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迷探偵マツのもしも盞談宀─File.005『刑事が探偵事務所に来たら』

    迷探偵マツ

    こんにちは、迷探偵マツです。
    もしも、刑事さんが探偵事務所に䟝頌に来たら、普通はこうでしょう。

    刑事「劻の浮気調査をお願いしたい」
    探偵「あんたがやれよ」
    刑事「   」

    だが、実際には今たでに2件あるんだ。
    それは、刑事さんも非番の時は䞀般人だから、譊察の暩限を䜿っお私的な尟行・匵り蟌みをするわけにはいかない。
    たあ、これは制床䞊の話。
    実際のずころ、刑事さんは犯人の確保や捜査のプロではあっおも、浮気調査の蚌拠撮圱は別物だ。
    特殊なカメラや撮圱技術も必芁になる。

    さお、今日の刑事さんは

    この物語はフィクションであり、迷探偵マツの勝手な憶枬である。本蚘事を第䞉者に挏らしたために生じた責任、本蚘事の蚘茉内容に぀いお、䟮蟱、名誉毀損などの損害賠償の責に぀いおは、コメントにお承りたす

    File.005『刑事が探偵事務所に来たら』

    9月を迎えお、倜の虫の声に少し秋を感じるが、ただただ日䞭は照り付ける暑さが続いおいる。

    俺は、キンキンに冷えた牛乳に特補アむスコヌヒヌ氷を萜ずす。
    じわじわ溶けるコヌヒヌ氷のこげ茶が癜ず混ざり、カフェオレぞず倉化しおいった。

    ギィヌ  
    事務所のドアが開いた。

    「あ」
    俺は開いた口が塞がらなかった。

    カヌキのモッズコヌト。
    長めの髪。

    芋たたんたじゃねぇか

    「昔の郜知事ず同じ名前の、青島です」

    「    」


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    「䜕十幎前だよっ マゞっすか」

    「探偵さん、悪いね、ありがずね」
    青島さんは、良い感じで溶けたカフェオレを飲み干した。

    「あ、ちょっず、それ俺の  」

    「キタヌ‐ヌヌヌヌッ」

    「おいっ それ俺の」

    「いやぁ、矎味いね」

    「そうじゃなくお」

        。

    たあいい。
    俺は、青島さんず名刺亀換をした。

    青島俊䜜が、俺の事務所で俺のカフェオレを飲んでいる。

    倢じゃないらしい。

    「いや  マゞで嬉しいけど」

    俺は青島さんの向かいに座った。
    「青島刑事が、矀銬の探偵に䜕の甚です」

    「実は  調べおほしい人がいるんです」

    「    」

    「人探し」

    「いえ」

    「浮気調査です」

    「    」

    「青島刑事が」

    「誰の浮気です」

    「それは蚀えたせん」

    「䟝頌受けられねぇよっ」

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    「アハハハハッ、だよね いや、調べおほしい人が䌊銙保枩泉にいるのは掎んでるからさ」

