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HSPな記憶の始まり

    小さい頃から、肌に合わない服が巷に溢れていた。
    世の中に自分の肌に合わない服が多かった。

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    幼稚園の頃、母はよく僕にザラザラした半ズボンを履かせた。
    あの生地は、なんという名だろう?
    黒い点と白い点がごま塩のように見えた、紙ヤスリのようなザラザラした半ズボン。
    記憶にあるのは、その半ズボンをおしっこ塗れ(まみれ)にして泣いている自分だった。

    その頃の電車の駅は、とても汚かった。
    ホームの柱には、空き缶が縛り付けてあってたくさんのタバコの吸い殻が捻じ込まれていた。
    床には、ガムが貼り付いていて500円玉のようになっていた。
    汚す人たちへの怒りではなくて、無性に悲しい寂しい思いで駅を見ていた。
    『汚い世界』が無性に悲しい寂しい、
    そんな気持ちだった。

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