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癜雪矎銙は圌氏ができない_第話

↓ 第話


 青ひげペロヌは䞀目惚れする

青ひげペロヌの婚掻日蚘_博倚人圢ずの出䌚い線

今回は合コンなり。
倧孊時代の知人、いや友人に誘われお合コンに参加した。友人である圌は、䞀蚀で蚀うず、モテる。消防隊員であり、爜やか。䞊背もあり、筋肉質、歯も癜い。

「お前にどうしおも来おほしい合コンがあるんだ」ず曞かれた圌の誘いのメヌルを芋た時、私は懐疑心を抱いた。むタズラ半分に私を合コンに呌び出し、もしかしお私をネタに笑いを取ろうずしおいるのではないかず。その手の仕打ちを圌からではないものの、過去に受けたこずがあったので、私が疑いの目を向けるのは圓然のこずだ。匕き立お圹に、ず蚀われた方がよっぜど信頌できる。

話をよくよく聞いおみるず、今回の女性のメンツの䞭に、圌曰く圌のようなタむプに興味がなく、私のような女慣れしおいないタむプが奜きな女性がいるずのこず。猜疑心に駆られたが、圌のどうしおもずいう匷い熱望により私は合コンぞの参加を決意した。

結果ずしおは、圌の蚀うこずが正しかった。
圌が信頌のおける奎であるこずが実蚌された。もし、我が家が火事になるようなこずがあれば、すぐさた圌に連絡をしお圌に消火掻動をしおもらいたい。そう思えるくらいに、私の圌ぞの信頌は広蟞苑ごずく分厚くなった。䞭身も厚さもペラペラの「女性にモテる秘蚣」ず曞かれた、か぀おの私の愛読曞レベルの薄っぺらい信頌が、芋事に厚くなった瞬間だった。

「女慣れしおいないタむプ」ず認定されおいるのは婚掻をしお耇数の女性ずやり取りをしおいる私には少し心倖ではあるが、圌の友人の䞭では女慣れしおいない唯䞀の友人であるずのこずだった。心倖ではあるものの、婚掻䞭の身であり、せっかくの機䌚を逃すわけにはいかない。チャンスの女神様は前髪しかないのだから、この機を逃せば私のようなタむプに興味を持っおくれる人は出䌚えないかもしれない。

䞀匵矅を着おいくべきか吊かず私は悩んだ。こなれた服装を着おいくず、女慣れしおいるず思われるかもしれない。ガツガツしおいる印象を䞎えたくないず思った私は、あえお普段のやる気のない栌奜で行くこずにした。合コンに気合いを入れおいないず蚀うこずは、女性ぞの興味が薄い、぀たりは女性慣れしおいないず蚀うこずになるのではないかず。

その日の倕方、仕事でトラブルがあり、私は開始時刻より遅れお参加するこずずなった。本圓であれば、しっかり髭を剃っお参加したかったのだが、時間もなくあえなく断念。服装はさおおいおも、青ひげだけは察凊しおおきたいずいう気持ちはあった。ずはいえ、髭をしっかり剃った状態で合コンに臚み、もしうたく行ったずしおも、きっず青髭が生えた状態を芋られた時に幻滅される可胜性も吊めない。

私は信念を持っお、倕方の青ひげをアピヌルすべく髭を剃らずに遅刻した。

女性は四人。䞉人は矎しい女性たちだった。アラサヌずいうこずだったが、肌にハリもあり゚ネルギヌに満ち溢れ、実幎霢より若く芋えた。その䞭の䞀名は歩く博倚人圢の異名を持぀人物ずいうこずで、その名に恥じない陶噚のように矎しい肌の持ち䞻であった。顔も極めお品のある矎しさ。私は䞀目芋た瞬間に、恋に萜ちおしたった。圌女を芋お恋心を抱かない男がいたら教えお欲しい。

人の䞭に矎しい女性たちずは䞀線を画す、毛色の違う女性がいた。蚀語化するのが困難ではあるが、雪芋だいふくを擬人化したような女性だった。ふくよかずいうか、若干だらしないような。肌自䜓は雪芋だいふくのようにもっちりしたおもちちゃん。しかし、䜓は少し枩床が䞊がれば溶けおだらしなくなっおしたいそうな印象を受けた。

これを奜む男性もいるだろうが、私ずしおは自己管理がなっおいないずしか思えない。遊び皋床なら問題ないが、結婚ずなるず自己管理もできない女性では先行きが䞍安である。圌女が幎霢的には䞀番若く、子を持぀なら若い女性がより望たしいずいうこずは承知ではあるが、䞍摂生が祟っお肥満傟向にある女性であれば、様々な面でリスクが生じる可胜性がある。そう考えるずやはり圌女は枛点。

それに圌女はSNSで自分のプラむベヌトをペラペラず喋っおいる口の軜い人間であるこずが刀明。垰宅埌、興味本䜍でちょっず調べただけで、雪芋だいふくのSNSをすぐに特定できおしたった。青ひげに関する蚘述を芋かけたが、ネガティブキャンペヌンをしおいるわけではなかったので、凊眰の察象ずはならない。あたりにあけすけすぎるずころは反省をした方がいいず思う。

圌女は私のnoteの読者であるようなので、これを読んだら是が非でも反省をしおほしい。䞊蚘に蚘茉した内容は私の本心である。

䜙蚈なお䞖話だず思われるかもしれないが、合コンで圌氏を䜜りたいず思っおいるのであれば、もう少し積極的に行動すべきだ。飲食が目圓おであれば問題ないのだが、過去の投皿内容を芋おいるず倧犏SNSのアカりント名たたは圌氏がほしいのだろうずいう印象を受けた。もちろん、そのたたの自分を受け入れおほしいずいう気持ちもわからなくない。

けれど、倧犏、君の堎合、䞍摂生が問題だ。䜓型ずいうのは、自己管理によるものなので、私の青ひげず違っお悪い印象を䞎えおしたう。君のよく食べよく飲む印象は悪くないし、むしろ奜感が持おる。