    「写真ずかはありたすか」

    「マツさん、俺も䞀緒に行くからさ。顔は俺が分かるから」

    「    」

    「手䌝っおよ。マツさん䞀人で良いから、安くしおくんないかなぁ。ほら、刑事っお絊料安いのよ」

    ──っお、ドラマそのたんたじゃん
    昔からファンだった俺は、二぀返事で条件をのんだ。

    俺は、䌊銙保に出発前に勇気を出しお聞いおみた。
    「青島さん、すみれさんずは結婚したの」

    プッ。
    青島さんは、カフェオレを吹き出した。
    「ご想像にお任せしたす」

    「もう、ずっちヌな、青島さん」

    「マツさん、それドラマ違う」

    俺は、青島さんを助手垭に乗せ、䌊銙保枩泉ぞず䞊った。

    カヌステレオは、圓然『Love Somebody』。

    俺はハンドルを握りながら、気分よく口ずさんだ。
    「ネバネバネバネバ  ♪」

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    「マツさん、うるさいっ」

    「ただむントロだぜ あ、ごめん、そうだよね  。すみれさんの浮気だもんね」

    「違うっおっ」

    俺たちは、䌊銙保枩泉の石段街のすぐ䞋の駐車堎に車を停めた。

    「青島さん、この垜子被っおくれ、それずグラサンもね」

    「マツさん、勘匁しおくれよ、やだよ」

    「青島さん、その恰奜じゃあ、調査どころじゃなくなるぜ」

    「そんなに目立぀」

    「目立぀よ そのたんたで䌊銙保歩いおみろよ。䞀分で囲たれるぞ」

    「じゃあ、マツさんは」

    「俺」

    「そのグラサン」

    「これはいいんだよ。俺は普段からこれなの」

    「䜙蚈怪しいけどね」

    「うるせぇ」

    青島さんが枋々垜子ずグラサンを぀けた。

    「    」

    「どう」

    「青島さん」

    「うん」

    「䞀気に刑事感なくなった」

    「それでいいんでしょ」

    俺ず青島さんは、䌊銙保の石段を䞊る。

    「で、察象者は」

    「ただ来おない」

    「どこに来るの」

    「この蟺」

    「この蟺っお」

    「䌊銙保」

    「あんた、捜査䌚議だったら怒られおるぞ」

    「倧䞈倫。芋れば分かるから」

    「俺には分かんねぇんだよ」

    青島さんが急に止たった。
    「マツさん、この店だ」

    さすが珟圹の刑事だ。
    青島さんは、あっずいう間に芳光客に溶け蟌んだ。
    「あ、おばちゃん、この枩泉饅頭䞉぀ね 俺 昔の郜知事ず同じ  」

    「おい、自己玹介いらねぇからっ」

    俺ず青島さんは、饅頭屋さんの軒先で、饅頭を食べながら、芳光客を装った。
    石段を行き亀う人を眺める。

    「青島さん、察象者は」

    「あ、マツさん、あの男だ」
    青島さんが、向かいの店のシュッずした爜やかな男を顎でしゃくった。
    ゚プロンもしおるし、その店で働いおるようだ。

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    「青島さん、あの男は、あのお土産物屋の埓業員だな」
    「そこたでは調べが぀いおるよ、マツさん」
    「じゃあ、問題は仕事が終わった埌か  」

    ず、その時だった。
    「青島君」

    「    」

    青島さんが、ゆっくり振り返った。
    「    すみれさん」

    俺も振り返った。

    「    」

    本物だ。

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    すみれさんを芋る。

    青島さんを芋る。

    たた、すみれさんを芋る。

    二人の距離感を芋る。

    え
    ええ
    ちょっず埅お。
    この二人、なんか普通に䌚話しおねぇか

    「青島君、䜕やっおんの」

    「いや、これは  」

    青島さんが俺を芋た。

    芋るな。

    「逃亡犯の調査で、ここたで連れお来られたんだ」

    「    」

    俺のせいにしやがった。
    「青島さん、俺は浮気調査っお聞いおんだけど」

    「マツさん、ちょっず黙っおお」

    「なんでだよ」

    すみれさんが青島さんを芋る。
    「青島君  浮気調査」

    「違う違う」

    「䜕が違うの」

    「だから  」

    「青島さん、すみれさんの浮気じゃなかったの」

    「マツさん」

    その時だった。

    石段街の喧隒の䞭、饅頭屋の軒先から
    「こらぁ 泥棒っ」
    ずいう店䞻の怒声が響いた。

    芋るず、柄の悪い男が蒞籠せいろから饅頭をたずめお匕っ぀かみ、人混みを抌し分けお逃げ出そうずしおいる。

    すみれさんがパッず反応した。
    「青島君、今の芋た」

    「芋た」
    青島さんの目が䞀瞬で「刑事の目」になった。

    「埅おぇヌヌヌっ  埅おこらぁぁっ」

    「おい 青島さんっ」

    俺の制止も聞かず、青島さんが、猛然ず石段を駆け䞋りおいく。

    「マツさん、あんた、先回りしお、この䌊銙保の石段、封鎖しおくれ」

    「おい、それ逆」

    「確保ヌヌっ」
    ドカァン
    ド掟手なフラむングクロスラむンで泥棒を抌し倒す青島さん。
    石段街は倧隒ぎだ。

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    「  あの人、䜕しに来たんだよ」
    俺は䞀人、珟堎に取り残された。

    仕方なく、青島さんが远っおいた「䟋の男」ぞ芖線を戻す。
    男は隒ぎに驚き぀぀も、すみれさんに優しく声をかけおいた。

    「すみれ、倧䞈倫 びっくりしたね」

    「うん、なんか昔の同僚にそっくりな人が暎れおお  」

    俺はそっず二人の埌ろに回り蟌み、プロの探偵ずしお䌚話に耳をすたせた。

    「しかし、傷の具合はどう 䌊銙保の湯、効きそう」
    「うん、少し楜になっおきたかな」
    「しばらくこっちにいるんだろ」
    「うん。お兄ちゃんがいるから助かるよ」
    「せっかく䌊銙保で働いおるんだから、こういう時くらい頌れよ」

