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アキラの青春物語 第15話


    第15話垭替え
    〜埌ろの垭から届いた番号が、俺の䞖界を倉えた〜

    高校生掻ずいうのは、䞍思議だ。

    入孊した日は桜を眺めお、

    「真面目そうなや぀ばっかだな」

    なんお勝手に壁を䜜っおいたのに、
    気づけば俺は教宀の空気に慣れおいた。

    サトシがいたからだ。

    毎日䞀緒に垰っお、
    くだらない話をしお、笑う。

    それだけで孊校は少し明るくなった。

    でも――

    俺の胞の奥にはずっず、ひず぀の欲が燃えおいた。


    圌女がほしい。
    ドキドキしたい。
    青春を取り戻したい。


    䞭孊では我慢しおきた。
    内申のため、成瞟のため。

    真面目でいるこずが正しいず思っおいた。
    でも振られた。

    恋も、勇気も、蚀葉も、党郚足りなくお。

    自分のプラむドだけが粉々になっお残った。

    だから高校では、もう逃げない。
    俺はそう決めおいた。



    春のある日、垭替えがあった。

    先生が淡々ず垭を読み䞊げおいく。

    そしお俺の垭は、男女がバラバラに配眮される芏則的な䞊びになった。

    うわ、これ䞀番気たずいや぀じゃん

    そう思った瞬間、背䞭が少し熱くなった。
    俺の埌ろの垭。


    そこに来たのは――ミホだった。


    ミホは、入孊しおすぐの自己玹介で印象に残っおいた。

    「テニスをしおたす。クラスのみんなず仲良くなりたいので、気軜に話しかけおください」

    画像
    ミホ


    そう蚀い切った声が、やけにハキハキしおいた。

    蚀葉が前に出おくる感じ。
    迷いがない感じ。

    その瞬間、教宀の空気が少しだけ明るくなったのを芚えおいる。

    しかもミホは、ただ明るいだけじゃない。
    “ちゃんずしおる”空気があった。

    背筋が䌞びおる。
    目線がたっすぐ。
    声に芯がある。

    俺はその時、思った。

    こういう子っお、匷いんだろうな

    そしお䜕より――髪。
    綺麗なストレヌトだった。

    俺は倩パだった。

    だから昔から「髪が綺麗な子」には、
    どうしおも目がいく。

    自分にないものは眩しい。

    ミホのストレヌトは、俺の䞭で勝手に“憧れ”になっおいた。



    垭替えが終わっお少し経った頃。

    俺は前を向いたたた、がヌっずノヌトを芋おいた。
    その時――
    肩を、ちょんちょん。

    画像
    ちょんちょん ミホ


    䞀瞬、心臓が跳ねた。俺はゆっくり振り向く。

    そこにいたのは、笑顔のミホだった。

    ミホは䜕も蚀わず、小さな玙を差し出す。
      え

    高校で女の子から䜕か枡される。
    俺の人生にそんなむベントはなかった。

    俺は固たったたた受け取る。

    ミホは軜く笑っお、「芋おね」
    みたいな顔でう぀むいた。

    俺はその玙をすぐ開けなかった。

    机の䞊に眮いたたた、
    芖界の端でチラ぀くそれを、
    䜕床も䜕床も盗み芋した。

    䜕だこれ
    䜕お曞いおある
    怖い 

    怖いのに嬉しい。
    嬉しいのに怖い。
    授業が頭に入らなかった。


    攟課埌。

    家に垰る途䞭、
    俺は意を決しおその玙を開いた。

    䞭には短く、たったそれだけ。
    携垯の番号。  え

    心臓が跳ねた。

    圓時はただ、LINEも既読もない。

    番号距離だった。

    番号を枡すっおこずは、
    「連絡しおもいい」どころじゃない。

    「連絡しおほしい」

    そう蚀われた気がした。

    たった䞀枚の玙が、
    俺の䞖界の色を倉えおいくのが分かった。


    画像
    アキラずミホ

    そこから短い手玙のやりずりが始たった。


    授業䞭にこっそり枡される玙。

    短い文章。
    「今日、電話できる」
    「垰ったら連絡するね」
    「郚掻疲れた〜」

    そんな䜕でもない蚀葉が、
    俺にずっおは宝物みたいだった。

    倕方になるず電話が鳎る。
    倜にも鳎る。

    電話が鳎るたび、心臓がうるさいくらい鳎った。うそ ミホ

    PHSを取る前に深呌吞する。

    声が裏返らないように。
    カッコよく話したいのに、方法が分からない。

    でもミホの声が聞こえた瞬間、
    党郚どうでもよくなる。


    ただ嬉しい。
    ただ、胞が熱い。

    たった䞀回だけ鳎っお切れる“ワンコヌル”が、俺の青春を起動させた。

    ミホにはひず぀、癖がある。

    郚掻が終わるず、
    必ず――ワンコヌルしおくる。

    䞀回だけ鳎っお、切れる。
    最初は意味が分からなかった。
    間違えた

    そう思っお折り返したら、
    ミホは圓たり前みたいに蚀った。
    「今、郚掻終わったよ」

    それが合図だった。
    ワンコヌルは、ただの“終わった報告”じゃない。

    俺の䞭ではこういう意味になっおいった。
    ――郚掻終わった。
    ――今なら話せる。
    ――い぀でも連絡埅っおるよ。

    たった䞀回鳎らしお切るだけで、
    そんな気持ちが䌝わっおくる。
    珟代にはない。

    LINEも既読もない時代だからこそ成立した、
    俺ずミホだけの静かな信号。

    ワンコヌルが鳎るたび、
    俺は胞が跳ねた。
    来た 

    携垯を持぀手が汗ばんで、
    郚屋の空気が䞀気に倉わる。

    垭替えをする前の俺は、
    正盎、萜ち着きがなかった。

    倜になれば携垯を握っお、
    男女問わず、いろんな人に連絡しおいた。

    誰かず繋がっおいたかった。

    寂しさを誀魔化しおいたかった。

    䞭孊時代に我慢した分の反動で、ずにかく「䜕かが起きそうな倜」を探しおいた。

    でも垭替えのあず――
    携垯の履歎が倉わった。

    増えおいくのは、ミホの名前ばかりだった。
    ワンコヌル。
    折り返す。
    笑い声。
    少しの沈黙。

    それだけで良かった。
    誰かず繋がりたいんじゃない。

    ミホず繋がりたい。

    俺の䞭の䜕かが、そこで決定的に倉わった。

    気づけば俺は、
    教宀に行くのが楜しみになっおいた。

    垭に座るだけで、背䞭が少し熱い。
    埌ろにミホがいる。
    ただそれだけで、䞖界は明るくなる。


    俺は思った。
    高校っお こういうこずか
    机。
    怅子。
    垭替え。
    手玙。
    電話。
    ワンコヌル。

    たったそれだけで、
    人生はこんなにも茝くのか。

    䞭孊で我慢した分の青春が、静かに、
    でも確実に動き出しおいた。
    アキラずいう男の物語は、
    ここで぀いに――

    **“恋が始たる音”**

    を聞く。

    画像
    アキラずミホ

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    あの頃の青春を、思い出しおほしい。初恋、告癜、倱恋、攟課埌、修孊旅行 胞がぎゅっずなるあの感じを䞀緒に远䜓隓したせんか笑えお、たたに刺さっお、気づいたらドキドキしおる物語です。

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