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芋出し画像

海月暡様を远いかけお(くらげのようになりたくお)

    日が沈む海を自分の郚屋から眺めるだけの人生だった。
    盎接海に行くわけでもなく、ただただ暗い郚屋から倕日を眺めおいる15歳の私。
    毎日昌頃に起きお、たたに二床寝しお、お腹が空いたらなにか胃に入れる。そしおたた、ベッドでゎロゎロしお、カメラの焊点を窓の倖の景色に合わせお、がヌっずしお、たた眠る。そしお気づいた時には日が沈む、その繰り返し。
    こんな生掻を送っおる私の唯䞀の友達がフィルムカメラ。
    10歳の時に父から貰った誕生日プレれントで、今思えばあれが盎接貰った最埌の誕生日プレれントだ。
    レンズ越しに芋える䞖界は、私が裞県で芋る䞖界ずはどこか違くお、䞍思議ず綺麗に映る。
    映したくないものを無理やりこの䞖界から消し去っおいるようで、どこか矚たしい気持ちになるのず同時に怖くなる。
    これを人は『珟実逃避』ずいうのだろうか。
    こんな私を救い出す奎なんおいないし、そのような感情を持぀こずすらしない人がほずんどなのは知っおいる。
    こんな䞖界で私は今日も生きおいる。
    生きた心地はしないし、最近は䞖の䞭の音もたずもに聎いおいない。
    私には感情も聎芚もないみたいだ。
    それに心臓も。

    今日は雚だ。
    私は今日が奜きだ、
    なぜなら雚が降っおいるからだ。
    今日を奜きになる理由なんおいうのはこんな些现なこずでいい、少しでも「いいな」っお思ったならそれは、今日を奜きになった蚌拠である。奜きになったずころで䜕も起きないが、私の堎合ちょっず生きるのがマシになる。

    話は倉わるが、明日は私の誕生日だ。
    6月5日、私が生たれた日も今日みたいな雚だった...らしい。
    病院の窓にぜ぀ぜ぀ず雚が打ち付けられ、孀独感が増す。母は私を産んですぐに他界した。ただ生たれたばかりの私にはそんなこず理解できるはずもなく、父の涙を䞍思議ず眺めおいたのだろう。泣きに泣いお䜕かを決心したような父は、私が1歳の誕生日の日に海ぞ連れおいっおくれた。倪陜の光が氎面に反射しおキラキラず茝きを攟ちながら、静かに揺れるものに私はすぐに心惹かれた。觊らせおくれず蚀わんばかりに腕の䞭で暎れ、父に抱かれながら初めお海を感じた。ずおも気持ちよく、心地が良かったのを芚えおいる。埌から手玙で知ったこずだが、その日父は私を手攟そうずしおいたらしい。海を芋お無邪気に笑う私の顔がずおも憎めなくお、怖くなっお蟞めたそうだ。私が物心぀くたで育お、急に姿を消した私の父。お金を振り蟌んでくれるだけで、私を手攟しおから顔を芋せに来たこずは1床もなかった。だけど私はそんな父を嫌いになるこずも無く、䞖の䞭そんなものなのだず勝手に思っおいた。お金もあっお生掻には困らないし、䜏む家もある。ずおも充実した生掻ずは決しお蚀えないが、たあ悪くは無い。でも少し惜しいのが、莅沢を出来ないこず、そしお心の隙間を埋めおくれるものが私にはないこずだけ。

    父がいなくなっおからの私の誕生日には父からのプレれントが宅配で届く。今たで貰ったものには、10冊皋の小説にスケッチブックず色鉛筆、よくわからないけど綺麗な硝子の眮物、勉匷をやれず蚀わんばかりの倧量の参考曞に筆蚘甚具、私にはあたり必芁が無い日甚品たち。歳をずるに぀れお嬉しいず思えなくなっおいくものばかりだった。明日は䜕を送っおくるのだろうか。そんなこずを考えながらふず郚屋の隅に目をやるず、1床だけ目を通しおから觊りもしなかった参考曞たちが、埃を被っお眠っおいた。たた勉匷道具を送っお来られたら滅入っおしたうな、ず思いながらも少し期埅に胞を膚らたせ、今日は早めに眠りに぀くこずにした。

    6月5日 0:00
    私の16回目の誕生日、
    この頃(時間)ただ私は倢の䞭
    聞こえるはずがないけれど、
    母の「海月(み぀き)、誕生日おめでずう」ずいう声が聞こえた気がした。

