
吉幾三さんの夢を何とかして叶えさせたい
はじめに
『雪國』や『酒よ』などの代表曲で知られる、演歌歌手の吉幾三さん。
ただ、彼の楽曲の中でもひときわユニークでキャッチーなものは? と尋ねれば、恐らく全員が口を揃えて『俺ら東京さ行ぐだ』を挙げることでしょう。
田舎での生活にうんざりし、東京での暮らしに憧れるさまを描いたこの作品は、日本で初めてヒットしたラップ・ナンバーとも言われ、今なお万人に愛されている名曲です。
そんな『俺ら東京さ行ぐだ』の中で、彼はこんな夢を語っていました。
東京へ出だなら
銭コア貯めで
銀座に山買うだ
これを聞いて、私は思いました。せっかくだから、この夢を叶えてほしい。
そこで私は、吉幾三さんが銀座に山を買うことは可能なのか、検証してみることにしました。
そうしましょ! そうしましょ! そうしましょったらそうしましょ!
銀座に山つくるだ
とはいえ、一度現実を見てしまえば、銀座に物理的な山を今から作ることなど困難、というか不可能。このままでは「吉幾三さんが銀座に山を買うなんてことは無理」という、寂しい結論まっしぐらです。
そんな絶望の未来を回避し、何とかして彼に山を買ってもらうためには、この前提条件を何とかして覆す必要があります。ではどうするか。
そうです。「山」の定義ごと弄ってしまえば良いのです。
彼も厳密に「山」が欲しいとは限りません。「顧客が本当に求めているものはドリルではなく穴」という例え話があるように、彼だって山ではなく土地が欲しかった可能性もあるわけです。第一、彼は2026年で74歳になります。高低差の激しい急斜面だらけの土地なんて危なくて仕方ありませんから、今更買えたところで嬉しくもないでしょう。
しかし、こちらとしても、「山が欲しい」という若い頃からの夢を捨ててほしくはない。それを今から叶えるのであれば、平坦で安全な「山」を用意したって良いじゃありませんか。
……話が逸れました。要するに「誰もが異論なく『山』と呼べる場所を銀座に作り出そう」ということです。そのためには、言葉の定義を 弄ぶ 編集する必要があります。一体どうすれば良いのでしょうか。
突然ですが、皆さんは島崎藤村の『夜明け前』という作品をご存知でしょうか。今どきは読んだことのない方も多いでしょう。私も読んだことはありません。
しかし、この有名な冒頭の一文は、見覚えのある方も多いのではないかと思います。
木曽路はすべて山の中である。
この僅かな文章から導き出せることがあります。木曽路はすべて山の中である、つまり「木曽路」という場所は「すべて山の中である」とするならば、銀座に「木曽路」があれば、そこは「山の中」であり、つまり「銀座=山」が成立するのです。
というわけで、銀座の中に木曽路がないか調べたところ、すぐに見つかりました。
木曽路 銀座五丁目店。
しゃぶしゃぶのお店である木曽路が、銀座の中にありました。そして先程述べた通り、木曽路はすべて山の中であるわけですから、木曽路がある銀座は、山と言えるわけです。
これで晴れて「銀座=山」が証明され、吉幾三さんの悲願であった「銀座に山買う」という行動が、理論上可能になりました。
「山」と呼べる広さとは
しかし、「山を買う」と言っても、山の中のごく僅かなスペースを買ったところで、それは「山を買った」とは言い難く、むしろ「山の土地を買った」と表したほうが良いように思います。もっとだだっ広い範囲、或いはまるごと全てを我が物にすることこそが、「山を買う」という言い回しに相応しいのではないでしょうか。
では、最低限「山を買った」と言える範囲は、一体どれくらいなのでしょうか。手近な例を探してみます。
山を買った人の中で最も有名なのは、恐らくこの人でしょう。お笑いコンビ・バイきんぐの西村瑞樹さんです。
西村さんは、自身の趣味であるソロキャンプのために、群馬県内の山を購入しています。ニュース記事によれば、その広さは455坪。テニスコート6面ほどに相当するそうです。つまり、このくらいの広さの土地を購入すれば「山を買った」と表現して良い、というわけです。「お前、テニスコート6面分しか買ってねえじゃねえか」とツッコまれても、「でも、バイきんぐの西村さんも同じくらいの範囲で『山を買った』と言ってたよ」と言い返せば「ぐ、バイきんぐの西村さんがそう言ってんなら……」となるはずです。
というわけで、銀座に455坪以上の土地を購入することができれば、吉幾三さんは「銀座に山買う」を達成することができます。やった!
結論
吉幾三さんの「銀座に山買う」という夢は、
島崎藤村『夜明け前』を根拠とし、「山」の定義を変更したうえで、
バイきんぐ西村さんの経験を参考とし、銀座に455坪以上の土地を買う
という簡単なツーステップを行えば、達成できる。
終わりに
というわけで、吉幾三さんの夢かなえたろかスペシャルをお送りしました。
ところで、最後に一つだけ残った疑問に、「では、銀座に山を買うにはいくらかかるのか?」というものがあります。これも計算してみましょう。
奇しくも、先ほど登場した木曽路が存在する銀座5丁目(鳩居堂前)の地価は、2025年時点で40年連続日本一となっています。その額なんと、1平方メートルあたり4808万円(参考リンク)。1坪を約3.3平方メートルとして計算すると、4808×3.3=15866.4、つまり1億5866万4000円となります。
それを踏まえると、これから銀座に455坪の土地を買うためには、1.58664×455=721.9212、つまり721億9212万円が必要になります。びっくりするような高額になってしまいました。
とはいえ、彼だって銭コア貯めでるわけですし、これくらいはどうってことないでしょう。彼が銀座に山を買い、存分に本当のゴルフを楽しめる日が来るのを、今から楽しみにしております。
というわけで、この記事は以上になります。お読みいただきありがとうございました!
銀座に山を買わせてあげるためにも、この記事が気に入った方はチップ機能でご支援いただけると幸いです。