問題は䜓型のみではないか。ただ若いのだから、諊めず頑匵っおほしい。倧犏、君にも春が来たすように

偉そうに語っおしたった。少しばかり圌女のSNSを芋お、共感を芚える郚分があったからかもしれない。圌女の今埌の幞せを祈りたくなるくらいに私は今幞せなのだ。

私にも春が来るのだ。いや、もう春は来おいる。今は初倏だが、遅ればせながら私にも春がやっおきた。チャンスの女神様の前髪を私は掎むこずができたのだ。あの矎しき歩く博倚人圢が私に興味を瀺したのだ。これは奇跡だ。

私はチャンスを逃すわけにはいかない


 癜雪矎銙はダむ゚ットを決意する 


「なんか悔しい」
ナキミはチョコの郚屋で、足をチペコに抌さえおもらいながら腹筋の真っ最䞭だ。分厚い脂肪の䞋に隠れ切った腹筋は、仕事をするそぶりを埮塵も芋せない。ナキミの腹筋は、ナキミの腹を持ち䞊げる気力なく脂肪の垃団の䞋で眠りに぀いおいる。冬眠䞭の腹筋を叩き起こそうずナキミはなんずか䜓を持ち䞊げようずするが、党く起きる様子のない腹筋。次第にナキミの䜓はプルプルず小刻みに震え始めおいた。

䞀方で、ナキミの足の䞊に座っおいるチョコは自分のスマヌトフォンで、今朝曎新された『青ひげペロヌの婚掻日蚘』を読みながら、笑いを噛み殺しおいる。ナキミ同様にチョコの肩が小刻みに震え始め、堪えきれなくなったチョコは力なくその堎に倒れ蟌んだ。

「ある意味公開凊刑やな。しかも応揎されずるし」
チョコはゲラゲラず笑い転げ、床に突っ䌏した。

「けど、たじで実圚したんやね、ペロヌ」
息も絶え絶えにチョコは蚀う。チョコの目には涙が滲んでいる。

「やね しかし、ペロペロリンのせいで急にフォロワヌが増えるし、しかも『がんばれヌ』ずか『おもちちゃん、応揎しおるよ』ずか応揎メッセヌゞがガンガン届くんやけど。嬉しいけどたじでりザい」
ナキミは完党に憀慚した様子で、小錻を広げ、錻息を噎射した。こっちがバカにしおいるず思っおいた盞手にバカにされた感があっお、なんだか無性に腹が立った。痩せなくおもいいかな、ず思っおいたが、ナキミは絶察に痩せおやるず奮起した。きっかけを䜜っおくれたペロりんちょに感謝しなくおはいけないずは思った。

昚日はお酒を飲んでいお、冷静に考えるこずができず取り留めのないこずばかりを考えおしたった。冷静になっおよく考えおみるず、実際に察面した青ひげに人殺しの雰囲気は党く感じられなかった。「即刻凊刑察象」ずいうのは殺人を指すのではなく、こうやっおネット䞊で晒すずいうこずなのかもしれない。普通に考えお、フラれお青ひげをディスられたからっお、人殺しをするわけがない。それこそ童話の䞖界やファンタゞヌの䞖界芳だ。酔っ払った自分の思考にアホらしさを感じた。

しかし、たさか癟合がペロリアン掚しだずは思いもしなかった。合コンの様子を思い返そうずしたが、党然そんな気配があるずは気づかなかった。思い出すのは青田次郎の青ひげが濃かったこずず、矎味しいむタリアン料理。本圓にどの料理も矎味しくお、さすが癟合さんだなずナキミは思った。癟合がプラむベヌトでどんな生掻をしおいるのか党く知らないが、癟合は矎味しいお店もたくさん知っおいるし、所䜜も矎しい。いかにもお金持ちず蚀った優雅さがあるし、持っおいるものも着おいるものもさりげなく品のいいものであるこずにナキミも気づいおいた。

もしかしお、あの矎しさを掻甚しおパパ掻をしおいるのかもしれないな、ずナキミは思う。それならば玍埗だ。

そんな癟合はこずもあろうにペロヌこず青田次郎に興味が湧いたようだった。信じられないが、いろんな人ず付き合った結果、新しいゞャンルぞ手を出そうずいうこずなのだろうか。

䞀次䌚終了埌、お腹いっぱいのナキミはすぐに家路ぞず着いたが、そういえば癟合ずペロヌはどこかぞ消えお行ったような気がしなくもない。消防隊員人ず撫子ず牡䞹はカラオケぞ行こうず盛り䞊がっおいたが、あの二人は䞀䜓どこぞ向かったのだろうか。

「この歩く博倚人圢っお、ナキミず同じ職堎の癟合さんのこず」
「倚分、そうやず思う」
ナキミはこくんず頷いた。

「ペロヌめっちゃテンションあがっずるやん」
「たあ、そりゃそうやろ。癟合さんマゞで綺麗やけん。ちょっず信じられんけどな。月曜日仕事に行ったら、聞いおみよ」
ナキミはグググず䜓を起き䞊がらせた。

「それよりナキミ、今回はダむ゚ット本気なん」
「今回はれッタむ痩せる」

「やる気やねぇ。その調子 恋は女を倉えるっおほんずやね、頑匵れナキミ 骚は拟っおやる」
チョコはパンっずナキミの背䞭を叩いた。

なぜ骚を拟う前提なのだろうか、ずナキミは思わざるを埗ない。



10 癜雪矎銙は思わず焊る


薄暗い宀内。挏れる吐息。
昌間だずいうのにカヌテンを閉め切った郚屋の䞭には、しっずりずした空気が立ち蟌めおいる。ほんのりず甘い銙りがナキミの錻をくすぐった。

「あ、そこ  」
ナキミの口から思わずこがれた蚀葉に、琥倪郎は嬉しそうに優しい笑みを浮かべる。
「気持ちいい 矎銙ちゃん」
「めちゃくちゃ気持ちがいいです。やばい。どハマりしそう  。あ  」
ナキミが息を挏らすのを耳にしお、ふっず軜く笑った琥倪郎は、じんわりずナキミに䜓重をかける。䜓重をかけられたナキミは脱力したたた琥倪郎を受け止めた。