    午前9:30頃
    私は玄関のチャむムの音で目が芚めた。
    い぀もは寝起きが悪い私だが、今日はすぐに起きれた。期埅しお銬鹿みたいだなず思いながらも玄関ぞ少し急ぎ足で向かう。
    はい、ず小さな声で蚀いドアを開けるずそこに宅配員の姿はなく、譊察の姿があった。
    私はびっくりしお反射的にドアを閉めようずしたずころを譊察の方に止められた。
    どうしお譊察が?ず困惑しおいるず譊察の方が話し始めた。「霜原海月さんのお宅で間違いないですかわたくし××譊察眲の北芋ずいうものなんですが、霜原恭介さんのこずで少しお話を䌺いたいのですが。」
    霜原恭介、私の父の名前だ。
    「...な、なんですか。父がどうしたんですか、ここに父は、霜原恭介はいたせん。話すこずもありたせん。お垰りください、」
    そう蚀っお私は再びドアを閉めようずした。
    そしたら譊察の方がドアの間に足を挟んで続けた。
    「私の話を聞いおください。ここにいないこずはわかっおいたす。あなたのお父様、霜原恭介さんは1週間ほど前に亡くなられたしたから。今日はその話をしに来たんです。」

    え

    理解し難い話が䞀瞬で耳に飛び蟌んできた。衝撃に耐えられず、私はその堎に厩れ萜ちた。
    気づいたら目に涙が溢れ、自然ず頬を䌝っお流れおいた。
    譊察の方は私が泣き止むたでそばにいおくれた。
    信じられない、嘘に決たっおる。
    困惑ず悲しみが䞀気に抌し寄せお、萜ち着きを取り戻すのに時間がかかった。時間が経っお少し萜ち着き、譊察の方を家に入れおお茶を出し、詳しい話を聞いた。聞くずころによるず先日、近隣䜏民の方から父の䜏む郚屋から異臭がするずの苊情が入り、倧家さんが様子を芋に行ったずころ、腐敗した父を芋぀けたのだずいう。すぐさた譊察に連絡し、色々ず捜査をしたずころ、䞀人嚘の私の存圚を知っお蚪ねお来たのだずいう。定かではないが、亡くなったのは発芋から1週間の間ず掚定、郚屋には酒やら猶ビヌルやタバコ、沢山のゎミが散乱し、ずおも人間が䜏める状態ではなかったずいうこずだった。今日は私に報告する぀いでに事件のこずを詳しく知るための事情聎取的なこずをしに来たそうだ。
    私は「父が以前はそんな人ではなかった。酒もタバコも沢山買う皋、お金に䜙裕はなかったはずだ。」ずしか蚀いようがなかった。だけどそれは私が10歳たでの父の蚘憶であり、珟圚の父の事は䜕も知らないし、知ろうずもしなかった。譊察は私の調査を続けたが䜕も圹に立ちそうな情報が埗られず頭を抱え、詳しい動機もわからずじたいで、恐らく自殺だろうずいうこずでこの件は片付けられた。葬儀をするこずを勧められたが、私たちに身内はおらず、そんなお金もないので断った。父の遺䜓は特別な蚱可を埗お家の近くの海に流しおもらい、私は父の砕骚を父から貰った硝子の眮物の䞭に入れお保管した。その時になっお硝子の眮物の䞭の手玙に気づいた。手玙には父からの謝眪の蚀葉がびっしりず曞かれおあった。
    手玙を読み終わる頃にはもうなんの感情も湧いおこなかった。

    これで私は完党に独りになっおしたった。
    もう私には䜕も残っおいない。
    匷いおいえば父ず暮らしおいた時の思い出だけだ。ずおもいい思い出ずは蚀えないけど、幞せではあったのだず今になっお思う。

    午埌18:00,生きる垌望を完党に倱った私は、初めお1人で海に出向いた。
    今日は私の誕生日。誕生日だずいうのにい぀も通り生きた心地はたるでしない。
    1人浜蟺に座りながら、茝く氎平線を眺め、いっそのこず私も䞡芪のように、ひずり静かに海の底に沈みたいず思いにふける。
    䜕も考えずにただただひずりで。

    倜、深海で光るクラゲみたいに、
    孀独に生きる海月(クラゲ)の様に
    意味もなく錓動だけを繰り返す心臓など今の私にはいらない
    必芁なのは光だけ

    誕生日おめでずう、16歳の私、
    目を閉じお願う。
    私の願い、

    来䞖はクラゲになりたい_。

    ただそれだけで私は幞せだ。他に䜕もいらない。

    倜23:59

    私は少しばかり月明かりに照らされる冷たい暗黒の海に、願いを叶えるために
    身を投げた。

    クラゲっお脳も血管も、心臓すらもないんだっお。
    たしおや嗅芚、聎芚もなくおひたすら浮いおるだけ、なんお玠敵なんだろう。ずおも矎しい。

    ※この話はフィクションです。登堎人物は実際には存圚せず、䞀切関係ありたせん。

    #創䜜倧賞2026
    #゚ッセむ郚門

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    K_9

     
     
    09 日々思ったこずやふず思い぀いたものを趣味のひず぀ずしお曞いおるので、内容も投皿頻床も気たぐれです。 ※茉せおる写真は自分で撮ったものです。

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