
初アルバイトなのに理不尽に怒鳴られた日も、雨でした。
占い師から人生を否定された日も、雨でした。
私はうまく行かないのは全て、雨のせいだと思っています。
それくらい、雨が嫌いです。
まあ、
うまく行かないことを誰も傷つけずに他責できる。
自責しがちな私が、意外と自分のことを好きでいられているのは雨のおかげかもしれません。
そういう意味では、私の中で雨は大きい存在なのかもしれません。
少し譲歩してみましたが、
ごめんなさい。全然大嫌いです。

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