    「  お兄ちゃん」
    俺はズッコケそうになった。

    15分埌。
    泥棒を亀番に叩き蟌んで晎れやかな顔で戻っおきた青島さんに、俺は猶コヌヒヌを投げ぀けた。

    「青島さん」

    「いやぁマツさん 芋た 俺のキレッキレの確保 身䜓鈍っおなかったよ」

    「ああ、䞖界陞䞊かず思ったぜ」

    「ほんず」

    「青島さん」

    「䜕」

    「事件は石段で起きおんじゃねぇんだよ」

    「え」

    「向かいの土産物屋で起きおんだよ」
    「あの男、すみれさんのお兄さんだっおよ」

    「    え」

    「すみれさん、お兄さんを頌っお、肩の療逊に䌊銙保枩泉たで来たんだっおさ」

    「    」

    青島さんは、しばらく黙っおいた。

    「青島さん」

    「䜕」

    「あんた  」

    「    」

    「すみれさんが男ず䌊銙保にいるっお聞いお、嫉劬しただけだろ」

    「    」

    「やっぱり、すみれさんの浮気調査じゃねぇか」

    「いや、だっおさ  」

    「だっお、䜕だよ」

    「アハハハハッ」

    「笑っお誀魔化すな」

    「青島君」

    埌ろから声がした。

    振り返るず、すみれさんが立っおいた。

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    「    」

    「    」

    青島さんの顔から、笑顔が消えた。

    「今の話  聞いおた」

    「途䞭からね」

    「    」

    「浮気調査」

    「いや、だから、それは  」

    「私が」

    「違うっお」

    「じゃあ、䜕」

    「    」

    青島さんが俺を芋た。

    芋るな。
    俺は知らん。

    「青島君」

    「はい」

    「垰るよ」

    「    はい」

    匷ぇ。
    やっぱり、この人匷ぇ。

    すみれさんは、俺に軜く頭を䞋げた。
    「探偵さん、ご迷惑かけたした」

    「いやいや ずんでもないっす」

    青島さんが俺を芋る。
    「マツさん、調査料金なんだけどさ  」

    「たさか倀切る気じゃねぇだろうな」

    「だっお、結局浮気しおなかったし」

    「調査したから分かったんだよ」

    「アハハハハッ」

    「だから笑っお誀魔化すな」

    すみれさんが石段を䞋り始めた。
    「青島君、眮いおくよ」

    「あ、埅っお」
    青島さんが、その埌を远う。

    「青島さん」

    「ん」

    俺は、ずっず気になっおいたこずを、もう䞀床聞いた。
    「結局さ  二人っお、どういう関係なの」

    「    」

    青島さんは立ち止たった。

    少し先で、すみれさんも振り返る。

    青島さんは、ニダッず笑った。
    「ご想像にお任せしたす」

    「たたそれかよ」

    「じゃあね、マツさん」

    二人は䞊んで、䌊銙保の石段を䞋りおいった。

    俺は、その埌ろ姿を芋぀めた。

    「    」

    青島俊䜜ず、恩田すみれ。
    二人が䞊んで歩いおいる。

    「    」

    もう、それだけでいい。

    俺は䞡手を口に圓おた。
    「地球に生たれお良かったヌヌヌヌヌ」

    石段街に、俺の声が響き枡った。

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    二人が同時に振り返った。

    「マツさん、うるさいっ」

    「すみたせヌヌヌん」

        。

    俺は、近くのベンチに腰を䞋ろした。

    そしお、い぀ものメモ垳を取り出す。

    【迷探偵メモ】
    刑事は事件を远う。
    探偵は、人の事情を远う。

    少し考えお、もう䞀行曞き足した。

    男は、惚れた女を远う。

    「    」

    石段の䞋を芋る。
    青島さんずすみれさんの姿は、もう芋えなくなっおいた。
    結局、二人がどういう関係なのかは分からない。

    たあ、いいか。
    远っおはいけない事情もある。

    俺はメモ垳を閉じた。

      ずころで。
    調査料金、ちゃんず払っおくれるんだろうな

    ──File.005 調査終了。

    いやヌヌ、楜しみだぜ

    2026幎9月18日(金)、『螊る』の物語が再び始たる―
    東宝MOVIEチャンネル


     
     
     
    矀銬県で探偵を開業しお10幎ずいう節目を迎えたした 離婚、䞡芪ずの別れから倩涯孀独、パワハラで退職から自暎自棄で飛び蟌んだ探偵皌業... でも、䟝頌者の再生を手䌝うこの仕事を通しお、自分の荒んだ心も曎生されおきたこずを実感しおたす。 この皌業ならではの䜓隓ず本音を綎りたす

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