「肩甲骚の呚りもガッチガチだね」
琥倪郎は芪指に力を蟌めお、ナキミの背䞭の肩甲骚ず背骚の隙間をほぐしおいく。デスクワヌクのナキミの肩ず背䞭は予想以䞊に凝り固たっおいお、琥倪郎のマッサヌゞも自然ず力が入った。もみ返しの可胜性を考えるずあたり匷くしすぎないほうがいいこずは琥倪郎ももちろんわかっおいるが、あたりの凝り具合にほぐしたいずいう欲がむくむくず湧き䞊がっおくるのを琥倪郎は感じおいた。

「そんなずこたで凝っおるなんお気づかなかったです」
䞀方でナキミは、初めおの党身マッサヌゞを楜しんでいた。気を抜いたらすぐに眠りに萜ちおしたいそうなほど気持ちがいい。自分では届かない背䞭や腰をマッサヌゞしおもらうこずが、こんなにも気持ちいいずは。初めおの䜓隓にナキミは幞せを噛み締める。

しかも、マッサヌゞをしおくれおいるのが、爜やかむケメンの琥倪郎ずいうのもいい。初めは琥倪郎に䜓を觊られるこずに胞が高鳎り、緊匵もした。しかし、それがすぐに倱瀌だず気づくくらいに琥倪郎のマッサヌゞは気持ちが良かった。

この気持ちよさのたた眠っおしたいたいずいう気持ちもあったが、眠っおしたっおはこの気持ちのいい䜓隓を芚えおいられない。それはあたりに勿䜓無いず、ナキミは眠りに぀かないように琥倪郎に声をかける。

「昚日、実は合コンに行ったんですよ」
ナキミは琥倪郎が合コンずいう単語に動揺しおくれないかな、ず少しだけ期埅した。脈があるかどうかが、この単語で刀断できるかもしれないず。しかし、琥倪郎に動揺の様子は芋えず、しっかりずマッサヌゞに集䞭しおいる。もちろん仕事䞭だし、高いお金を払っおマッサヌゞをしおもらっおいるのでありがたいこずだが、ナキミは少しばかり残念な気がした。

「そうなの どうだった合コン いい人いた」
「いや、それがですね。めっちゃびっくりしたこずがあっお」
ナキミは青田次郎のこずを思い出しお、少し声が倧きくなった。ナキミのテンションの䞊がり方に少し興味が湧いたのか、琥倪郎は䜕々 ず前のめりになる。

「青ひげペロヌがいたんです」
「青ひげペロヌ 誰それ」

琥倪郎の声が少し怪蚝なものに倉わった。琥倪郎は青ひげペロヌの婚掻日蚘を知らないのか、ず思い、ナキミは青ひげペロヌのこずず経緯を簡単に説明した。

婚掻䞭の青田次郎は青ひげを理由に婚掻がうたいくかないず思っおいるこず。そしおそのこずをnoteずいうSNSで公開しおいるこず。蚘事の内容や、合コンでの様子なども䌝えた。今日の蚘事の内容に぀いおは、自分のネガティブキャンペヌンになるず思ったのでナキミは口を噀んだ。

ナキミはう぀䌏せになり、顔をマッサヌゞ甚のベッドの台の穎に固定した状態で倢䞭になっお喋っおいたので、よだれがこがれそうになった。ずずっず涎を啜る。

「なんか、すごい人だね」
声から琥倪郎が困惑しおいるのがわかる。はっず琥倪郎が息を吞うのがわかった。

「あ、本圓は今日予玄しおた癜井由玀さんっお人、もしかしたらその青ひげの人ず䌚ったこずがあるのかも。癜雪姫が癜井由玀さんだったりしお」
「え そうなんですか」
ナキミは思わず顔を䞊げる。やっぱり私の勘はあっおいるじゃないか、ず自分の女ずしおの栌が䞊がったような気がした。

あ、じゃあ䞊、向こうかずナキミは琥倪郎に促されお仰向けになった。琥倪郎はナキミの頭偎にたち、肩をマッサヌゞし始める。

「そうそう。なんか婚掻ですごい髭のこず聞いおくる人ずマッチしたっお蚀っおた。ただ䌚ったこずないっお蚀っおたけど、やたらず髭奜きかどうか聞いおきたんだっお」
「え もしかしおその癜井由玀さんっお人、最近青ひげず䌚ったんですかね」

琥倪郎は銖を捻る。
「ん、どうだろう。そこたで詳しくは聞かなかったし」
「そうですよね」
ナキミは眉間に皺を寄せおため息を぀いた。「どうしたの なんか気になるずこあった」ず聞かれおナキミはふぅず錻で息を吐いた。

「いや、この前ここに来た時、癜井由玀さんがちょうど今日の予玄をキャンセルしたずころやったやないですか。私、むかし絵本で青ひげの童話を読んだこずがあっお。めちゃくちゃ怖い絵本なんですよ。奥さんが殺される的な。で、キャンセルしおきたのが男の人っお琥倪郎さん蚀いよったけん、もしかしたら、癜井由玀さん、なんか事件に巻き蟌たれたんやないかなっお。電話しおきたのが青ひげで、癜井さん殺されたんやないかなずか、倉な劄想しちゃっお。たあ、青ひげは実際そんなタむプではなさそうやったし、そんなこずはなかろうけど、ずは思っおたんですけど。そもそも癜井さんず青ひげに接点あるかどうかわからんしっお。でも、青ひげの蚘事で癜雪姫に髭奜きか聞いちゃった的なこずが曞いおあっお、え  ç§ã®åŠ„æƒ³ã‚ãŸã£ãšã‚‹ã‚“ã‚„ãªã„ïŒŸ  ã“れっお事件  ã¿ãŸã„な  」

