
END(There is no.../1998)#16
その後の半年の記録がない。
どうやって過ごしたかも思い出せない。
ただ、1年後には彼の転勤で変化が訪れる。
彼の実家からも遠い、海のそばに引っ越した。
環境が変わるのはチャンスだ。リセット出来る。
彼は異動願いを出していた。ちゃんとこの生活の異常さを考えていた。
苦しんだのは無駄じゃなかった。
耳が聞こえなくなったけど、この生活からは脱出できる。
新居になった社宅は、駅に近くて海へのアクセスも良い所だった。
相変わらず鉄扉のある社宅だけど、ここの鉄扉は音が優しい(笑)
寝室が玄関からちょっと離れていたのにホッとした。
楽しんだ。オシャレなお店に行ったり、美味しいものを食べに行く時間も増え、新婚生活をやり直せる時がやっと来たことを喜んだ。
引っ越しと同時に私も講師のアルバイトをやめた。その後単発で都内の店舗装飾の仕事を頂き、前の自分を取り戻しつつあった。ほどほどに自分も忙しく、緊張感のある生活を維持することが、彼への不満や執着を抑えられると学んだからだ。
目の前のものをどうにかしようと躍起になっても変わらない。自分が変わることを覚えた。単純なことだけど、当時は相手を変えようとしか思い浮かばなかったのだ。
相変わらず帰宅は遅いが、22時ごろには帰ってくることが多くなった。
第一幕はこれで一旦終わりです。長らくご清聴ありがとうございました。
《人間はそう簡単には変わらない。過大な期待はしないほうがいい》
END(There is no.../1998)#16 @よめちゃん