ペルシャじゅうたんの向こうに、イランの遊牧民がいた【イラン連載②】

「ギャッベ」というペルシャじゅうたんの一種の展示会へ行ったことがあります。

お店のスタッフによると、
「遊牧民の方がひとつひとつ図案を考えながら、手織りで作ったすべて1点ものなんです。」
ということ。

「へ~、遊牧民かあ。中央アジアかどこかで作られているのかなあ?」
ペルシャじゅうたん=イラン産と繋がっていなかった私はそんなことを思っていました。

●イランの遊牧民が作るペルシャじゅうたん「ギャッベ」

調べてみると、
ペルシャじゅうたんの一種である「ギャッベ」は、イランのザグロス山脈付近の、ファールス州のカシュガイ(Qashqai)族などの遊牧民文化と深く結びついています。

ザグロス山脈周辺では羊やヤギを連れて季節移動する牧畜が長く行われてきました。イランの遊牧は「山岳遊牧」「垂直遊牧」とも呼ばれ、夏は標高の高い草地、冬は低地へ移動するスタイルです。ザグロス山脈はその中心地の一つでした。

出典:
https://www.iranicaonline.org/articles/gabba/

ザグロス山脈
→ 夏は高地の草原
→ 冬は低地
→ 羊・ヤギを連れて移動
→ 羊毛
→ 手織り絨毯「ギャッベ」

●最後に

核開発問題で制裁を受けているイランからも、一部の製品は輸入されています。

核問題とは無縁とも思える遊牧民が、同じ国の、しかもペルシャ湾に近いザグロス山脈付近で、羊毛を使ってペルシャじゅうたんを手織りしてきたのだと思うと、イランの広大さを感じました。

ギャッベは、手織りならではのぬくもりが感じられるじゅうたんです。

昔、何気なく見ていた一枚のじゅうたんの向こうに、ザグロス山脈を移動する遊牧民の暮らしがあったのだと思うと、なんだか不思議な気持ちになりました。

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