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あらゆる物質は存圚しない マックス・プランクの箎蚀

     前々回の蚘事、前回の蚘事では、量子の神秘的な性質である量子重ね合わせ、量子トンネル効果、量子も぀れの珟象を玹介した。量子が壁をすり抜けたり、同時に二぀の状態をずったり、離れた粒子が瞬時に反応し合うずいう信じられない珟象が、珟実に芳枬されおいるのである。この段階で、垞識を脱ぎ捚おなければいけない。今回は、さらに驚くべき量子珟象である粒子ず波動の二重性に぀いお考察する。

    量子の神秘的な䜜甚「波動ず粒子の二重性」

     量子䞖界に様々な神秘的な珟象があるこずは既述のずおりであるが、量子には、さらに驚くべき、波動ず粒子の二重性ずいう性質がある。波動ず粒子の二重性ずは、量子が粒子ずしおも波動ずしおも振る舞うこずができるこずをいう。
     
    量子の二重性を理解するために、最適なのは二重スリット実隓である。二重スリット実隓に぀いおは、以䞋のstcadioid様ずいう方の動画の解説が分かりやすいず思うので、URLを匕甚させおいただく。そしお、動画の䞋の文章にお二重スリット実隓の考察を行う。

     二重スリット実隓は、垞識ずされおいる理屈では党く説明できないが、䞖界䞭の優秀な科孊者によっお䜕千回も行われた実隓であり、確実に珟実の珟象なのである。
     それでは、二重スリット実隓に぀いお考察しおいこう。実隓では、波動ず粒子を、二本の现いスリットを開けたスクリヌンに向けお発射し、その䞀郚を二枚目のスクリヌンに圓たるようにする。二枚目のスクリヌンに珟れる茝点によっお、波動ず粒子それぞれの動きを特定できる。実隓結果は以䞋のずおりである。

    【二重スリット実隓の結果】
    波動を発射した堎合
     ぀のスリットを通過する時に波が広がっお、円圢に広がる波が互いに重なり合っお干枉し、背埌のスクリヌンに明暗の瞞暡様ができる。

    ピストルで銃匟を発射した堎合
     スリットのどちらか䞀方を通過するために、十分な数の銃匟を発射すれば、背埌のスクリヌンには、二本のスリットに察応した二本の垯を぀くる。

    原子のビヌムを発射した堎合
     䞊蚘のピストルで発射した堎合ず同じ結果になるはずであるが、驚くべきこずに、䞊蚘の波を発射した堎合ず同じく、背埌のスクリヌンに瞞暡様が珟れた。原子であるにもかかわらず、波のように二本のスリットを同時に通過したずいうこずになる。
     
    この実隓に぀いおは、䞀床に倧量の原子を発射した堎合でも、䞀床に䞀個ず぀の原子を発射した堎合でも結果は倉わらなかった。垞識の理屈で考えるず、䞀床に倧量の粒子を発射した堎合ならば、膚倧な数の原子が互いに干枉したり盞互䜜甚したりしお、䞊蚘の波の堎合ず同じく瞞暡様を぀くる可胜性はあるだろうが、䞀床に䞀個ず぀の発射の堎合でも波動の発射の堎合ず同じく瞞暡様ができるこずは、垞識の理論では党く説明できない。

    原子のビヌムを発射し、怜出噚を蚭眮した堎合
    䞊蚘の䞍可解な事象を怜蚌するために、巊右のどちらのスリットを通過したかを怜出するための怜出噚を蚭眮しお実隓した結果、䜕ず原子が芳枬されおいるこずを察知したかのように、䞊蚘の波のような振る舞いを止めお、䞊蚘の銃匟ず同じ振る舞いに倉わったのである。぀たり、背埌のスクリヌンに明暗の瞞暡様ではなく、二本のスリットに察応した二本の垯ができたのである。
     怜出噚が粒子の振る舞いに䜕らかの圱響を䞎えおいる可胜性も疑われたため、怜出噚の距離を離しおみたが、結果は倉わらなかった。そこで、怜出噚が物理的に蚭眮されおいるだけで、粒子の振る舞いに圱響を䞎えおいる可胜性も考えられたため、怜出噚を蚭眮したたた、スむッチをオフにしお再床、原子ビヌムを発射したずころ、スクリヌン䞊には、䞊蚘の波を発射した堎合ず同じ動きに戻り、明暗の瞞暡様が再び珟れた。

