メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像
Photo byg10

花びらを、賭けおシロクマ文芞郚

    癟舌

     春颚が螊った。
     倜桜の花びらが、はらはらず降りおきた。
     ディキャンプの焚き火は、もうほずんど熟火になっおいた。枩かだったミルクティもすっかりず冷めおしたった。
     川べりの冷気が流れおきお、僕は薪を加えるかどうかを迷っおいた。この火が消えるのを朮時に、テントを畳む぀もりでもあった。
    「ねえ、最埌にひず぀だけ、いい」ず思い詰めた声音で、圌女が蚀う。
     僕は反射的にその暪顔を芋た。
     圌女の門限ずやらは、ずっくに過ぎおいた。
    「桜の花びらが、同時に十枚萜ちおきたら・・・・」
     圌女はそこで䞀床、蚀葉を切った。
     熟火の现やかな赀が、その暪顔を揺らしおいる。
    「ちゃんず始める」
     僕は、その意味を。どちらの方向に進めるのか問うのを躊躇した。お互い、今の関係に出口がないこずくらい、わかっおいる。圌女には家庭ずいう檻があるからだ。
    「九枚だったら」
     意地悪にそう聞く。

     圌女は少しだけ笑った。県は笑っおはいなかった。
    「その時は、ここたで」

     ふいに颚が巻いた。
     ひらり、ひらりず花びらが宙を流れおいく。
     䞀枚、二枚、䞉枚・・・
     数えながら、どちらでもいい、無為なこずだず思った、いや、どちらでも未来が存圚しないから、こんな賭けをしおいるのだず。
    「残念。今のは、八枚だった」
    「惜しいね」
     蚀葉に嘘が混じらないようにお互いに神経を䜿う。䌚話は軜いのに、途切れる沈黙は重かった。

     やがお、垰ろうか、ず蚀いかけたその瞬間。
     かなり匷い颚が吹き抜けお花びらが、いっせいに舞いあがった。
     䞀枚、二枚、䞉枚、四枚・・・・・九枚。
     あず䞀枚。
     その瞬間、焚き火の残り火から立ちのがる煙に乗っお、遅れお䞀枚が降りおきた。
     ・・・十枚目。
     ふたりずも、数え終えたのに声を出さなかった。
     圌女が、先に溜め息を぀く。
    「・・・今の、ずるい気がする」
    「そうだね」
     認めるのを、お互いが怖がっおいるように感じる。煙に乗った花びらなんお、偶然ず蚀えば偶然だ。でも、偶然にしおは出来すぎおいる。
     少しの沈黙のあず、蚀葉を継いだ。
    「やめる」 
     圌女は銖を暪に振った。
     それから膝を抱えおそこに顔を抌し付けた。
    「・・・・やめない」
     くぐもったその答えを聞いお、僕は初めお笑った。
     䞖間を取り繕う逃げ道は、もう莅沢すぎる遞択だず思った。もう堕ちるずころたで堕ちおいる。
     颚は止むず花びらは時折、静かに緩慢におりおくる。圌女を肩に手を眮いおこちらに抱き寄せた。さっきの十枚目が、本圓だったのかどうか。もう、確かめる必芁はなかった。


    この蚘事が参加しおいる募集

     
     
     

    癟舌

     
     
    様々の人生を経お、移䜏先の離島からさらに移䜏しお、阿蘇山麓で暮らしおいたす。 教え子の導きで再び小説を曞き始めたした。盞倉わらずの憑䟝タむプの物曞きなので、第䞀行を曞いたずきに物語の終盀は芋えおいたせん。 自ら物語っお、最初の読者になるずいう至犏な糧を埗おいたす。

    あなたぞのおすすめ