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【あとがき】 聖域を去る日

    この物語を最後まで読み続けてくださった方へ、まず、ありがとうと言わせてください。

    お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、作中ではいくつかの詳細な設定やエピソードの描写を省略しております。

    例えば、浅井校長の退任後、後任の二人の校長がなぜ離職したのかという点です――
    一人は学校の総残存予算の額に驚愕して辞任し、もう一人は仕事の進め方が菊田と合わず、衝突して辞任しました。

    緊迫した展開が続いたため、少し息抜きとなるような内容が不足しておりました。

    大介が退職前に学校を代表してホストを務めた「日台学校交流活動(教員・生徒交流会)」のエピソードなど、これらはまた将来、エッセイなどの形で皆様に共有できればと考えております。

    最終話については、結末がやや急ぎ足になってしまったという心残りがあります。

    特に「私学ハゲタカ(私立学校の買収・合併を専門とする財閥)」に関する描写は、一言触れるにとどまりました。

    しかし、この財閥の具体的な暗躍を描き込みすぎると本筋から逸脱する恐れがあり、内容自体も非常に複雑であるため、これについてもまた後日、改めて皆様にお話しできればと思います。

    最終話が悲劇的な結末となったことへの心残りもあります。

    現実を忠実に描くならば、教育関係者が潤沢な資金力を持つ三大財団に対抗することは極めて困難ですが、決して不可能ではありません。

    何より、皆が離職した後にそれぞれの道を歩み、各自が順調に再出発を果たしているため、新たな物語を展開する余地(新展開)もあります。

    読者の皆様が興味を持たれるかどうかにかかわらず、彼らへの感謝と祝福の意を込めて、ここで補足説明を加えたいと思います。

    登場人物のその後の動向

    • 教育相談室主任代理・小林信二:離職後、北部の公立中学校の教員採用試験に無事合格しました。

    • 教務処係長・佐藤雅子:離職後、大学のプロジェクトアシスタントとして採用されました。

    • 教務主任・高橋信雄:離職後、別の市の私立高校へ移り、引き続き教務主任に就任しました。

    • 会計主任・石崎博美:離職後、北部の私立女子高校にて、引き続き会計主任を務めています。

    • 石原夫妻(人事・総務):妻は離職、夫は退職手続きを行い、悠々自適な引退生活を送っています。

    • 学務主任・千葉奈緒:離職後、大学院の博士課程に進学しました。

    • 鬼頭加子:最終的に復職を果たしたものの、校内に彼女の仕事は一切なく、1年後に退職しました。一方、真の黒幕であり、作中に名前すら登場しなかった人物が、そのまま学校に残り、人事主任を務めています。

    • 阿部宏(鬼頭加子の宿敵):かつて理事会の「賄賂の仲介役」として不正に加担し、他校赴任後も校長職を辞任に追い込まれました。

    • 菊田理事長:業務上横領などの罪で懲役4年の実刑判決を受け、理事長職を辞任。息子の菊田正盛はアメリカに戻り、本来の弁護士業を続けています。

    • 秘書室長・菊田千夏:出国制限処分を受け、学校には留まったものの、生徒募集の業務に配属。オフィスは校門横の守衛室の隣へと強制的に移されました。

    • 理事会秘書・富樫勝平:認知症を患う父親である富樫理事に収賄の罪を擦り付けようとしたものの、最終的に収賄罪での有罪判決が確定しました。

    • 前校長・浅井富藤:退任後まもなく現場へ復帰し、第10話で描写された通り、高校と職業学校を併設した学校の副校長に就任しました。しかし、実質的にはその学校の校長としての実権を握っています。

    • 申大介:離職後、浅井校長の招きに応じ、彼の赴任先となった学校で共に新たなスタートを切り、次の物語(新展開)へと踏み出しました。

    私は創作活動を好んでおりますが、一方で学校における煩雑な指導業務や校務にも携わっております。

    本作を無事に完成させることは、私自身のささやかな念願の一つでした。

    改めて読者の皆様のご支持に感謝申し上げます。

    皆様からの励ましこそが、私が創作を続けるための大きな原動力です。

    ご感想など、どうぞお気軽に残していってください。

    もしかすると、次作のストーリーでは、より多くの幸福や喜びに満ちた場面をお届けできるかもしれません。

     
     
    台湾の現役高校教師・蓬莱先生。今も現場に立ち続けて20年。その経験から生まれた「実録的フィクション」を執筆中。

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