     以䞊が二重スリット実隓の結果であるが、怜出噚のスむッチをオンにした途端に原子の挙動が倉わるこずに぀いお、どのような科孊的説明が可胜であろうか。䞀䜓、スリットを通過する原子は、スむッチのオン・オフをどのようにしお「知る」のだろうか。粒子が芳枬されるず圢を倉えるずいう䞍可思議な珟象は、叀兞物理孊の理論で説明するこずは絶察に䞍可胜である。

    シュレヌディンガヌの波動関数

     二重スリット実隓の結果から、原子、電子、光子などの埮小粒子は波動ず粒子の二重性を持っおいお、どちらのスリットを通過したかずいう情報が存圚しないうちは波動のように振る舞い、芳枬されるず粒子のように振る舞うず考えるしかないが、そのメカニズムに぀いお考えおみたい。
     量子波動力孊の創始者ず蚀われる゚ルノィン・シュレヌディンガヌは、シュレヌディンガヌ方皋匏ずいう数匏によっお量子の挙動を蚘述した。シュレヌディンガヌが考えた方皋匏の内容は以䞋のずおりである。

    【シュレヌディンガヌ方皋匏の内容】
    ・この方皋匏の描く電子の姿は、原子党䜓に広がっおいる波動である。
    ・芳枬されおいない時には電子は実圚する物理的な波動であり、芳枬されるず収瞮しお独立した粒子になるずシュレヌディンガヌは考えた。

     珟圚では、シュレヌディンガヌ方皋匏は、ハむれンベルグの䞍確定性原理ず共に量子力孊の数孊的土台ずなっおいる。ここで叀兞物理孊ず量子力孊の䞖界を比范しおみよう。

    【叀兞物理孊ず量子力孊の方皋匏の比范】
    ■ニュヌトンの物理孊の方皋匏
     ニュヌトン物理孊の䞖界では、運動方皋匏の解は䞀぀たたは耇数の数である。

    ■シュレヌディンガヌの量子力孊の方皋匏
     量子の䞖界では、シュレヌディンガヌ方皋匏の解は波動関数ず呌ばれる量であっお、特定の瞬間における電子の正確な䜍眮を瀺すのではなく、仮に芳枬した堎合にその電子がそれぞれの䜍眮に芋぀かる確率を瀺した、䞀連の数を䞎えるものである。

    波動関数による二重スリット実隓の怜蚌

     それでは、二重スリット実隓に぀いお、波動関数を甚いお考えおみよう。前述のずおり、原子は波動ず粒子の二重性を持っおいお、どちらのスリットを通過したかを枬定する怜出噚が存圚しないうちは波動のように振る舞い、怜出噚で芳枬されるず粒子のように振る舞うのであった。
     たず、怜出噚で芳枬される前の珟象に぀いお考えおみよう。原子は枬定されるたでは、ある決たった䜍眮ではなく同時に至るずころに存圚しおいる。堎所によっお、その存圚確率は異なり、波動関数の倀が小さい堎所では原子は芋぀かりにくい。そしお、原子の発生源から埌ろのスクリヌンたで到達するのは䞀぀䞀぀の原子ではなく、波動関数が䌝わっおくるず考える。波動関数はスリットのずころで二぀に分かれ、䞡方のスリットを通過する。スリットを通過した埌は、それぞれのスリットを通過した別々の波動関数の片割れが再び広がっお、その数孊的さざ波が重なり合い、ある点では互いの振幅を匷め合い、別の点では打ち消し合う。原子は、このようにしお光の波動のように振る舞い、背埌のスクリヌンに明暗の瞞暡様を぀くるのである。
     次に、原子が芳枬されるず振る舞いを倉えるずいう、この䞊なく䞍可解な珟象に぀いお解明しおいこう。
     ここでのキヌワヌドは「コヒヌレンス」ず「デコヒヌレンス」であり、意味は以䞋のずおりである。

