
ありがとう」と言いたくなる時間を届けたい
人生で一番好きな言葉は何ですか?
そう聞かれたら、私は迷わず**「ありがとう」**と答えます。
理由はシンプルです。
「ありがとう」は、人を不快にさせることがほとんどない言葉だから。
言われた人も少し温かい気持ちになる。 言った人の心も少し穏やかになる。
たった五文字なのに、人と人との距離を近づけてくれる不思議な力があります。
だから私は、この言葉が好きです。
先日、私が尊敬する美輪明宏さんが亡くなられました。
最期に残した言葉は、
「ありがとう」
だったと知りました。
その話を聞いたとき、不思議と涙が出そうになりました。
「なんて美しい人生なんだろう。」
そう思ったんです。
人生の最後に恨みでも後悔でもなく、「ありがとう」と言える。
そして、その言葉で人生を締めくくれる。
そんな生き方に、私は心から憧れます。
振り返ると、私はずっと訪問マッサージの仕事をしてきました。
もちろん、身体を少しでも楽にしたいという思いはありました。
でも、本当に欲しかったものは別にありました。
患者さんから、
「あなたがいてくれてよかった。」
「話を聞いてもらえて救われた。」
「ありがとう。」
そう言ってもらえること。
その一言が、何より嬉しかった。
給料よりも、肩書きよりも、その言葉が私の原動力でした。
最近、ふと気づいたことがあります。
私は「ありがとう」という言葉が欲しかったわけではないのかもしれません。
本当に届けたかったのは、
「ありがとう」と言いたくなる時間。
誰かが少し心を軽くできる時間。
安心できる時間。
笑顔になれる時間。
「今日は来てもらえてよかった。」
そう思ってもらえる時間。
そんな時間を届けたいから、人と関わる仕事が好きなんだと思います。
これからも、私は答えを押し付ける人にはなりたくありません。
誰かの前を歩く人でも、後ろから押す人でもなく、
その人の隣を歩く伴走者でありたい。
その人自身が答えを見つけられるように、そっと寄り添える人でありたい。
私自身、たくさん苦しみ、迷い、立ち止まってきました。
だからこそ、その経験が誰かの役に立つなら、過去の出来事にも意味が生まれると思っています。
人生の最後。
私も美輪明宏さんのように、
静かに、
穏やかに、
心から
「ありがとう」
と言えたら幸せです。
そして、そのとき周りの誰かが、
「あなたがいてくれてよかった。」
そう思ってくれる人生だったなら、
それ以上に望むものはありません。
私はこれからも、一人でも多くの人へ、
「ありがとう」と言いたくなる時間
を届けられる人でありたいと思います。🌸