
詩『融けていった人へ』
「涼しい所が好きなの。私も冷たくなれる気がして」
君は森が好きだったね。
木ではなく、森、森を愛していたね。
僕らはいつもそばに居て、確かに熱を感じていた。
流れる血潮、跳ねる筋肉、滑らかな肌。
あの清浄な空気の中で、僕らは確かに燃えていた。
Hold me close, darling. Now, make it fast.
「静かな所が好きなの。私の中の雑音も、無くなってくれる気がして」
君は湖が好きだったね。
海ではなく、湖、湖を愛していたね。
僕らはいつもそばに居て、沢山のことを話していた。
流れるリズム、跳ねる語尾、密やかな息。
あの穏やかな静寂の中で、僕らは確かに笑い合った。
Kiss me deep, darling. Now, make it last.
「満たされる所が好きなの。私の中身も埋められる気がして」
君は星が好きだったね。
月ではなく、星、星を愛していたね。
僕らはいつもそばに居て、確かに心を分け合っていた。
流れる涙、跳ねる肩先、戦慄いた首筋。
寒々とした今際の際で、僕らは確かに生きていた。
Call me "darling". One last time.