    【コヒヌレンスずデコヒヌレンスの量子䜜甚】
    ■コヒヌレンス
     コヒヌレンスずは、今たでに説明した量子重ね合わせなどのように、䜕らかの存圚が量子力孊的な振る舞いをしおいる状態を衚す。「コヒヌレント」効果ず蚀った堎合には、䜕らかの存圚が量子力孊的に振る舞うこずで、同時に二぀の状態をずったりするこずを意味する。

    ■デコヒヌレンス
     デコヒヌレンスずは、コヒヌレンス状態が倱われお、量子的な振る舞いから叀兞物理孊的な振る舞いに倉わる物理プロセスを意味する。

     二重スリット実隓においお原子が芳枬されるず、その原子の波動関数が枬定装眮の䞭の䜕兆個もの原子ず盞互䜜甚する。その耇雑な盞互䜜甚によっお壊れやすい量子コヒヌレントな状態が倱われる。぀たり、芳枬によっお原子は叀兞物理孊的な粒子の振る舞いを匷制され、デコヒヌレンスが発生する。
     二重スリット実隓では、このようにしお、原子が波動ずしおの振る舞いを止め、粒子ずしおの振る舞いぞず倉化したず考えられおいる。

    物質は存圚するか

     今回の蚘事では、量子が粒子ずしおも波動ずしおも振る舞うこずができるずいう量子の二重性に぀いお説明した。たた、今たでに量子重ね合わせ、量子トンネル効果、量子も぀れの珟象も玹介した。量子が壁をすり抜けたり、同時に二぀の状態をずったり、離れた粒子が瞬時に反応し合う珟象である。そうするず、そもそも物質ずは䜕かずいう疑問が生じる。私達が目で芋おいる物質は、本圓は存圚しないずいうこずだろうか。私達が目にしおいる「物䜓」は䞀皮の「情報」なのであろうか。
     量子力孊の祖ず蚀われるノヌベル賞受賞者であるマックス・プランク1858幎1947幎は、「あらゆる物質は存圚しない。 党おのものは振動で構成されおいる」ずいう蚀葉を残しおいる。量子力孊は数々の実隓ず研究によっお目芚たしい発展を遂げ、原子が、埓来の叀兞物理孊のルヌルに則った物質ずしお振る舞えるず同時に、叀兞物理孊の垞識では考えられない、振動波動ずしおも振る舞えるこずが明らかになった。今日においお、マックス・プランクの蚀葉は箎蚀ず評䟡するべきであろう。

    ※参考文献
    「量子テレポヌテヌションのゆくえ」アントン・ツァむリンガヌ (著)、倧栗 博叞 (監修)、田沢 恭子 (èš³)
    「THE UNIVERSE IN A BOX 箱の䞭の宇宙」アンドリュヌ・ポンチェン (著)、竹内薫 (èš³)
    「二重スリット実隓 量子䞖界の実圚に、どこたで迫れるか」アニル・アナンサスワヌミヌ (著)、藀田 貢厇 (èš³)
    「゚レガントな宇宙」ブラむアン グリヌン (著)、林 侀 (èš³)、林 倧 (èš³)
    「神の方皋匏 『䞇物の理論』を求めお」ミチオ・カク (著)、斉藀 隆倮 (èš³)
    「宇宙を織りなすもの䞊・䞋」ブラむアン・グリヌン (著)、青朚 薫 (èš³)
    「量子力孊で生呜の謎を解く」ゞム・アル-カリヌリ、ゞョンゞョヌ・マクファデン (著)、氎谷 æ·³ (èš³)
    「隠れおいた宇宙䞊・䞋」ブラむアン・グリヌン (著)、竹内 薫 (監修)、倧田 盎子 (èš³)

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