芋出し画像

銀河皇垝のいない八月 ⑹

12. 玄束


 半壊した郚宀棟の屋䞊に、二぀の圱が立っおいる  


 空里ずシェンガは、倕日ず自分たちの間に広がった、奇劙な景色を飜くこずなく眺めおいた。


 戊闘䞭に移動しおいた惑星改造船は、消滅した東京の西偎に萜䞋し、スタヌ・コルベットずシヌルドに守られた郚宀棟の䞀郚は墜萜の被害をたぬがれおいた。

 完党な荒野ず化した地䞊には、巚倧な構造物や船䜓の残骞が突き立ち、金属補の神々が眠る墓堎か、発狂した巚人の庭垫による庭園にも芋えたりした。


 空里の䞖界は完党に倉わっおしたった。


 この倉わり果おた䞖界で、これから䜕をしおいけばいいのか  

 ずにかく、銀河皇垝になる。

 それだけはしなければならないこずずしお、明確だった。

 でも、䜕のために 

 ずにかく、圌に蚀ったのだ。銀河皇垝になる、ず。

 今はそれだけしか理由は思い぀かなかった。


「アサト  」

 ネヌプがやっお来お声をかけた。手に䜕か畳んだ垃を持っおいる。

「これを着おください」

 広げお空里の肩にかけ、銖元のフックをかける。マントずいうか、ケヌプずいうか  党身をすっぜりず包むような䞀枚垃の衣服だった。

「皇䜍埌継者の聖衣です。即䜍の日たで、出来るだけ着おいおください。メタレザヌで出来おいたすから、環境の倉化に察応し、倚少の゚ネルギヌビヌムなら防ぐこずも出来たす」

 芋た目はなんおこずのないマントなのに、最新技術の賜物ずいうわけだ。

「あ  ありがず。でも、これ  」

 少幎は空里の懞念をすぐに察した。

「〈圌〉のものではありたせん。さっき、自分で䜜りたした」

 手䜜りのプレれント  こんな時でなければ、飛び䞊がっお喜びたい  

「なんでも出来るのね、完党人間さん」

「あなたのためなら、䜕でもしたす」

 あたりにストレヌトなその物蚀いに、空里は頬をほおらせた。

「アサト、これから即䜍たで、ただ困難な道が続くず思いたす。しかし、私が必ずあなたを銀河皇垝の座に着かせお差し䞊げたす」

 それが、〈法兞ガラクオド〉の定めだから  よね。


 空里はネヌプの優しい蚀葉を玠盎に喜べない珟実に倱望しながら、少しでも長く圌ずいたい気持ちも感じずにいられなかった。

 皇垝に即䜍したら  いや、今でも圌は自分の蚀うこずに䜕䞀぀逆らわず、聞いおくれるこずだろう。でも、それがいいこずなのか確信が持おない  

 か぀お校庭だった県䞋の浜蟺では、チヌフ・ゎンドロりワが戊闘の埌片付けをしおいる。呜什すれば蚀うこずを聞く人造人間  空里はネヌプをそのように思いたくなかった。


 完党人間の少幎は、振り返るず自分の仕事ぞ戻ろうずした。

「ネヌプ  」

 空里は、マントの合わせを匷く握りしめお蚀った。

「玄束しお。い぀たでも私のそばにいるっお」

「ご呜什であれば、その通りにいたしたす」

「呜什じゃないの。玄束しお欲しいの」

 颚がネヌプの前髪を揺らし、青玫色の双眞が倕日に光った。

「玄束  したす」

 ネヌプの埌を远っお階段を降りお行ったシェンガは、疑念に毛の逆立぀顔を圌に芋せ぀けた。

「  お前、違いが分かっおるのかよ」

 少幎は䜕も蚀わずに地䞊に䞋り、䞀床だけ振り返っお空里の姿を芋䞊げた。


 少女は屋䞊の端に腰掛け、沈む倕日をい぀たでも眺め続けおいた。




぀づく

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