「なるほどね」ず琥倪郎は軜く笑う。
「でもさ、優しいね、矎銙ちゃん」ず蚀いながらナキミの肩を優しく抌す。
「䜕がですか」ずナキミが尋ねるず、琥倪郎は続けた。

「いやだっおさ、もちろん矎銙ちゃんは癜井さんずは面識ないわけでしょ それなのに䌚ったこずもない人のこずをそんなに心配しおるなんお、優しいず思う。それより、初めお矎銙ちゃんの博倚匁聞いた気がする。俺、めちゃくちゃ博倚匁奜きなんだよね。すっごい可愛い」
琥倪郎は手を䌑めるこずなく話した。ナキミはたさか博倚匁がアドバンテヌゞになるのかず驚きを隠せない。

琥倪郎はもずもず関東出身で、半幎前たで関東方面に䜏んでいた。しかし、䞀念発起しお倧奜きだった犏岡ぞの移䜏を決断。博倚匁の女の子ず付き合うこずを目暙ずしお、移䜏しおきたのだず蚀った。そんなこずを理由にしお移䜏するのかず思ったが、今の時代色々あるのかもしれないずも思う。

前回のマッサヌゞの際に聞いた話だず、䞀ヶ月前ごろにお付き合いをした人がいたらしいが、犏岡出身なのにあたり方蚀を䜿わない人だったらしく、぀たらなくなっお別れたずのこずだった。そんなに簡単に付き合ったり別れたりできるのはモテる人の特暩だろうなず、ナキミは思った。自分だったら次の圌氏がい぀できるかもわからないので、可胜な限り今の圌氏ずお付き合いを続けたいず思うに違いない。たあ、それも想像の域を越えはしないが。

「琥倪郎さんは本圓に博倚匁が奜きなんやね」
ナキミがわざずらしく博倚匁を䜿いながら軜く笑うず、琥倪郎は嬉しそうな声を出した。
「そうそう、それ ガッツリ博倚匁じゃなくお、ラむトな感じの博倚匁が越劙にかわいいよね。おじさん、食べちゃたい」
「そのセリフはセクハラやけん、そう蚀うこずは蚀ったらいかんず」
ナキミが冗談ぜくいうず、琥倪郎はごめんごめんず軜く笑った。
「でも、それそれ。絶劙に可愛い。ほんず博倚匁喋る子ず付き合いたい」

ナキミの䜓にグッず力が入る。告癜するならここではないか。ワンチャンあるかもしれない。ムヌドもク゜もないが、このたただず博倚匁を喋るどこの銬の骚かもわからない女に琥倪郎を掻っ攫われるかもしれない。ナキミはお埗意の劄想力を発揮しお、自分を錓舞した。痩せるのは埌からでもいい。もしかしたら、琥倪郎がデブ専かもしれないし。

「琥倪郎さん 私、琥倪郎さんが奜きなんです 付き合っおください」

ナキミの錓動は早くなった。盎球勝負すぎた。琥倪郎にはちゃんず聞こえただろうか。顔にガヌれみたいな垃をかけられお、錻息荒く蚀うべきではなかったかもしれない。ガヌれがナキミの錻息でヒラヒラず宙を舞った。

ナキミは急に恥ずかしくなり、顔が熱くなるのを感じた。倚分ほっぺちゃんずあだ名が぀きそうなくらいに頬が赀らんでいるのがわかる。マッサヌゞの時間はあず䜕分くらいあるのだろうか。博倚匁が可愛いず蚀われただけで、ナキミが可愛いず蚀われたわけではないのに、なんだかうたくいく気がした自分のポゞティブ脳が恥ずかしい。冷静に考えれば、時期尚早すぎる。やらかした。ナキミは耳たで赀くなるのを感じた。赀くなった耳に心臓の音が響き、ぎゅっず目を぀ぶる。

琥倪郎が䜕か蚀っおいるような気もするが、緊匵しすぎたナキミには䜕も聞こえない。
もういっそこのたた寝おしたおうか。そっちの方がいいかもしれない。どうせ振られるんだ。寝おしたおう。琥倪郎のマッサヌゞは黙々ず続いおいる。琥倪郎は新しいガヌれをナキミの顔にさっずかけた。

次第にナキミの意識は遠くなる。そしお、口元は緩み、ナキミの頬をそっずペダレが䌝った。




11 青ひげペロヌはデヌトに浮かれる

青髭ペロヌの婚掻日蚘_博倚人圢ずデヌトのお玄束線

倩倉地異が起こるずはこのこず。
たさか歩く博倚人圢からデヌトのお誘いが来るずは、流石の私も予想だにしおいなかった。

もちろん私は二぀返事で誘いを受けた。本来であれば、こちらからアクションを起こすべきだったかもしれないが、どういう誘い文句で誘えばいいのかずあれこれ悩んでいる間に、先手を取られおしたった。

しかし、これは歩く博倚人圢が前のめりで私に興味を抱いおいるずいうこずに他ならない。
叀い考えではあるかもしれないが、今たでは男性から誘う方がスマヌトであるずいう考えを私は持っおいた。それはもちろん盞手に奜意を䌝えるこずに繋がるし、盞手の自己肯定感を䞊げ、お付き合いに繋げやすいのではないかずも考えおいた。

けれども実際はそう簡単にうたくいくものではなかったこずは想像に難くないだろう。
どれだけ盞手の自己肯定感をあげ、メッセヌゞで奜感觊を埗たずしおも、私にはこの青ひげずいうハンディキャップがあるのだ。

いや、ハンディキャップがあるず私は思い蟌んでいた。

メヌルで始たった関係ではなく、察面で始たった関係の女性から、しかも歩く博倚人圢ず呌ばれるほどの矎しい女性から私はデヌトの誘いを受けたのだ。
これは青ひげがハンディキャップになり埗ないずいう確たる蚌拠ずなり埗るのではなかろうか。

