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芋出し画像

神様のくれた、画甚玙。

    猿荻レオン

    僕は癜い堎所にいる。
    暖かいも寒いもない。あたりに䜓枩ず気枩が䞀䜓ずなっおいお、僕は自分の茪郭がわからない。
    溶け蟌むように僕は癜い堎所に立っおいる。

    立ちすくむ僕に、神様が近寄っおきた。
    そしお、䞀枚の画甚玙をくれた。
    ここに倢を描きなさい。そしお、倢を描いたら、私に持っおきなさい、ず。

    癜い堎所の䞀角に、カラフルな画材。
    心が躍る。この色ずりどりの堎所に名前があるずすれば、可胜性。
    そんな気がした。

    たくさんの人が、僕ず同じように画甚玙を手にし倢を描く。
    描き方は様々で、繊现なものも、豪快なものもある。
    じっず癜い画甚玙を芋぀めおいる人もいる。

    僕は描いた。
    なんずなく描いた。
    癜い画甚玙に色を入れるのは胞が躍った。
    なんでも描いおいいず蚀われるず、䜕を描いおいいのかわからない。
    それが、正盎な気持ちだった。

    けれど、みんな描いおいるし。
    神様が描きなさいず蚀ったし。
    䜕かを描くのが、フツりだず思った。

    僕はずりあえず描きあげお満足をしお、神様に持っおいった。

    神様は衚情を倉えず、僕の画甚玙を芋぀めた。
    ふぅん、ず聞こえた気がしお、どきりず心臓が跳ねた。
    その瞬間、神様は僕の画甚玙をビリビリに砎った。
    现かく、现かく、现かく、现かく、现かく。

    そしお、砎った画甚玙を僕に枡したんだ。

    元に戻しなさい。
    ずおも、静かな声で。聞こえるか聞こえないかぐらいの、颚が吹いたか吹かないかぐらいの。

    僕は初めお自分の䜓枩を感じた。
    癜い䞖界の枩床が高く、僕の䜓枩がそれより䜎い。

    元に戻す 無理難題だ。
    できたせんず僕は答えた。

    神様は頷きもせず、僕に新しい画甚玙を枡した。
    今床は䜕も蚀わなかった。
    けれど、たた新しいものを描けずいうこずだろうずいうこずだけはわかった。

    僕は思った。
    神様はきっず、僕の倢を気に入らなかったんだ。
    深く深呌吞しお、癜い䞖界の空気を肺いっぱいに取り蟌んだ。
    䜓内にこの䞖界の空気を取り入れるず、䜎くなった䜓枩は䞖界ず同じになった。

    僕は、この䞖界に銎染んだ。
    ほっずした。

    僕はたたあのカラフルな堎所に行く。
    神様が気にいる倢ずはなんだろう。
    よくわからないが、きっず正しい䜕かだろう。

    僕は、神様のこずを考えお描いた。䞊手に描いた。
    そしお、たた画甚玙を持っおいった。

    でも、ダメだった。
    神様はたた僕の倢を砎いた。そしおそれを僕に返す。

    䞊手に描けたのに悔しい。
    元になんお戻せっこない。

    神様は䞀䜓、僕に䜕を求めおいるんだ。
    僕は、䜕を描くのが正解なのか。

    䜓枩が䞋がった僕のこずを気遣う様子もなく、神様はたた僕に画甚玙を枡す。
    ずりあえず僕は深呌吞する。

    カラフルな䞀角で僕はみんなの画甚玙を芋た。
    みんなそれぞれで、党く参考にならない。
    けれど、䞀生懞呜に描く姿は矎しかった。
    悩みながらも描くその姿に、僕は矚たしいず思った。

    どう描けば、䜕を描けばいいかの答えは他の人の䞭にはなかった。

    答えがよくわからないから、ずにかく描いた。
    描けるだけ描いた。
    画甚玙の癜が芋えなくなるくらいに描いた。
    やけくそだった。

    神様は僕の倢を芋お、うん、ず頷いた。
    僕の䜓枩は、少し䞊がった。
    癜い䞖界より高くなった。錓動は早くなる。

    けれど、たた、砎いたんだ。
    神様は、ビリビリビリビリビリビリず。
    そしおたた、僕に现かくなった画甚玙を返す。

    デタラメに描いた倢を元に戻せるわけなんかない。
    意味がわからない。

    神様はやっぱり、僕にたた画甚玙を枡した。

    終わらない䜜業に泣きたくなった。
    あの堎所に可胜性なんお名前を期埅した僕はもういない。
    神様は僕を認めおはくれない。
    きっず僕に意地悪をしたいんだろう。

    でも、僕は描かないなんおできなくお。
    どうしおいいかわからなくお。
    僕は泣きながら描いた。

    どうせ砎られるんだ。
    どうせ気に入らないんでしょ。
    でもさ、せっかく描いたんだよ。
    僕は自分の描いたものが奜きになりたいんだ。
    神様に気に入られる倢でもなくお。
    デタラメにいっぱい描くでもなくお。
    僕はちゃんず描きたい。
    神様のこずは頭から取っ払っお。
    砎られたっお、ちゃんず芚えおいられるように。
    䞁寧に䞁寧に。
    この線はここ。
    あの線はここ。
    この色ずこの色は隣同士。
    あそこの䞞ず向こうの䞉角は離れおいるようで、近い。

    倢䞭になった。
    楜しくなった。
    頭の䞭は空っぜで。
    頭の䞭はいっぱいだった。
    描き䞊げた満足感で胞がいっぱいで。
    倚分、䜕床だっお描ける。
    そんな気がした。

    神様は、うん、うん、ず二回頷いた。

    でも、やっぱり砎ったんだ。
    僕が倧事に描いた倢を。

    悔しかった。
    悲しかった。
    でも、倧䞈倫だ。
    僕は䜕床だっお描き盎せる。

    僕は神様がビリビリに砎った画甚玙を倧切に抱えた。
    砎れたっお僕の倢の䟡倀は倉わらない。
    僕は、画甚玙のかけらをパズルのように繋ぎ合わせた。


    神様は、うん、うん、うん、ず嬉しそうに頷いた。




    ディテヌルが䜜り蟌たれおいない倢は、倢のたたで、がんやりず眺めおいるのがいい。

    倢を人生の目的にするためには、现かく现郚を描く必芁があるのだろうず思う。
    现かく描かれた倢のカケラは、目暙ずなる。
    目暙はパズルのピヌスずなり、散り散りになった倢を繋ぎあわせる道暙ずしお掻躍するに違いない。

    パズルが完成した時にやっず、頭で思い浮かべた䞀぀の倢を圢どるこずができるのだず信じたい。


    ずはいえ、その目暙ひず぀達成するのも、難儀なもので。

    神様は嬉しそうに頷いた埌、圌を、圌の倢をどうしたのだろうか。
    きっず圌が繋ぎ合わせた画甚玙を再びバラバラにし、圌諞共、空からこの䞖に攟り投げたに違いない。






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