
スリーライン 《詩》

「スリーライン」
物語は必ず悲劇か喜劇だ
たとえ喜劇にしろ幕が降りる時には
笑いも止む
そして悲劇にしろ幕が降りれば
涙も止まる
どれくらいの奴等が
風に乗ったのだろか
勝手に幕が降りるその前に
短い不安な夢を見て目を覚ました
目が眩む様なシャンデリア
大理石の床がその光を
鈍く反射している
窓からは中央に噴水のある中庭
人通りの全くない通りが見える
こんなものに いったい何の価値が
あるのだろうか
重い窓を開けると遠くから
車の音が聞こえ
冷たく乾いた風が入ってきた
僕は酷く疲れていた
大丈夫か? と声に出して
自分に呟いた
何故 僕はこんなところに
いるのだろう わからなくなった
月の光がさすシルクのシーツの上
愛を綴った物語 幸せの意味
リボトリールを過剰摂取し
死に場所を探して彷徨う
少女の頃のあの娘と
死ぬほどデカイ音でドアーズを
聴いていた十代の僕が居た
どうにでもなれ そんな言葉で
誤魔化し汚した
何かを求め続け 何かを失いながら
硝子テーブルの上
クレジットカードでコークを砕き
15センチ程度のラインを
3本作った スリーライン
ただれた鼻の粘膜 乾ききった喉
夢を見る度に現実が消えていく
どれくらいの奴等が
風に乗ったのだろか
勝手に幕が降りるその前に
物語は必ず悲劇か喜劇だ
たとえ喜劇にしろ幕が降りる時には
笑いも止む
そして悲劇にしろ幕が降りれば
涙も止まる
街の明かりが部屋にさし込み
純粋な白い輝きを放つスリーライン
星のない夜空だって 空は空だ
淡い月の光だけが床に曖昧で
消えそうな一筋の線を描いている
物語に終止符を打つ4月の幕引き
もう何も苦しまなくて済む
有難う…
そう書き残されたあの娘の手紙
勝手に終わらせるなよ
僕はどうすればいい
もう一度だけ 見せてくれないか
教えてくれよ
月の光がさすシルクのシーツの上
愛を綴った物語 幸せの意味
僕には何も
わからないままなんだ
そしてまだ あの娘の為に
出来る事を探している
