
「わかりもしないくせに!」と言われた日。1型糖尿病と発達障害、中3息子の葛藤
中学3年生、勝負の1年が始まりました。
春休み中から、息子の顔は「曇り時々、イライラ」。
始業式前日ともなれば、不安と緊張でパンパンに膨らんだ風船のような状態でした。
1. 嵐の前の「かけうどん」
運命のクラス替え。
母の心配をよそに、担任もクラスメイトも大きな不満はなく、無事に帰宅。
車に乗り込んできた顔はムスッとしていましたが、質問には淡々と答えるあたり「あ、これは怒りじゃなくて『極度の疲れ』だな」と察しました。
帰宅後、まずはエネルギー補給。
「あー疲れたー!」を連発しながら、お昼ごはんの「かけうどん」をペロリ。
そのまま吸い込まれるようにゲームの世界へ。
楽しげな独り言も聞こえてきて、「あぁ、これで一安心」……と思った、その時でした。
2. 突然の「魔の時間」と、私の失言
ゲームの途中で襲ってきたのは、低血糖症状。
発達障害ゆえの「感情のコントロールの難しさ」に、低血糖による「脳のパニック」が重なる。
これはもう、中3男子の精神力だけで耐えられるレベルを超えていました。
激しい空腹感と冷や汗。さらに運悪く、血糖値を測る「リブレ」を交換した直後で、まだ自動測定ができないタイミング。
指先を穿刺して実測すると、数値は「44」。……かなりの低血糖です。
「もう嫌だぁぁぁ!」
ついに、溜め込んできた感情が爆発しました。
唸り声を上げ、泣き叫ぶ息子。
補食のグルコレスキューを食べさせるものの、血糖値が上がるまでは追加の食べ物は厳禁。この「待機時間」が、空腹で限界の彼をさらに追い詰めます。
「なんで俺ばっかりこんな病気なんだよ!」
その叫びを受け止めきれず、つい私も言ってしまったんです。
「わめいても状況は良くならないよ。様子を見ながら補食しないと」
……はい、正論です。正論すぎて、1ミクロンの救いもない言葉でした。
3. ぶつかり合う本音、そして沈黙の抱擁
「俺の気持ちなんてわかるわけないだろ!」
「わからないくせに、そんなこと言うな!」
息子の怒りは頂点へ。
私も、連日の彼の情緒不安定に付き合っていた疲れが出てしまいました。
「わからないよ!わかりたくても無理だもの」
「じゃあ、そう言われる親の気持ちはわかるの?」
売り言葉に買い言葉。
責めるつもりなんてなかったのに、悲しくて、しんどくて、言葉が溢れてしまいました。
その後、床に横たわり唸りながら泣き続ける息子を、私はただギュッと抱き締めました。
言葉はもう要りません。
気づけば私の目からも涙がボロボロとこぼれていました。
4. 「みっともなくないよ」
どれくらいの時間が経ったでしょうか。
私の涙が伝わったのか、息子は少しずつ落ち着きを取り戻していきました。
深呼吸を繰り返し、やっと会話ができるようになった頃、彼はポツリと言いました。
「取り乱してごめん」
「みっともなく泣いて、ごめん」
その言葉に、胸が締め付けられました。
「みっともなくないよ。お母さんの前では、全部さらけ出していいんだよ」
私の膝に頭を乗せて、静かに目を閉じる息子。
背中をさすりながら、さっきの失言を謝り、「いつも頑張ってるの、ちゃんと知ってるよ」と伝えました。
中3男子、体は大きくなったけれど、中身はまだ葛藤の中にいる子ども。
その重みを感じながら、嵐が過ぎ去るのを待ちました。
5. 結局、母は強くなるしかない
しばらくして、彼は水分を摂り、「もういいよ」と照れくさそうにゲームに戻っていきました。
「少しはスッキリした?」と聞くと、
「うん。去年や一昨年よりはマシだったかな」
なんて、ちょっとドヤ顔。
(母の心の声:いやいや、今年も相当な大嵐でしたけど!?)
でも、こうやって自分の感情を爆発させて、最後には「ごめん」と言って立ち直る。
そのサイクルが少しずつ早くなっているのは、きっと成長の証なのでしょう。
1型糖尿病という病気、発達障害という特性、そして思春期という荒波。
このトリプルパンチと戦う息子を受け止めるのは、正直めちゃくちゃハードです。
私も完璧な親じゃないから、一緒に泣くし、言い返しちゃう。
でも、「今日もお疲れ様。よく頑張ったね」
そう言い合える関係でいられるなら、この1年もなんとか乗り越えていけそうです。
同じように、子どもの「爆発」と戦っているお父さん、お母さん。
今日もお互い、本当にお疲れ様でした!
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