もしかするずこれたでの女性たちはたたたた青ひげが苊手だったずいうだけで、䞖間䞀般の女性にずっおは、さほど問題のないこずなのかもしれない。
今たで䌚っおいたのは、そもそも婚掻をしおいる女性だった。ず蚀うこずは、婚期に恵たれない女性たちだったのだから、男性の遞り奜みが激しかったのかもしれない。

自分のこずを棚に䞊げお蚀うならば、今たでの女は男に条件を付す女なのだ。

危ない危ない。このたたではたた婚掻の愚痎になっおしたう。

今は歩く博倚人圢ずのデヌトを成功させるこずを考えなければならない。日にちは次の土曜日。䞊手くいけば  、いや、䞊手く行くよう努力をしなければならない。
早る気持ちをグッず抑え、冷静に準備をするべきだ。たずは傟向ず察策を調べなければ。

正盎なずころ、ドストラむクな矎人ずデヌトをするのは初めおなのだ。緊匵する。あぁ、すでに緊匵しおきた。倱敗したらどうしようか。
いやいや、そう簡単に䞊手くいくわけがない。気楜に行こう。せっかくの博倚矎人ずのデヌトなのだ。悔いのないように楜しみたい。



12  ç™œé›ªçŸŽéŠ™ã‚‚ãƒ‡ãƒŒãƒˆã«æµ®ã‹ã‚Œã‚‹ïŒ


ナキミずチョコは家からほど近いカフェでランチをずっおいた。
可愛らしい内装の店内には日曜日ずいうこずもあり、家族連れも倚い。赀いギンガムチェックのテヌブルクロスの䞊には、サラダず透明のグラスに入った氎が眮かれおあった。

「ナキミ、やる気やねぇ」
ナキミの目の前に眮かれたサラダを芋お、チョコは軜く笑う。
「やる気よ。来週のデヌトに備えお痩せないかんけん」
真剣な県差しでナキミはチョコを芋぀めた。

「いいねえ。いいこず。よく噛んで食べなよ」
ナキミは手元に眮かれたサラダに目をやった。倧皿に乗ったサラダの䞊には鶏胞肉のロヌスト。雑穀やいろいろな皮類のキノコも散らしおあり、いかにも健康そうなサラダだ。赀や黄色、緑が目に飛び蟌んできお思わず楜しい気持ちになる。

「お埅たせしたした」
カフェ店員がチョコの前に皿を眮いた。チョコの前に眮かれた皿は芋た目も匂いも矎味しそうなハンバヌグのプレヌト。湯気がモワモワず立っおおり、鉄板の䞊の゜ヌスがじゅうじゅうずいい匂いをあたりに撒き散らしおいる。ハンバヌグが乗せられた鉄板のプレヌトずは別に、癜いお皿に乗ったこんもりずした癜米。

ぐううずナキミの腹が鳎った。

「お腹なっずるよナキミ。ハンバヌグ、䞀口やろうか」
チョコはナキミの腹の音を聞き、ケラケラず笑う。

そんなに矎味しそうなものを頌たなくおも、ずナキミは思うが、チョコは人に合わせお食べたいものを我慢するような人間ではない。それにそんなこずをされおもナキミずしおも気持ち良くはない。人は食べたいものを食べるべき。ナキミはい぀もそう思っおいる。そう思っお生きおきたからこその、この䜓型ではあるのだが  。

「倧䞈倫。今日はいらん。マゞで我慢するけん」
手のひらをチョコに向けお、ナキミはキリッずした衚情を䜜った。䞀口ハンバヌグのお裟分けの申し出をきっちりず断る。

ギュルギュルず掻発に動き出し始めた胃腞を抑えるべく、ナキミは箞でサラダを぀たむ。ノンオむルの和颚ドレッシングがかかった緑色の葉っぱを口の䞭に攟り蟌んだ。

新鮮な葉野菜はナキミの口の䞭で螊るようにシャキシャキず音を立おた。繊維質をすり぀ぶすように、ナキミはしっかりず噛む。レタスやベビヌリヌフたちにくっ぀いおきた茹でられた雑穀が、時折顔を芗かせおはプチプチず口の䞭で匟けた。

サラダも捚おたもんじゃない、ずナキミは思う。うたい、ずゎクリずサラダを飲み蟌んだ。続いおチキンを箞で぀たむ。䞀気に口の䞭に攟り蟌みたい気持ちをグッず抑えた。前歯で小さな䞀口分を噛みちぎる。胞肉ではあるが、しっずりずロヌストされた鶏胞肉は氎分をたっぷりず蓄えおいお旚みもしっかり残っおいる。やはり肉は正矩だな、ず思いながらナキミは鶏胞肉を飲み蟌んだ。しっかりず咀嚌された鶏胞肉は、ゆるゆるず食道を流れ萜ち、食べ物を迎え入れる準備䞇端な胃の䞭に拍手喝采で迎えられた。

ナキミは恍惚の衚情を浮かべる。食べるっお幞せ。矎味しいものは絶察に䞖界を救う気がする。

「ナキミっお本圓に矎味しそうに食べるよね。いっぱい食べさせたくなるタむプやもん。癜飯食べさせたいわ」
チョコは煜るように自分の口にハンバヌグを攟り蟌むず、癜飯をかっこんだ。

たったくもっお嫌なや぀ではあるが、芪友だからできる冗談であるず理解しおいるナキミは揺るがない。それにこれくらいで挫折しおいるようであれば、ダむ゚ットを決意すべきではない。

挠然ず痩せたいずいう気持ちでいる時は、なかなかダむ゚ットを継続できるものではないが、目䞋の目暙があればナキミの意思は揺らぐこずがないのだ。

「デヌトで少しでもかわいく芋られたいし」
「でもさ、よかったね。すぐにフラれたりしなくお。女奜きっぜいずころがちょっず、いやかなり気になるけど、たあ、ちょっず味芋しお捚おられるようなこずにはならんようにせないかんよね」
ナキミは手ず口を動かしながら、頷いた。

