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【掌編小説】夜風

    コンビニの自動ドアが
    冷たい空気をひとつ吐いて
    私を夜へ押し出す

    袋の中でアイスが
    汗をかきはじめる

    遠くでぼんっと音がした
    一拍おいて、もうひとつ
    見上げても
    空には何もない

    花火は
    私のいない場所で
    上がっている

    風がぬるい
    昼の熱をまだ抱えたまま
    そのぬるさの隙間を
    細い涼しさが通っていく

    夏はもう
    音だけになって
    少し遅れて届くようになった

    角をひとつ曲がる
    腕の産毛が立って、すぐ寝た

    了


    こちらに参加させていただきました。
    よろしくお願いします。


     
     
     
    主に小説を書いてます。 プロダクトデザイナー|元建築設計士|いつも使っているモノに潜む思考と、日々のちいさな感情を、私なりに解釈しています

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