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計算だけではない公文式とそろばんの価値 - AI時代の子どもたちへ

    冴月練

    私は幼稚園から中学3年まで、公文式の算数・数学をやっていました。
    幼稚園の時、泣きながら掛け算九九を覚えたのは、今でも嫌な思い出です。

    また、一時期公文式の教室で、採点のバイトをしていました。


    そろばんは小学校で少し習っただけで、本格的に学んだことはありません。
    そろばんについては、調べたことを前提に書きます。


    このnoteでは、そんな私が公文式の計算と、そろばんの計算を比較考察しようと思います。
    実体験の差で、公文式について語ることが多いと思います。


    第1章:公文式の計算


    公文式は国語、算数・数学、英語を扱っています。今回は算数・数学に焦点を当てます。


    公文式の学習は課題のプリントを解くのが基本スタイルです。
    先生から解き方を教わり、あとは基本一人でプリントに取り組みます。
    終わったら先生にプリントを提出し、採点してもらいます。

    待っている間に、宿題の間違い直しをします。


    宿題も今日の課題も、100点になるまで取り組みます。

    あっさり満点が取れればすぐに帰れます。
    間違いが少なければ、負荷は軽いです。
    しかし、どうしても全問不正解のような日があります。
    解法を理解していないということなので仕方ないのですが、これは子どもには辛い状況です。再提出しても点数が変わらないと、幼い子は泣き出すこともあります。ここは先生のフォロー能力が問われる局面だと思います。

    頑張って全てを100点にして、「今日の勉強は終わり」ならまだ良いほうです。迎えに来た親御さんが待たされたことにいら立って、「どうしてこんなに時間がかかったの?」と子供を詰める場合があります。
    あんなに頑張ったのに……。諦めずに最後まで取り組んだのに……。見ていて辛くなります。


    ネガティブなことばかり書いたけど、公文式の学習は確かに有効です。
    ただし、後述する条件があります。


    私は基本、2学年ほど上の内容を公文式で取り組んでいました。
    負荷は大きかったです。辞めようと思ったこともあります。それでも、励まされて続けました。


    若い頃の私の算数・数学の能力はかなり高かったと思います。
    数学に限るならば、私の成績は常に上位でした。

    私は中学卒業後、高専(高等専門学校)から国立大学工学部編入という進路をたどりましたが、数学はいつも私を助けてくれました。

    定期テストで答案を返され、不正解がついていると、私はまず教師のほうが間違っていると思っていました。そして、だいたいその通りでした。
    これらができたのは、計算力に余裕があったからです。計算にリソースを取られないから、他のことに気を使えたし、見直す時間を確保できました。



    第2章:そろばんの計算


    そろばんは基本的に「そろばん」という道具を使って計算します。
    一人で問題にも取り組みますし、先生が読み上げる数字を計算する場合もあります。

    ここで鍛えられるのは、「そろばん」という道具の使い方です。それは、「体で覚える」という側面が強いと思います。ある意味、スポーツに通ずるものがあると思います。


    そして、もう一つ重要なのは、そろばんを自分の頭の中に作り上げることです。

    「HUNTER×HUNTER」(冨樫義博)という漫画があります。
    この漫画では「念」という能力が出てきます。念の中に「具現化系」という系統があるのですが、頭の中にそろばんを作るのは、これに似ていると思います。

    頭の中にそろばんができることで、高速の暗算が可能になります。

    計算力とともに、ビジュアライゼーション(視覚化)を鍛える。
    これがそろばんを学ぶメリットだと思います。



    第3章:公文式とそろばんの長所比較


    ■ 公文式
    四則演算だけでなく、文字式、方程式、因数分解なども学びます。
    これらは学校の勉強にも役立ちます。

    ■ そろばん
    暗算のスピードと精度が向上します。高いレベルでそろばんを身につけている場合、四則演算に関しては公文式よりも圧倒的に速いです。



    第4章:公文式とそろばんの短所比較


    ■ 公文式

    計算問題に対しては強みがありますが、三角形の合同証明のような問題はやりません。
    私も初めて合同の証明問題を見たときは、かなり戸惑いました。今までの計算問題とは全然違ったからです。むしろ計算力はあまり必要とされません。
    解けるようになるには、練習が必要でした。

    ■ そろばん
    四則演算は速くなりますが、方程式や因数分解はやりません。
    これらについては、自分で勉強する必要があります。
    苦労する子もいると思います。



    第5章:勉強に取り組む姿勢


    公文式、そろばん。どちらにも言えることですが、集中力を高めて取り組まないと、効果はあまりありません。


    公文式は、教室に先生はいますが、基本的に自主学習です。集中して取り組むかどうかは、本人しだいです。特に友達とふざけてしまう子は、効果は薄いと思います。


    そろばんも集中力が大切です。ぼんやり取り組んでいたのでは、何をしているのかわかりません。
    ただ、そろばんという道具が手元にあるので、若干集中しやすいように思います。
    あとは、先生の雰囲気作りが大事ですね。


    集中力は鍛えることで高まります。
    遊ぶときと勉強するときで、切り替えが必要なことを、子供によく理解させる必要があります。



    第6章:脳から見る公文式とそろばん


    算数・数学に関していえば、公文式は左脳を特化して使います。
    計算力と論理力を鍛えることができます。

    そろばんは、左脳と右脳をバランスよく鍛えることができます。
    計算だけでなく、頭の中にそろばんを作って使う行為が右脳を鍛えてくれます。



    第7章:AI時代に公文式、そろばんを習う意味


    計算力だけで判断するなら、公文式もそろばんもパソコンどころか電卓に負けます。
    線形代数、関数、微積分で考えても、MATLABやRといった計算を得意とするプログラム言語を使われたらコンピューターの圧勝です。

    それどころか、AIが急速に進化しています。
    MATLABやRを使うのにはそれなりの知識が必要でしたが、AIは自然言語で命令が可能です。もはや、人間の計算力だけで価値を見いだすのは困難です。


    「受験勉強に役に立つ」ということを除けば、今の時代に公文式やそろばんを学ぶ価値はあるのでしょうか?

    私はあると思います。
    それは脳を鍛える効果があるからです。
    公文式なら左脳に特化して鍛えられる。
    そろばんなら左右の脳をバランスよく鍛えられる。


    AI時代で大事なのは、疑問を持つ、課題に気づく、問いを立てるということではないでしょうか?
    それはAIにはできないことです。AIは情報を整理し、計算し、模倣はできますが、「なぜそれをやるのか?」という問いを持つことはありません。

    それには知識も必要ですが、もっと基本となるのは脳力です。
    公文式もそろばんも脳力を鍛えられます。


    そして、集中力は何かを学ぶうえで、何かに取り組むうえで、大切な力です。
    公文式やそろばんで、課題に集中して取り組む習慣ができていれば、集中力は育っていきます。


    とはいえ、人には向き不向きがあります。
    私は、勉強をするタイミングは人によって違う、と思っています。子どもの時は勉強が大嫌いだったのに、大人になってから勉強に興味を持つようになる。それで良いと思うし、それが認められる社会であってほしいと思います。

    それでも、公文式の効果を実感している一人として願います。
    公文式やそろばんの教室で、子どもたちが集中して課題に取り組みますように!


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    社会への違和感と好奇心を種にエッセイ、小説、詩を書いてます。 路傍の哲学エッセイスト。 【小説】 ライト文芸を中心に書いています。 軽やかな掛け合いの中に、ちょっと考えさせられるテーマを忍ばせるのが好きです。 短編を積み重ねながら、物語世界を広げていきたいです。

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