「ずりあえずデヌトしようかっお提案しおくれたけんよかった。ほんず自分でもいきなり告っおしたっおマゞで焊ったもん。焊りすぎやろっお。琥倪郎さんが玳士でよかった。こっちは客やし、空気を読んで気を遣っおくれたんかもしれんけど。ずにかくあの堎でフラれたらいおもたっおもいられんかったけん、助かった。けど、むケメンずデヌトずか、マゞで緊匵する。しかも、こっちが奜きっお知られずるけん、どうしおいいかもよくわからんし」

嬉しいず困ったがないたぜになったよくわからない衚情をナキミが浮かべるず、チョコは軜く笑う。

「逆に気が楜でいいやろ。盞手に気持ちがバレずるっおこずは、取り繕う必芁がないんやし。スキスキアピヌルしおいいっちゃない せっかくのむケメンずのデヌトを楜したな損やろ。そもそも嫌やったら、デヌトしようずも蚀っおくれんのやない ほら、昚日、本圓は琥倪郎さんにマッサヌゞしおもらう予定やった癜井ナキさん 知らんけど、キャンセルした人 その人のこずはあんたりいい感じで蚀いよらんやったんやろ 迷惑やったら、倚分、琥倪郎さんも困りたすっお蚀うんやないん モテる人やったらそのあしらいも䞊手やろうけん。おこずはそれなりにナキミのこずは気に入っおくれおるず思っおいいず思うけどねぇ」
チョコは付け合わせのニンゞンのグラッセを食べなが蚀った。

「そうやったらいいけど。ずにかく圓たっお砕けんやったけん、呜拟いした。ただデヌトどこに行くか決めおないんやけどさ、どこがいいかな やっぱりベタに映画ずか氎族通かな どこ行こ。なんか、急に楜しみになっおきた」
ナキミは箞で二切れ目のチキンのロヌストを぀たむず、䞀口でチキンを攟り蟌んだ。

やっぱり食べ物はちたちた食べるより、豪快に食べた方が間違いなく矎味しい。




13  ç™œé›ªçŸŽéŠ™ã¯ãƒ‡ãƒŒãƒˆã‚’ã™ã‚‹ïŒ


やば。カッコよ。
ナキミは思わず生唟をゎクリず飲んだ。

「デヌトずいえば、氎族通じゃない 俺、ただ犏岡の氎族通行ったこずがないから、䞀緒に行っおくれる」
氎曜日の仕事垰り、デヌトの打ち合わせも兌ねお膝䞋のマッサヌゞをしおもらっおいた時に、琥倪郎にそう提案された。もちろんナキミは二぀返事でオッケヌを出した。家たで迎えに行くから䜏所教えおず蚀われたものの、芪に芋぀かるのが恥ずかしかったナキミは、近所のコンビニを指定。

マリンワヌルド海の䞭道氎族通は犏岡垂の東区にある氎族通だ。ナキミが䜏む犏岡垂䞭倮区からは少し行きづらい印象があった。家族で行くずきは必ず車で行っおいた蚘憶だ。どうやっお行くのだろうず思いながら、ナキミは氎族通のホヌムペヌゞを芋おはドキドキず胞を高鳎らせお、土曜日を埅った。

たさか、レンタカヌずは。助手垭に乗るなんお想像もしおなかった。バスか電車、もしかしたら船かなず思っおいたので、ちょっずびっくりした。わざわざ自分ずのデヌトのために、レンタカヌを借りお来おくれるずは思わなかったから。

車自䜓は特段カッコ良くもない普通の軜自動車だったけど、運転垭に座る琥倪郎の眩しいこずこの䞊なかった。むケメンは乗る車も遞ばないのだな、ずナキミは思う。

普段着おいる斜術甚の制服でもむケメンなのに、シンプルな服装の私服は、琥倪郎のむケメン床合いをグッず匕き䞊げた。スヌツの時はカッコいいのに、私服では幻滅する、なんおこずはよくある話だが、琥倪郎は逆だった。

ゞャストサむズの癜い枅朔感のあるTシャツに黒いゞャケット。パンツも黒だが綺麗めなカゞュアルの印象。足元は抜け感のあるシンプルな癜いスニヌカヌ。アクセサリヌなどは䞀切぀けおいないが、癜いTシャツの䞋にうっすらず筋肉質な䜓型が芋えお、アクセサリヌなんお䜙蚈なものは䞍芁だな、ずナキミは思う。

䞀方でナキミは、普段の仕事甚の地味めコヌデのむメヌゞを䞀新したいず、綺麗めワンピヌスをチョむス。小花柄の癜い透け感のあるふわふわずしたワンピヌス。り゚ストマヌクできるものを遞んで、り゚ストをキュッず絞っおくびれを匷調。䞈は䞀番足が现く芋えるミモレ䞈。気合いが入りすぎお匕かれるのも怖いので、足元はカゞュアルに癜のスニヌカヌ。髪はちょっずゆる巻きのスタむル。

ナキミは今日のデヌトのために、先週末からヘアアむロンの緎習を欠かさなかった。
緎習を終えるたびにチョコに自撮りを送り、䜕床もチェックしおもらい、なんずか完成圢に持ち蟌むこずに成功。ナキミは䞇党の䜓制を敎えお、玄束のコンビニで琥倪郎を埅った。

車から降りおきた琥倪郎は、「普段ずむメヌゞ違うね かわいい」ず笑顔で寄っお来おくれた。心臓が飛び出すんじゃないかず思うくらいにナキミは嬉しかった。うたく返事ができなくお、ぞぞぞず誀魔化しお、ナキミは思わず䞋を向いおしたった。

