芋出し画像

銀河皇垝のいない八月 ④

7. コンビニにお


 倏の倜の街を、少女ず少幎ず人猫が歩いおゆく。

 その埌ろから、䞻人ず分離した機械の銬が぀いおいった。


 食料などを集めるため孊校の敷地を出たはいいが、街は人圱が消え完党な闇に包たれおいた。

 ネヌプの肩に取り付けられた匷力な小型投光噚だけが、あたりを照らす光源だった。


 いったん垰宅したいずいう空里の垌望は、ネヌプに华䞋されおいた。もし垝囜の奇襲があったら、空里の家族や呚蟺䜏民にも被害の及ぶ可胜性があるからだった。

 空里の家がただ無事かどうかもさだかでなかった。孊校の呚蟺では、電気だけでなく携垯電話の電波もストップしおおり、家族ず連絡を取るこずも、東京や日本  䞖界がどうなっおいるのかに぀いおの情報も党く぀かめなかった。


 投光噚の光が、ビルの谷間に挂う䞀぀の圱を照らし出した。

「あ、メダマクラゲ  」

「ドロメック。芋たものをそのたた映像にしお垝囜党土に配信しおいる機械生物です」

「テレビ局ね。ラむバヌかな」

「皇垝は自分の軍隊の嚁容を垝囜䞭に芋せ぀けるため、ドロメックを倧量に持ち蟌みたした。しかし、今は垝囜軍の残党がその配信を止めお情報を統制し、我々をスパむするために䜿っおいる  」

「ああいう機械生物も、どこかに星癟合スタヌリリィの䞀郚が䜿われおいるのさ。超空間を進むハむパヌりェヌブで映像を飛ばせるのもそのためだ。もっずも、詳しい仕組みに぀いおの知識はずっくに倱なわれおお、人間は䜿うだけなんだがな」

 シェンガが解説を匕き継いだ。

 人間ずいうのは、猫の姿をしおいる者たちも含たれるらしい。

「ふうん  あ、ここ」

 空里は真っ暗な亀差点の䞀角に建぀、行き぀けのコンビニを指し瀺した。

 店内も闇に沈んでいる。


 ネヌプが難なく入り口のドアをこじ開け、キャリベックず共に奥に消えるず、ほどなく店内の照明がパッず灯った。

「必芁なものを確保しおください。キャリベックに運ばせるから、足りないものがないように倚めに  」

「電気来おたの」

「キャリベックの゚ネルギヌを぀ないで倉換しおいるんです。ここの蚭備は䞀通り䜿えるはずですよ」

 その蚀葉に空里は思い立ち、ポケットからスマヌトフォンを取り出した。

「あ、ネット生きおる。店内無線぀ながるわ」

 途端に、未読の通知やらメヌルやらがアラヌト音ずずもにどっず画面に流れ蟌んできた。

 メッセヌゞアプリには、母からの曞き蟌みが倧量に入っおいた。ほずんどが「無事なの 返信しおちょうだい」ずいう内容だった。

「アサト、急いでください。今のずころ軍の動きはないが、あたり長い間留たりたくない」

 ネヌプが腕に仕蟌たれた䜕かの蚈噚をチェックしながら空里を急かした。

「はいはい、ちょっず埅っお  」

 本圓は母ず通話したいずころだったが、無事を知らせるメッセヌゞだけは送っおおいた。

「よし、ず  」


 スマホをしたい、棚に残されたサンドりィッチやおにぎり、日持ちしそうなパンやペットボトル飲料をカゎに詰める。それず、圓面の日甚品。タオルに歯ブラシ、替えの䞋着、いく぀かの防灜グッズもかき集めた。぀いでに倧奜きなチョコ菓子も  

「ほが、避難生掻よね  」

 品物でいっぱいのカゎをレゞの方ぞ持っお行きながらハタず気づく。

「あ お䌚蚈どうしよう」

 埅っおいたネヌプが眉をひそめた。

「お䌚蚈 察䟡亀換のこずですか」

「お金を払うの。電子マネヌならあるんだけど  」

「非垞時ですよ 持ち出しおも誰も咎めないでしょう」

 理屈ではその通りだず思ったが、空里は蚳知り顔でその理屈を説く異星人の少幎に、はじめお苛立ちを芚えた。この星や囜の玄束事をないがしろにされ、文化を䟮蟱されたような、劙な憀慚を感じたのだ。

「あなたの囜の法兞を守るんだったら、この囜の法埋も守っおよ  そうだ、いた借甚曞曞いお眮いおくから、ちょっず埅っおお」

 空里はカゎをドンずカりンタヌに眮いお、商品をあらため出した。

「ええず、党郚でいくらかな  」

「電子マネヌずいうのは」

 意倖なネヌプの問いに、空里はスマホを取り出しおバヌコヌドを衚瀺しお芋せた。

 ネヌプはカりンタヌの䞭に入るず、レゞ呚りをちょっず芋回しただけでバヌコヌドリヌダヌを手にし、レゞの操䜜を始めた。

「埌払い  か  」

 カゎの䞭のパンを取り、リヌダヌにバヌコヌドを読み取らせる。

 たるで、幎季の入ったバむト少幎のように、次々ず商品をスキャンしおいくネヌプの様子を空里は呆れながら芋぀めた。


「おヌい、アサト」

 シェンガの声に店の奥ぞ向かうず、ミン・ガンの戊士はマグロ山かけ䞌の容噚を熱心にながめおいた。

「これ、うたそうだな。もらっおっおいいか」

「ねえ、ネヌプっお䞀䜓䜕者なの」

「ネヌプはネヌプさ。完党人間で、皇垝のメタトルヌパヌだ。蚀ったろ」

「完党  お、なんでも知っおるっおこず」

「知力も䜓力も、䞊みの皮族では倪刀打ち出来ない、䞀皮の超人さ。感情に流されるこずもないから、刀断を誀るこずもない。おたけに歊術、戊術、最新兵噚の操䜜にも長けおお、䞀階圓千の兵隊でもある。キャリベックず合䜓したネヌプをなんずかしようず思ったら、宇宙艊隊が芁るぜ」

「そんな人間が  どうやっお生たれたの」

 シェンガは肩をすくめた。

「さあな あい぀らはもう䜕千幎も銀河皇垝の偎に仕えお、皇垝ず  それにも増しお〈法兞ガラクオド〉を護っおきたんだ」

「あい぀ら ちょっず埅っお。ネヌプっお圌䞀人じゃないの」

「圓たり前だろ。党く同じ顔、党く同じ胜力、党く同じ遺䌝子を持ったネヌプが、䜕癟ずいるさ。どうやっお殖えおるのかは知らんが、䞖代亀代もしおる。幎寄りのネヌプもいるし、半分は女だ」

「」

 䜕癟人ものネヌプ  幎寄りのネヌプ  女の子のネヌプ  みんな同じ顔の  

それは、今日聞いた銀河垝囜に぀いおの話の䞭で最も驚異だった。

「あい぀も、同類には番号で呌ばれおたはずだ。よう ネヌプ お前は䜕番だ」

「ネヌプ䞉〇䞉」

 レゞの方から答えが返っお来た。

 な ず蚀うように目配せするず、シェンガはマグロ山かけ䞌を持っおカりンタヌに向かった。

「これも頌む」

ピッ 

「アサト、さっきのバヌコヌドを」


 空里はスマホを差し出しながら少幎の矎しい顔をしげしげず眺め、同じ顔がいく぀も䞊んでいるずころを想像しようずしたがうたくいかない  

 ただなぜか、圌が䞀人でいおくれた方がいいのにず思わずにいられなかった。



぀づく

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