
大好きな我が家へ送る手紙①
我が家へ
あなたがまだ、図面の中にしかいなかった頃のことを覚えています。
どんな朝の光が差し込むのか。
どんな音が響くのか。
どんな時間が、この場所に積もっていくのか。
まだ姿のないあなたの中で、私は何度も暮らしを想像していました。
2019年の冬。
あなたは私たちの「帰る場所」になりました。
そして2026年の冬。
私たちはあなたを離れることになりました。
七年間という時間を抱えたあなたに、
さみしさと、言葉にしきれない感謝を込めて、この手紙を書きます。
あなたを設計するとき、工務店の方から「家のテーマを決めましょう」と言われました。
迷わず答えました。
「キッチンを中心にした家にしたい」と。
台所。
古い言葉では「お勝手」とも呼ばれる場所。
自由に、ひらかれていて、
誰かがいて、誰かを待っている場所。
だからあなたのテーマは、
「お勝手でくつろぐ家」になりました。
子どもたちは遠出から帰るたびに言いましたね。
「おかってちゃん、ただいまー」
家なのに、ちゃん付けで呼ばれるあなた。
いつの間にかあなたは、
一番大きな家族になっていました。
50首の短歌を二記事に分けて添えます。
