手慣れた琥倪郎はスッず腰に手を回しお、助手垭ぞナキミを゚スコヌトする。
チョコならここで、あたりに手慣れすぎた琥倪郎に䞍信感を抱くかもしれない。しかし、ナキミの脳内は完党に春に季節が巻き戻されおいお、䞍信感を抱くこずはない。ただただ、むケメンの琥倪郎が自分を゚スコヌトしおくれおいる事実に感動しおいるだけだ。

「氎族通に着くたで時間がかかるから、コヌヒヌ買っおおいた。飲んでね」
助手垭に座ったナキミに琥倪郎はそう蚀っお、芖線をドリンクホルダヌに向けた。
ナキミはここでも、感動しきりだ。なんお気の利く男性なのだろうか。もうナキミの奜きは止たらない。目はハヌト型になり、芖線は琥倪郎の暪顔に釘付けになっおしたった。

「そんなに芋られたら、運転しずらいっお」
はにかむように笑う琥倪郎の顔すらも愛おしい。
「あ、ごめんなさい。カッコ良すぎお」
ナキミは臆面もなく本音を挏らす。嘘停りないバカ正盎なずころがナキミのいいずころだ。ナキミには駆け匕きも䜕もない。
「矎銙ちゃん可愛いよね、ほんずに」
ケラケラず笑う琥倪郎に、ナキミの心臓はキュッず締め付けられた。

道䞭もずおも楜しかった。
マッサヌゞの時にも思っおいたが、琥倪郎は話が䞊手い。聞き䞊手でお喋り䞊手。ナキミがこがすように喋った䞀蚀をサラッず拟っお、広げおくれる。ナキミも特別䌚話䞋手ずいうこずでもないが、なんだか気持ちよくなりペラペラず䜙蚈なこずたで喋っおしたったような気がした。

ダむ゚ットの話や過去の恋愛トヌクなどなど。本圓に䜙蚈なこずを喋った気がする。䜓重ずか䜓脂肪率ずか、䜓脂肪率ずか䜓重ずか。

䜓脂肪率の話なんかするんじゃなかったず埌悔したりもした。しかし、ダむ゚ットに関しお的確なアドバむスをもらったりもしお、ナキミは終始関心しきりだった。

過去の恋愛トヌクずはいっおも、正盎なずころ、ナキミは特段恋愛ずいう恋愛はしおきおいない。奜きになっお告癜しお振られるパタヌンがほずんどだ。ナキミにずっおこれたでの恋愛は『憧れ』の郚類に近い。
奜きだず蚀われおお付き合いをしたこずもあるが、そういう時はなんだか自分ず盞手ずの枩床差に冷めおしたう。盞手の熱が高ければ高いほど、自分が冷めおいっおしたうのだ。

だからナキミはい぀だっお自分から奜きになりたいず思っおいるし、告癜したいず思っおいる。

芪友のチョコの恋愛は友達から始たるこずが倚かった。友達だず思っおいた人ずい぀の間にか付き合っおいるこずが倚い。チョコにそれで奜きになれるのかず尋ねたずころ、そちらの方が居心地がいいず蚀う返答が返っおきた。ナキミはそれっお恋愛ずは違うんじゃない ず思ったりもしたが、チョコは「ナキミみたいに誰かに倢䞭になれないし、ものすごく奜きずいう感情を持ったこずがないから、倚分ナキミみたいな始たり方はできないず思う」ず蚀っおいた。

ずはいえ、チョコのお付き合いはい぀も順調で、今の圌氏だっおもう付き合っお䞉幎にもなる。そのうちに同棲を始めお、きっず結婚するんだろうず、ナキミは予想しおいる。

琥倪郎の過去の恋愛の話を聞き出そうずしたけれど、道䞭琥倪郎は聞き圹ばかりで、質問にはあたり答えおくれなかった。ナキミは若干の怪しさを感じたが、過去の恋愛話を聞いたずころで、ナキミにずっおは気持ちいいものではない。倚分、綺麗な人ばっかりだったんだろうな、ずか、みんな现かったんだったんだろうな、ずか。そんなこずが頭をよぎり、ナキミは頭を小さく振った。

氎族通に぀いおからも、やはり琥倪郎の゚スコヌトはスムヌズだった。チケットはすでに賌入されおいお、ナキミはお金を出す必芁すらなかった。

「ちゃんず払いたす」
ナキミが財垃を出そうずしたら、琥倪郎は手をひらひらず顔の前で振った。
「埌でむルカショヌ芋たいから、その時、コヌヒヌでも奢っお」
琥倪郎は顔の前で振っおいた手を䞋に䞋ろすず、そのたたナキミの手を握った。

ここでもナキミの心臓が飛び跳ねたこずは蚀うたでもない。
「足ず䞀緒で、冷たいね。やっぱり冷え性だな、矎銙ちゃんは」
ギュッず握った琥倪郎の手は、あたたかくお倧きかった。ナキミの胞の錓動は高たり぀぀も、なぜだかホッずするような気持ちがした。



14  ç™œé›ªçŸŽéŠ™ã¯ãƒãƒ¥ãƒ­ã‚¹ãŒé£Ÿã¹ãŸã„ïŒ


むルカショヌが始たる10分前くらいに、二人は䌚堎に入った。氎族通は子どもの頃以来だったが、デヌトで回る氎族通はずおも楜しかった。

ナキミにずっお、魚は食べ物ずいう認識だった。食べられない魚のこずはほずんどわからない。ピクサヌ映画のニモは芋たこずがあったから、カクレクマノミを知っおるくらいだ。だけど今日は氎槜の䞭の生き物が党おキラキラしお芋えるような気がした。ゆらゆら揺れるクラゲだずか、りミガメだずか、逌を食べるアシカだずか。魚を芋るこずが楜しいずいうより、奜きな人ず䞀緒に同じものを芋お同じ時間を共有するこずが楜しい、ずナキミは感じおいた。

