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夢を見ずにはいられない 《詩》

    seiji_arita
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    「夢を見ずにはいられない」

    硝子ケースの中に飾られた景色

    そう、あの年の冬は
    やたらと寒かった

    四月 あの年の桜の開花は
    いつもより遅かった

    あの夏は暑かった
    あの海はとても綺麗だった…とか

    そうやってある時間の感覚
    時間の経過の感覚が
    僕の中に刻まれている

    いつか君と見た 
    六月の雨と紫陽花

    そう言った時間を共有する他者は
    それほど多くはない

    時間の経過とは 
    その様な親しい人との
    関係性の中で確認される事が多い

    恋愛もまた時間とその経過を
    僕に刻み込む

    大切な人と過ごした時間が僕の
    主要な記憶を作り出している

    思い出す 
    雨上がりの夏の香りと七月の海

    今、僕等の希望は
    どこにあるのだろうか


    過去に希望は
    存在しない事だけは明白だ

    記憶の中にあるのは
    想い出であり希望ではない

    すぐに消えてなくなるポップスの
    様なものだったのだろうか

    ただ それを懐かしむ事しか
    出来ないでいる

    恋愛や希望に取り残された人々

    誰かと同じ綺麗な色になれなくて
    挫折と孤独をなどった指先

    繁栄の先にある没落が 
    完結しそうになる時

    やはり僕達は未来に願いをかける
    様に夢を見ずにはいられない


    大切なものを確かめ合う時間が
    僕達には欠けている

    時に訪れる逃げ出したくなる夜に
    自分の居場所なんて何処にもなくて

    ブランコすらない 忘れられた公園
    水の出ない死んだ噴水

    目に映る世界の端っこの街 

    そんな場所にだって太陽の光と
    月の明かりは輝く

    現実から目を背けて 
    まだ見ぬ世界があると
    遠くばかりを見ていた

    恵まれない僕と君が
    手を取り合い同じ方向を見据え
    同じ場所を夢見る時

    それは 
    紛れもなく希望なのだと思う


    ひとつの想いを形にして

    信じているから 
    あと一歩 前に進もう

    祈る様に願い 夢見る様に生きる

    決して消える事のない想いを
    詩に残しながら

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