「氎族通、めちゃくちゃ楜しい」
ナキミが匟けた笑顔を琥倪郎に向ける。
琥倪郎は嬉しそうにくしゃっず目尻に皺を寄せ、
「そんなに嬉しそうにしおもらえるず、俺も嬉しい」
ず笑った。

むルカショヌの䌚堎に着くず、垭を探しお二人で座った。
「あ、コヌヒヌ買っおきたすね」
ナキミは腰をかけるず、すぐに垭を立った。琥倪郎がありがずうず瀌を蚀い、ナキミはいえいえ、ず手を顔の前でひらひらずさせた。

半屋倖のむルカショヌの䌚堎に初倏の爜やかな颚が吹き、ナキミのシフォンのスカヌトがひらりず揺れる。

䌚堎の䞀番䞊にある売店の列にナキミは䞊んだ。
ナキミの前に䞊んでいた芪子は、゜フトクリヌムを頌んでいた。子どもが手に持っおいる綺麗に枊が巻かれた真っ癜い゜フトクリヌムを芋お、ナキミは矎味しそうだなず思う。こういう堎所で食べる゜フトクリヌムは、街䞭で食べるものよりなんだか栌別に矎味しい気がする。

でもなぁ、せっかく痩せたしな、ずナキミの頭に今朝の䜓重蚈の衚瀺が過ぎった。

55kg。

2キロも枛量したんだし、゜フトクリヌムは我慢しようかな、ずナキミは小さく口を尖らせた。

ナキミはメニュヌ衚をチラリず䞀瞥する。ホットコヌヒヌがメニュヌ衚にあるこずを確認。そしお、ナキミの目線はメニュヌ衚を䞀呚した。
あ、ずナキミの目が、曞かれおいるメニュヌの箇所で止たる。

チュロス。

やばい。食べたい。
ナキミの思考は䞀瞬のうちに食欲に支配された。
シナモンがある。絶察矎味しい。
売店の女性に「ご泚文は」ず尋ねられた時、ナキミの口は勝手に「ホットコヌヒヌ二぀ず、チュロス䞀぀」ず答えおいた。ナキミは自分がその蚀葉を発したこずに党く気づいおいなかった。

売店の女性から「お䞀人で倧䞈倫ですか」ず尋ねられお、ナキミはやっずチュロスを泚文したこずに気が぀いた。
あれ 頌んだっけ ず思いながら、自分が口にしたであろう泚文を反芻する。

あ、蚀った。間違いなく蚀った、ずナキミは思った。レシヌトにもちゃんず印字されおあるし、お金を払った蚘憶もあった。無意識だったけどちゃんず芚えおいた。食欲っお怖いなずナキミは思う。ナキミはコヌヒヌを䞀぀ず぀片手に持ち、右手でコヌヒヌカップず䞀緒にチュロスを握った。

こがさないように、ナキミは慎重に階段を降りた。
改めお䌚堎党䜓を芋枡しお、琥倪郎の䜍眮を確認する。ナキミの座る予定の巊偎の垭がちゃんず䞀぀空いおいお、ホッずした。

しかし、俯瞰で芋おいおなんだかナキミは琥倪郎の垭あたりに違和感を抱く。目を凝らしおよく芋るず、琥倪郎は䜓を半分、右偎に向けおいた。どうも、誰かず話しおいるようだ。なんだろう、ず思っおよくみるず、琥倪郎の右偎にはナキミの知った顔があった。

「癟合さん」
ナキミは思わず独りごちた。

琥倪郎の右偎にいたのは、職堎の先茩の獅子王癟合だったのだ。なんで話をしおいるんだろうか。もしかするず、琥倪郎は癟合にロックオンされおしたったのかもしれない。ナキミの脈拍が速くなった。
少しだけ慌おおナキミは階段を降りる。

「お埅たせしたした」
ナキミはさっず琥倪郎の巊偎に腰をかける。
「あれナキミちゃん」
癟合に声をかけられ、ナキミは初めおそのこずに気付いたずいう衚情を浮かべた。目を少し倧きく芋開いお、口を半開きにしお、そしお眉をひそめる。

「え 癟合さん こんなずころでどうしたんですか」
「ナキミちゃんこそ。それよりナキミちゃんず琥倪郎は付き合っおるの」
癟合の博倚人圢のように癜くおきめ现やかな頬に、ふわっず赀みが差した。小さな顔には倧きすぎる瞳がキラリずナキミを芋぀める。う、眩しい、ずナキミは思う。

この柄んだ瞳を向けられお、冷静でいられる人はどのくらいいるんだろうか。
ず、その時、ナキミが口を開く前に琥倪郎が口を開いた。

「いや、付き合っおないよ」
銖を小刻みに巊右に振った。

そんなに即答しないでもいいじゃないか。それよりも、癟合は琥倪郎を呌び捚おにしおいた。さっき䌚話をしおいたのは、たたたた隣になったから䌚話をしおいたのではなく、もしかしお知り合いかもしれないずナキミは思う。

「もしかしおお二人、お知り合いですか」
ナキミは琥倪郎ず癟合の顔を亀互に芋た。
二人は目線を絡たせる。少し間があった。
「知り合いっおいうか  」
琥倪郎は癟合ず絡たせおいた芖線を、ナキミに向けた。

「えっず  」
蚀い淀んだ琥倪郎を芋お、ナキミは察した。これは、二人はただのお知り合いではないな、ず。倚分、付き合っおたんだ、ず。

ナキミが少し口を開けお察したような衚情を浮かべるず、琥倪郎は少し気たずそうな顔で眉をハの字にした。
やっぱりずナキミは察した。思わずため息が挏れる。そしお、どこからか芖線を感じおそちらに芖線を向ける。芖線の先には、どこかで芋たこずがある顔が映った。
銀瞁のメガネに、少し倧きめの鷲錻。そしお、口元には青ひげ。

青田次郎だ。青髭ペロヌ。





↓ 最終話予告ゎルゎンゟヌラのチヌズケヌキ









いいなず思ったら応揎しよう